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Pixel 7/7 Proがソフトウェア更新で「デュアルeSIM」になる? そんな話あるわけ……アーーッ!

【Pixel 7 Pro】

 GoogleのPixelスマートフォンは、ほぼ毎月1回のペースで本体ソフトウェアの更新がかかります。セキュリティ問題への対処だけでなく、結構なレベルの機能追加が行われることもあり、それがPixelワールドを魅力的にしています。

 しかし! 3月の更新はその中でも超絶レベルのサブライズでした。シリーズ最新モデルのPixel 7/7 Proに限った話にはなりますが、なんと「デュアルeSIM」を新たにサポートすると言うではありませんか。

Pixel 7 Proの物理SIMカードトレイが半開きになっている点にご注目。この状態でも、2枚のeSIMが「有効」になっていることが画面上で確認できます

 もちろんPixel 7/7 Proは発売時点から「デュアルSIM」をサポートしていますが、使えるeSIMは1枚のみ。言わば「シングルeSIM」仕様でした。物理SIMとeSIMをそれぞれ1枚ずつ挿すなり有効化するという形式です。

 それでも便利は便利で、筆者はPixel 7 Proにauの物理SIMを装着し、こちらで電話の発着信を実施。そしてeSIMにはIIJmio(ギガプラン4GB)を割り当て、パケット通信を行う。こうしてSIMごとの使い道を分け、毎月の利用料金を抑えています。そしてもう1つ、回線ダウンに備えて「LINEMO」のeSIMも本体内に格納しており、これは必要な時だけ、IIJmioと切り替えて使っています。

 ですが、こうした仕様がソフトウェアの書き換えだけで拡張され、eSIMの2枚同時使用、つまり「デュアルeSIM」での運用が可能になるという……。SIMの管理なんてハードウェアの物理仕様に依存しまくりで、ましてや“後付け的対応”なんてできるわけないと思い込んでいただけに、それはもう衝撃でした。

 実際のところ、端末をアップデートしてもまだ半信半疑でしたが、これが本当に使えてしまいました。下の画像をご覧ください。Pixelを普段使っていない方にはちょっと分かりづらいかもしれませんが、「au」が無効となっているのに対し(ただし物理SIMは本体に装着されたまま)、eSIMの「IIJ(IIJmio)」と「LINEMO」が同時に有効になっています。

SIMの項目に「au」とありますが、これは物理SIMが装着されていることを意味します(未装着時はキャリア名が表示されない)。その上でeSIM(画面上では『ダウンロード型SIM』と表示)が2枚同時に有効化されています

 本誌でも取り上げていますが、デュアルeSIM運用に関して通信キャリア側での動作保証はほぼありません。よって動作上の不都合が何かしら存在する可能性はあります。

 ただし筆者が日常利用している限りでは、(今のところ)致命的な不具合には未遭遇です。あくまで個人の感想ですが、一定の実用性はあるでしょう。なお、そもそも論としてPixel 7/7 ProはDSDV対応なので、音声通話中に別のSIMでパケット通信することができない点にはご留意を。

 利用するSIMの切り替えは簡単です。何かしらの組み合わせでSIMを2枚同時運用している状態で、さらに別のSIMを有効化しようとすると、「どれをOFFにするか?」という確認画面が出ます。そこでどちらかをOFFにし、さらにモバイル通信を行う回線をか決めるという流れになっています。

SIMを2枚使用している状態で、さらに別のSIMを有効化しようとすると、この画面が表示。どれを無効化するか選びます
その次の画面で、パケット通信をどのSIMで行うか選択

 思えば「デュアルeSIM」の概念に初めて触れたのは、2021年9月発売のiPhone 13でした。いずれAndroidでも当たり前の機能になってほしいと夢想しつつ、それから1年半。ようやくとは思いつつ、しかし予想だにしない形で実現して大変喜ばしいかぎりです。コストの問題とか色々あるでしょうが、他のメーカーにも是非追随していただきたく!