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台湾でPayPayの送金が使えない? ahamoを使って切り抜けた

 日本を含めて少しずつ諸外国での外国人の入国や現地での行動制限が解除されつつあるが、中でも日本人の人気の旅行先で、かつ筆者が到着した4月17日のタイミングから列車やバス内でのマスク着用義務が解除されるなど、かなり旅行者フレンドリーな環境に戻ったのが台湾だ。

 筆者の海外での取材先は金融やリテールなど、同業のフリーランスの記者があまり行かない展示会や会議ということもありソロでの行動が多いのだが、このたびPC関連製品で知られる台湾ASUSの取材ツアーでは多数の日本からの報道関係者が招待されたこともあり、久々に多人数での団体行動を体験することになった。

ASUSの本社取材で台湾の台北にやってきた

 ソロ行動のときはほとんど気にしないのだが、人数が集まれば「時間を見つけて一緒に食事を……」という機会も出てくる。特に台湾は食事の面で日本人には大人気のスポットであり、少ない時間でも可能であれば現地での食事を楽しみたい。

 ソロでも充分楽しいのだが、多人数で行ったときの最大のメリットは「多数の種類の料理を頼んで、少しずつ味を楽しめる」という点にある。ソロでは多くても2~3品が限度の中華料理でも、複数人が揃えば倍以上の料理に挑戦できる。

台湾のお楽しみといえば美味しい食事の数々
見た目に反して非常に辛い麺で〆

ahamo回線で海外利用不可のPayPayを利用する

 そんなわけでASUSツアーの到着日夜にトータル16人で四川料理の数々を楽しんだ一行だが、お楽しみの後にはお支払いが待っている。

 さすがに16人ぶんの会計を一度に行うと金額もかなりのものとなり、収拾がつかなくなるため、4人単位のグループに支払いを分割、4グループの代表がクレジットカードで支払い、残りのメンバーは代表者に割り勘の支払いを行うという形で話がまとまった。

 筆者のグループの代表は台湾現地の台湾ドルの現金ではなく、日本円での支払いを希望していたため、比較的日本国内での利用機会の多いPayPayで送金することとなった。

 PayPayには金額を確定して支払いを要求するためのリンクを生成する機能があるため、これがMessenger経由で筆者に届く。送金のため当該のリンクをクリックするとPayPayアプリが呼び出されるのだが、エラーが出てしまいホーム画面に到達できない。どうやら海外ではPayPayの利用ができないようロックがかかっているようだ。

楽しみの後にはお支払いが。割り勘の請求がMessenger経由でやってきた
リンクをクリックするとPayPayアプリが起動するが、ホーム画面が表示されない

 筆者はツアー渡航時に渡された現地キャリアのSIMを手持ちのスマートフォンに挿入し、それをWi-Fiルーター代わりに普段使いのデバイスをぶら下げて利用していたが、それが原因でこのSIMカード経由で接続しているデバイスは台湾現地のIPアドレスが割り当てられており、これが原因だと推察した。

 VPNを利用する手もあるが、予備にahamo回線の利用できるデバイスを持ってきてホテルの部屋に置いてあったため、食事が終わってホテルで戻ったタイミングで接続先をahamoに変更すると、予想通り先ほどのリンクでPayPayのホーム画面が表示された。

Wi-Fiの接続先をahamoに変更すると、すでに金額の入った支払い画面が表示される

 ただ、最初に入っていた金額だけでは足りなかったため、PayPayを利用しているiPhone端末の携帯キャリアであるソフトバンクのキャリア決済を使って1万円をチャージ。ここから指定金額の4000円を送金する。

 先方からは「日本帰国後でもいい」とはいわれていたが、思い立ったが吉日ですぐに送金させてもらった。

 この手のサービスで利用国を制限しているケースはありそうでなかなかなかったりするが、利用したかったPayPayがたまたま接続元IPアドレスの制限をかけるタイプのサービスだったため、手持ちのahamo回線で切り抜けることができた。

 位置情報などもチェックされると厳しいが、国内接続のIPアドレスを維持したまま海外でのデータ通信が利用可能なソフトバンクのアメリカ放題、今回のahamoといったサービスはいろいろと利用価値があるので、海外渡航の機会の多い人は月額維持費の安いサービスをキープしておくと便利かもしれない。

残高だけでは送金額に満たないので、1万円をチャージしておく
4000円を送金して受け取り待ちになった