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home 5Gの上りの不安定さに業を煮やし4G接続での運用に変更

昨年以来、実家に設置して利用しているNTTドコモの「home 5G HR01」

 昨年6月頃から筆者は香川県の実家で生活することになり、仕事用も含めて実家のネット環境としてNTTドコモの「home 5G HR01」を設置し利用してきた(その導入については、こちらの記事にまとめたとおり)。その後、昨年末に東京の自宅を引き払って香川県の実家近くに引っ越したことに伴い、筆者自身が実家でhome 5Gを利用する頻度は低下した。

 ただ、実家にセンサーライト付きセキュリティカメラ「Ring Spotlight Cam Plus」をはじめとした各種IoT機器を設置したこともあり、home 5Gの利用はそのまま継続していた。

 そういった中、それらIoT機器を利用するうえで、この春以降ちょっとした問題に直面することが多くなった。たとえば、「Ring Spotlight Cam Plus」のリアルタイム映像を外から見ようとしても、映像がなかなか表示されなかったり、接続できないといったことがある。また、IoT機器からの通知が届かなかったり、時間が経ってから届く、といったことも多く発生していた。

 そして、8月以降にその状況がより悪化したため、さすがにこれは問題だと判断し、実家でネットまわりの状況をチェックしてみた。

実家玄関にセンサーライト付きセキュリティカメラ「Ring Spotlight Cam Plus」を設置するとともに、屋内にもIoT機器を設置して運用
外から「Ring Spotlight Cam Plus」のリアルタイム映像を見ようとしても、読み込み中のまま映像が届かないことが頻発

 まずはじめに、WANの速度をチェックしてみたところ、下りは320Mbps前後、上りは20Mbps前後だった。速度自体は以前とほとんど変わっていない印象で、下りに関してはレスポンスも速く全く問題が無いという印象。

 ただ、上りは計測中も速度が大きく上下し、ほとんど0bpsになってしまうことも多く発生していた。試しにクラウドにデータを転送してみても、速度が大きく上下し、転送がほぼ停止することも頻発したのだ。

 昨年、home 5Gを導入したあたりでも、上り速度は20Mbps前後しか発揮されなかったが、速度自体は比較的安定しており、大きな問題なく通信できていた。今回のチェックで判明したような、上りの速度が大きく上下したり、速度が0bps付近にまで落ちることが頻発するというようなことはなかったと記憶している。

 このところ、NTTドコモの通信品質が低下していると言われることが多くなっているが、とうとう大都市圏だけでなく地方都市にまで波及してきたのか、と思ってしまったほどだ。

 それはともかく、今のままではIoT機器を最大限活用できなくなってしまう。そこで、home 5Gの設定を見直すことにした。

実家でhome 5GのWAN速度をチェックしてみたところ、下り320Mbps、上り19Mbpsを記録したが、上りは非常に不安定で、速度が0bps付近まで低下することが頻発していた

 まずは設置場所。ただ現在の設置場所は窓際から大きく離れてお、窓際に置いたとしてもほとんど電波状況の改善は期待できそうにない。実際に場所を窓際に移動させても、速度はほとんど変化しなかった。大きく場所を変更することも考えたが、そうなるとこんどはIoT機器との無線LAN接続に支障が出る可能性があるため、場所の変更は断念。

home 5Gの設置場所は窓から近く、より窓に近づけてもWAN速度に大きな変化はなかった

 じゃあどうしようか、と考えていたところで、ふと思いついたことがあった。それはhome 5GのWAN接続を5Gから4Gに変えたらどうだろう、というものだ。安定して5G接続できているのなら4Gよりも通信品質は安定しているだろうとは思ったが、念のため確かめてみることにした。

 home 5Gの設定で、モバイルネットワークのネットワークモードを「5G/4G(Auto)」から「4G」へと変更し、WANが4G接続に切り替わったことを確認して速度をチェックしてみた。すると、下りは150Mbpsほどと5G接続時の半分以下となったが、上りは30Mbps以上と5G接続時よりもかなり速くなった。そして、速度よりも重要な通信の安定度については、上り、下りともに速度の上下がほとんどなく、安定して通信できていたのだ。試しにクラウドにファイルを転送してみても、5G接続時のように転送が止まったようになることがなく、かなりスムーズに転送できた。

 しかも、外からRing Spotlight Cam Plusに接続してみたところ、それまでとは打って変わり、短い待ち時間でリアルタイム映像が表示されるようになった。他のIoT機器との接続についても同様で、それまでのように通知が来なかったり、遅くなるということもなくなった。

home 5Gの設定で、モバイルネットワークのネットワークモードを「5G/4G(Auto)」から「4G」に変更
WAN速度は下り153Mbps、上り33Mbpsと、下りは大きく低下したが上りは1.5倍以上高速に。同時に通信の安定性が高まり、上りも安定して通信できるようになった
「Ring Spotlight Cam Plus」のライブ映像も短い待ち時間で表示できるようになった

 5Gは、接続してしまえば安定して通信できると考えていたため、上りが5Gよりも4Gのほうが安定して通信できる事実にはかなりびっくりした。それも、あまり通信のひっ迫が考えにくい地方都市でこういった状況は、ちょっと驚きだ。

 というわけで、今後しばらくはhome 5Gを4G接続で運用することにした。それと合わせ、NTTドコモは、もうちょっと通信品質、それも5Gの通信品質向上に努力してもらいたいと強く感じたのだった。