本日の一品
格安Bluetoothヘッドセットをヘルメットに組み込んで手軽にリスニング環境を構築してみた
2024年11月26日 00:00
筆者は久しぶりに自動二輪に復帰した。その間はクルマでの移動機会が多くそちらに慣れてしまったため、外気に晒されることの厳しさ(今年も酷暑は予想以上だった)とか、高速道路での移動中に音楽とか聴けない味気さなとかを痛感することになった。そのあたりを埋め合わせるべく今回購入したのが今回紹介するヘルメット組み込み用Bluetooth接続ヘッドセットだ。チョイスしたものは、いわゆる「中華インカム」のひとつでもある「NikoMaku」社製品「L1M」というもの。
この会社、Amazonなどでバイク用品では良くみかける名前ではあるが企業概要などはこのあたりには明示されておらず微妙に謎感漂うところはある。一方で製品に表示されている技適マークは「技術基準適合証明番号」を総務省のホームページから検索してみると登録情報はきちんと出てくる。とりあえずそのあたりは真面目にやっているようで、またここ数年のユーザーからの評価も比較的良好であり、お値段の気楽さもあり「お試し」くらいの感覚で購入した次第。もっと安いものはあったものの技適を通っているのかわからなかったり厚みがちょっとありそうだったり、スイッチ一体型のマイクがやけに大きかったり。今回のものが自分的にはお値段と機能と安心感のバランスという点で現実的な落としどころかなぁというところだ。
アマゾンで発注後筆者の場合10日ほどで到着。薄いパッケージで入っており、開けてみると更に細長いパッケージに少々驚く。
開けてみるとなかは更にシンプル。スピーカーとマイク兼コントロールスイッチ部で構成された本体と、スピーカーをヘルメット内部に固定するためのベルクロシールがビニールに包まれただけでポンと入っている。重量が軽いのでこれで十分ということか。あとは四つ折りの細長い「説明書」が同梱されている。これは幸い日本語で書かれていた。内容は最低限のことしか書かれていないが、機能もシンプルなのでこれで特には困らなかった。
筆者のヘルメットはアライ製のオープンフェイス型「VZ-RAM」というモデルで、イヤーカップ部分のスペースも大きくとってある仕様だったこともあり、装着自体は非常に簡単だった。「L1M」は同社製品の中でもスピーカー部の厚みが10mm以下と特に薄いことを売りにしている。ちょうど耳のあたりにスピーカー開口部があたるように仮調整後、ベルクロテープを貼りここに張り付けるように固定。左右をつなぐケーブルと充電用コネクタは内装の襟パーツと頭頂パーツの間に押し込んだ。マイクブームは左のチークパッドの隙間から前に出す格好を取る。バイザーを下げた際にはその少し内側に位置するため、風切り音も多少は防げるはずだ。また、スイッチのオンオフ、音量調整などはブーム先端のマイク部に組み込まれたスイッチを押すことになっており、左手を突っ込める程度の位置関係にしておく必要もあった。
装着そのものは10分程度で完了する。スマートフォン側との接続も、「L1M」の電源を入れるとすぐに見つけられて簡単に設定完了した。バッテリー容量は250mA。連続再生12~15時間、待機400時間、充電所要時間1~2時間というのがカタログスペックだがまあ、半分程度と思っておいたほうがいいかもしれない。充電コネクタはUSBだがMicro-B。昨今のスマホと比べると一昔前の規格なので出先で充電が必要になった時のためにケーブルは準備しておいたほうがいいかもしれない。
スイッチを入れてみる。▲が書かれているほうが電源スイッチだ。3秒間以上の長押しで電源ON。「説明書」には『初回は中国語でアナウンスが出るので英語に切り替える設定を行ってください』などと書いてあったが、筆者の購入品は最初から英語のアナウンスが出た。この辺は地味に助かる。音量調整はとなりの+が書かれているボタン。結構微妙なのは音量の大小制御が「一方通行」なことだ。ボタンが一個しかないからなのだろうが、クリックするたびに大きくなる。一旦最大音量になってからようやく音量が小さくなる。なので、細かい音量調整はちょっと面倒ではある。もう一つはスマホ側に着信があった際には10秒以内に▲ボタンを二秒押し続けて「着信拒否」の操作をしないと強制的に通話を開始してしまうという仕様になっている点だ。なお、音楽の再生・停止は▲ボタンのクリック1回。+ボタンの2秒間長押しで次の曲にスキップする。戻る操作はできない。
ヘルメットをかぶり実走行しながら実際に曲をかけてみる。低音域はちょっと細いかなという感じだがボーカルは比較的はっきり聞こえるという感じ。インイヤー型ではないこともあり音量を大きくし過ぎなければ周辺の音は結構聞こえる。この辺は走行速度との関係で変わってくる部分もあるが利用者のモラル如何というところか。スイッチの操作感覚だが、夏用のライディンググローブを装着した状態でもとりあえずは捜査に不自由はない。ただし、冬用のグローブだともしかすると厳しいかもしれない。このあたりはもうちょっと策くなってからの判断としておく。通話も試してみたが、相手の声は明瞭に聞こえる。こちらの声についてはオープンヘルメットということもあり高速道路の走行速度だとマイクが風切り音を拾うため、明瞭とはいいがたい。が聞こえないというほどでもないよう打。都内一般道を走行するくらいの速度域ならばまず問題は感じなかった。が、会話は結構意識を持っていかれるので、特に一般道走行中は控えたほうがよさそうだ、というのが筆者の見解である。なお、肝心の「高速道路上でのリスニング」だが、これは充分実用的だと感じた。長時間走行でも退屈したり眠くなったりしないで楽しめそうだ。LINE通話やMessenger通話の際も、ボタン操作は有効なので、これらを使った走行中のコミュニケーションもある程度可能だろう。
いずれにせよ3000円ちょっとの投資で得られる体験、という観点でいえば極めてコストパフォーマンスは高いと感じる一品、というのが筆者の感想だ。スイッチ周りに別のBTデバイスを追加するか考えつつしばらくは使ってみようと思う。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
---|---|---|
L1M | NikoMaku | 3580円 |