みんなのケータイ

iPhoneのカメラは高性能だけど、やっぱりデジカメは欲しい

筆者のデジカメ、DSC-RX100M2(左)とNEX-5R(右)。NEX-5Rにつけてるレンズはそこそこ良いレンズだ(本体より高いぞ)

 前回、「iPadで事が足りていてMacBookが買い替えられない」と書いた筆者だが(参考記事)、そういえば仕事で使っているデジカメも買い替えていない。いま使っているデジカメは2012年発売のソニー製レンズ交換カメラ「NEX-5R」と2013年発売のソニー製コンパクトデジカメ「DSC-RX100M2」だ。両方ともかなり古い。

 最近は、iPhoneで撮影した写真を媒体に掲載する機会も増えている。というのも、最近の筆者は、ケータイ Watchの姉妹媒体のImpress Watchでマンションなどの住宅の取材をする機会が増えているためだ。

 一般住宅の室内の様子を広く撮影するには、広い画角を持つ超広角レンズがほぼ必須だ。しかし、超広角レンズはコンパクトデジカメにはほぼ搭載されないし、レンズ交換式カメラのレンズだと10万円を超えていて手が出しにくい。

 一方、今どきのスマートフォンは、多くのモデルが超広角レンズを搭載している。

 「iPhone 13」シリーズにも搭載されている。35mmフィルムカメラ換算の焦点距離、これは短い方が広角で、(諸説あるものの)45mmくらいが標準とされるが、これがiPhone 13シリーズの超広角カメラは13mmとかなり広い画角で撮れる。そのうえ画質も良く、何も考えずに撮っても、媒体掲載できるくらいの綺麗さだ。

 たとえばこちらの記事「“木”でつくるマンション「MOCXION INAGI」を見てきた(Impress Watch)」に掲載している写真、半分以上がiPhoneで撮影している。

 スマホのメインカメラなら、超広角レンズより良い画質で撮れる。細かいマニュアル設定をせず、適当にシャッターを切っただけで、AIだかなんだかが明るさや逆光、色調を補正をしてくれる。10年前のデジカメに比べると暗所撮影時のノイズも少なく、多くのシチュエーションで、そのまま媒体掲載しても問題ないレベルだ。

 だったらもうデジカメが要らないんじゃないか、とも思われるかもしれないが、なかなかそうはいかない。仕事で使うとなると、スマホのカメラでは足りない点がいくつかある。

iPhone 13 Proのメインカメラで撮影。広角レンズで近寄ると、被写体の一部だけが大きく写ってしまう
引いた位置から撮れば立体感が抑えられるが、デジタルズームで撮るか後でトリミングする必要がある

 まずは望遠撮影だ。

 スマホはメインカメラでも広角寄りで、35mmフィルムカメラ換算で26mm前後と、一般的には広角レンズとされる領域だ。被写体を画面いっぱいに撮ろうとするとかなり寄る必要があり、いわゆるブツ撮りだと被写体の手前部分だけがデカくなり、ちょっと不自然になってしまう。

iPhone 13 Proの3倍の望遠レンズで撮影。細部の描写がなんというか、にじんでいる

 かといって、iPhoneのProモデルなど、一部のスマホが搭載する望遠レンズは、画質が良くない。「メインカメラのデジタルズーム」の方がマシなんじゃないかというレベルだ。そもそも一部モデルを除き、ズーム倍率も大きくないので、たとえば発表会で登壇してる人を撮るとかは厳しい。

NEX-5Rの24mmレンズでF値をf/1.8まで開放して撮影。手前のレンズの一部にしかピントが合っていないのでディティールを伝えられない
同じレンズでF値をf/5.6まで絞って撮影。これでもややボケるが、さらに撮影アングルを工夫すればディティールをある程度、伝えられる

 あとはマニュアル撮影時にできることの違いだ。スマホのカメラは一部の例外を除き、「絞り」のF値が調整できない。大雑把にいうとF値は低い方が明るく、背景がボケやすくなり、F値が低いレンズが重宝され、スマホでは固定F値の低いものが流行している。

 確かに背景をボカして主題を強調した写真には良いが、筆者が仕事で撮るような製品の外観ディティール撮影なんかでは使いづらい。

 この辺りは、現状のスマホのカメラではどうしようもないので、やはり仕事の撮影を全てスマホで済ますというわけにもいかず、別途デジカメを持っておく必要がある。

 となると、そろそろ10年選手になる筆者のデジカメもそろそろ買い替えどきなのだが……前回の記事で書いたMacBookの買い替えとはまた別の理由で、なかなか買い替えにくい。というのもちょっとしたこだわりを持っているからだ。

 そのこだわりとは、「次に買うデジカメはUSB Type-Cに対応していること」だ。

 最近の筆者は、移動中を含めてiPhoneをMagSafeで充電しているので(参考記事)、Lightningケーブルはほぼ不要で、iPadやモバイルバッテリーなど周辺機器のための「USB Type-C」ケーブルだけで事足りている。

 そこにmicroUSBが加わるのは避けたいのだが、デジカメは現行製品でもmicroUSB採用製品が多い。新規デザインの新製品だと、USB Type-C採用製品も増えているが、旧モデルと同じ筐体の後継製品とかだと、新製品でもmicroUSB採用ということがままある。

 筆者にとってデジカメは2年や3年で買い換えるものではないので、長い期間を便利に使えるモデルとして、次に選ぶモデルにはUSB Type-Cが必須だと考えている。そうなると選択肢がかなり少なく、定期的に製品をチェックしているのだが、そのたびに「この新製品が良さそうなのに、なんでmicroUSBなんだよっ!」となりがちだ。

 些細な問題とも思うが、些細な問題なので、カメラメーカー各社にはType-C採用を進めて欲しいと思う今日この頃である。