みんなのケータイ

「全国旅行支援キャンペーン」をモバイルで活用する

 先日、大阪駅に新規開業した「うめきたエリア」取材のために大阪に行ってきた。大阪の距離であれば最近は日帰り出張ということが多いのだが、当日は大阪駅での集合時間が朝8時半で、始発の新幹線で移動しても移動がギリギリということもあり、前泊することにした。宿はいろいろ迷ったが、大阪駅にすぐ移動できて近場で一番安かったということで十三駅近くにある東横INNに決定。

 当日一緒に取材する同業者と予約の擦り合わせをしていると、「『大阪いらっしゃいキャンペーン』が使えるプランがまだ残っている!」という指摘が。

 筆者は全然意識していなかったが、政府の支援で昨年から「全国旅行支援キャンペーン」が展開されており、旅行代金のうち最大5000円の20%が割引対象となり、さらに2000円ぶんの地域クーポンが付与されるというもの。旅行代理店などを経由して申し込む形になっており、人気のせいかすでに配布が終了している地域も多く、実際に今回の大阪のキャンペーンも楽天トラベル経由などでの申し込みではすでに配布終了だったりしたようだ。今回は東横INNの直予約だったためまだ残っていたようで、せっかくなので活用してみることにした。

クーポンには紙と電子版の2種類あり、こちらは電子版(アプリ版)で支払おうとしているところ

地域電子クーポンの「Region Pay」を使ってみる

 さっそく十三の東横INNに到着してチェックインすると、「大阪いらっしゃいキャンペーン」の適用に必要な同意書が渡される。国内在住者であることを示す身分証のほか、新型コロナウイルスのワクチンが3回以上接種済みかをを示す必要があるが、こちらは接種証明書を表示するモバイルアプリがあるためスマートフォンを見せれば問題ない。

 その後、クーポンコードの記載された説明書を渡されて一通りのレクチャーを受ける。あまりにも説明に時間を取られすぎて、スタッフの方がルームキーを渡すことを忘れたのはご愛敬だが、さっそく試してみることにした。

 配布されるクーポンは2000円ぶんあり、紙版と電子版のいずれかを選択できる。紙版の場合、受付で渡されたA4用紙の1枚がそのまま紙クーポンとなるが、お店でお釣り等はもらえないため、使用金額だけ残高で支払える電子版の方が使い勝手がいい。

 また後で分かったことだが、「電子版のみ利用可能」という店舗も多く、スマートフォンを持っているのであれば絶対に電子版を選んだ方がいい(おそらく紙版クーポンだと店が集計して精算処理を行うのが面倒だからだと思われる)。

 渡された紙にあるQRコードを読み込んで「Region Pay」というアプリをダウンロードし、起動したアプリでクーポンコードを読み込んで2000円ぶんの残高を充当する。

 注意点としては「Region Pay」はアプリストアの地域が「日本国内」になっていないとダウンロードできない。他のリージョンを設定しているユーザーは切り替えておく必要がある。

宿へのチェックイン時に渡された同意書。接種証明書のモバイルアプリを見せて対応する
「大阪いらっしゃいキャンペーン」のクーポンコードが印刷された紙。そのままでも紙クーポンとして利用できるが、電子版クーポンの方が使い勝手がいい
Region Payのアプリをインストールし、クーポンコードを読み込んだところ

 前述のようにあまり意識していなかったため、地元千葉や東京を歩いていても「なんかやたら○○Payという地域の名前が付いた決済サービスのシールや立て札がお店に並んでいるなぁ……」という感想しかなかったのだが、いざ自分が使う段階になってみると、いろいろ分かってくることがある。例えば、先日成田山に顔を出したときはあちこちの店で「Region Pay」の名前を見かけたため、割とどこでも使えるのではないかという印象だった。

 だが実際にまわっていると、使える店というのは割と限られている。Region Payでは利用可能店舗を調べる地図機能があるが、この中に同業者お勧めのお好み焼きの有名店があるのを見かけたため、到着初日の晩飯にさっそくRegion Payを使ってみることにした。

「大阪いらっしゃいキャンペーン」が利用できる店舗をRegion Payアプリで探す

 今回訪れたのは「ねぎ焼 やまもと」というお店で、店先に「大阪いらっしゃいキャンペーン」の電子クーポンのみが利用できると書かれている。アプリの地図検索ではどちらの種類のクーポンを受け付けているか確認できないため、実際に店舗で確認してみる必要があるが、いろいろ見ていた範囲では電子クーポンのみというケースの方が多く、残高を無駄なく使えるという点でも電子版の方がいいという結論だ。

 食事後の会計で「クーポンで支払う」ことを伝えると、カウンター奥からQRコードを出してくれるので、Region Payでこれを読み込んで金額を入力し、支払い画面を相手に見せればいい。

十三の有名店で晩ご飯を食べる
ねぎをたっぷり使ったねぎ焼が名物
クーポンで支払うことを伝えるとRegion Payで使うQRコードを出してくる
店名が出てくるので、金額を入力して支払い画面を店員に見せればいい

 ただ、この日の晩ご飯で使ったのは2000円ぶんのクーポンのうち1100円だけなので、まだ残高には900円が残っている。仕事でどこも寄っている暇はなかったので、帰りの大阪空港でお土産を買うことにした。

 さすがに空港の土産物屋であればどこでも使えると思っていたが、行列でお馴染みの551蓬莱の店舗でも使えることが分かったので、さっそく使ってみることにした。今回はチルドの焼売10個入りと“ちまき”2種類を持ち帰りで選び、保冷バッグを購入した。合わせて1730円になるため、クーポンの900円の残高では足りない。店員によればクーポンで払いきった後に、残りの金額を別の決済手段で充当することも可能ということで、モバイルSuicaで決済を済ませた。

 今回の「Region Pay+おおさかPAY」は使い勝手もそれほど悪くなく、真っ黄色という配色の酷さを除けば、スマートフォンだけで用事がほとんど完結するのでシステム的にもよくできていると思う。いわゆる地域通貨プラットフォームのようなものだが、一昔前に比べてだいぶこなれてきた印象だ。

クーポンの残り残高を使って551蓬莱でお土産を購入。足りないぶんはモバイルSuicaで決済
無事に残高を使い切って終了。滞在中は楽しませてもらいました