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「Galaxy Z Fold4」を予約――決め手はeSIMだが、未発表の価格は不安要素

 「Galaxy Z Fold3 5G」を使い続けて、間もなく1年が経とうとしている。そんな中、後継機の「Galaxy Z Fold4」が発表になった。日本では、ドコモとKDDIから発売され、現在予約を受け付けている。機種変更しようかどうか、しばし迷ったが、最終的には予約をすることにしたい。予約するだけならタダだが、たぶん買ってしまう気がしている。

発表日当日にGalaxy Z Fold4を予約してしまった

 機種変更を悩んだのは、Galaxy Z Fold3 5GとGalaxy Z Fold4を比べたとき、進化の幅が少し小さいように感じたからだ。Galaxy Z Fold3は、フォルダブルスマホとして初の防水仕様、Sペン対応も初めて、しかも日本版はおサイフケータイ初対応と、“初物づくし”だった。Galaxy Z Fold2 5Gと比べ、より日常的に利用できるフォルダブルスマホに仕上がっていたこともあり、購入は即決できた。

 対するGalaxy Z Fold4は、縦長すぎたカバーディスプレイが改善され、使いやすい比率になっていたり、カメラが最新のGalaxy S22と同等だったりと、Galaxy Z Fold3 5Gから確かに進化はしている一方で、ガラッと使い方が変わるような新機能は少ない。Sペンを本体に内蔵できていたらすぐに飛びつくつもりだったが、それも見送られていた。

筆者私物のGalaxy Z Fold3 5G(左)と、新発売のGalaxy Z Fold4(右)。ディスプレイが正方形に近づき、より各種コンテンツが使いやすそうだが……

 これが10万円ぐらいの端末だったら、特に難しいことは考えずに今使用中の端末を下取りに出して買い替えていたが、Galaxy Z Fold3 5Gは約24万円と高額な端末で、現在も絶賛支払い中。残債は、9月の支払いが終わった段階で16万9416円で、即決するのは難しい金額だ。

 一方で、いつでもカエドキプログラムの残価は9万5040円のため、現時点で返却すると、12カ月、7万4376円の支払いが残る計算になる。同プログラムには早期利用特典があり、今月この対象になれば、12カ月間、1200円が割引される。実質的に、あと5万9976円支払えばいいというわけだ。このぐらいなら、まぁ払えるか……と思い、冒頭のようにGalaxy Z Fold4を予約した次第だ。

残債は約17万円。いつでもカエドキプログラムの残価は約9万5000円、早期利用特典は1200円で、差し引きすれば何とか機種変更はできそうだ

 もう1つ、決め手になったのがeSIMを搭載したこと。国や地域によるが、海外版のGalaxy Z Foldシリーズは以前からeSIMを搭載していたが、日本版としては初の機能になる。eSIMに対応したことで、デュアルSIMが利用できるようになった。小さな違いのようで、これは意外と大きい。日本では、ドコモをメインに使うつもりではあるが、過剰な水際対策が徐々に緩和され、海外出張も増えている。このようなときに、もう1枚のSIMカードを挿せるのはありがたい。

通信面では、eSIMやデュアルSIMに対応したのが、Galaxy Z Fold3 5Gとの大きな違いだ

 例えば、アメリカに行く場合、ドコモ回線をeSIMでセットしておきつつ、SIMカードスロットにソフトバンクの「データ通信専用3GBプラン」のSIMカードを挿しておくことができる。これなら、アメリカ内でのデータ通信が無料で使い放題になる。同じ端末で、ドコモ回線にかかってきた電話やSMSを受けられるのも便利だ。

 また、国内でも、ドコモ回線の電波が弱いとき、ソフトバンクに切り替えることができる。特に最近、ビル内や地下でドコモの電波があまり入らないことが複数回あった。新しくできたお店では電波対策がされていないことはあるし、エリア設計を変えた際に入りづらくなってしまうこともある。このようなときでも、デュアルSIMで別のMNOに切り替えれば使えるケースがある。

 対応バンドも広がり、複数キャリアでの使い勝手も増した。Galaxy Z Foldを“無線機”として見たときの性能は、大きく上がったと言えるだろう。機種変更するのがAndroid 12Lをもっとも早く使える手段ということもあり、Galaxy Z Fold4は買ってしまう可能性が高い。

Android 12Lのタスクバーを現時点で利用できるのは、Galaxy Z Fold4のみ。Galaxy Z Fold3 5Gのアップデートを待つ選択肢もあるが、やはり機種変更の方が早く利用できそうだ

 不安なのは、価格が未発表なこと。Galaxy Z Fold3 5Gの24万円でも、清水ダイブを決める覚悟が必要だったが、今年はさらに価格が高騰する可能性がある。1年で円安が大幅に進行してしまったからだ。すでに発売済みの米国での価格は1799ドル。お値段は据え置きだったが、本稿執筆時点での為替レート(1ドル=142.63円)で計算しても25万6591円と、昨年より高くなっている。

米国での価格は1799ドル。円安ドル高の為替相場で、日本の価格がいくらになるのかが不安要素だ

 国内版は、おサイフケータイなどの日本仕様が入っていたり、キャリア経由で販売コストが上がっていたりすることで、さらに値上がりしてしまうおそれもある。いくらになるのか、戦々恐々としているユーザーも多いだろう。ただ、今回の円安ドル高は、円が安くなった以上にドルが高くなった側面が強く、サムスンの本拠地である韓国のウォンは、円に対してドルほど高くなっているわけではない。希望的観測になってしまうが、日本でフォルダブルスマホを普及させるためにも、ぜひ何とか前年並みは維持してほしいと感じている。