本日の一品
ゲオ店頭でオープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンを買ってみた
2024年11月25日 00:00
外耳道にギュッと押し込む耳栓型のカナル型イヤフォンが普通だった昭和世代の筆者は、かなり昔からあったB&O社などの耳殻に引っ掛けるタイプのイヤフォンも発売早々に購入してテストしてみたが、音楽を突っ込んで聴くにはもう一つパッとしなかった。
数年前に、音楽だけではなく電車内のアナウンスも会社内での周囲の音も聴こえるオープンイヤータイプの国産モデルが発売された時にも興味半分期待半分で手に入れて聞いてみたが、周囲の音の確認には適しているが、相変わらず筆者好みの音楽はやはりもう一つパッとしないところは何も変わっていなかった。
以前レンタルDVDを借りに行っていた近所の同じゲオに、最近は安価でマニアックなガジェットを見に行くことが多い。そのゲオが、ニューデザインでけっこう派手なカラーのオープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンを発売したというWEBニュースを見た。早速お店に行って店員さんに展示場所まで案内して頂き、速攻で計画衝動買いをした。
筆者が購入したカラーモデルはブラック、ホワイトはシカとしてもちろん一番派手なオレンジを基調にした、ブラックとオレンジの派手なコンビネーションモデルだ。パッケージの中身は左右の耳に引っ掛ける左右のイヤフォン本体と充電ケース、Type-C充電ケーブルそして日本語取説だ。
充電ケースの両面に左右のイヤフォンを取り付けた3点合体状態で、手のひらに余裕で収まり総重量は実測39g。イヤフォンは各10gと軽量だ。イヤフォン本体にはスピーカーやマイク、LEDランプ、タッチセンサーが付属する。内部には60mAhのバッテリーがあり、スペックでは50%の音量で8.5時間の連続再生が可能らしい。もちろんペアリングするスマホの特性やスマホとの距離でも時間は変化する。
イヤフォンは他社同様、充電ケースに収納した状態で充電可能だ。フルに充電した充電ケースだけで両イヤフォンは1.5回充電可能だ。充電ケースには240mAhの充電池が内蔵され約1.5時間で満充電出来る。充電ポートカバーをめくって、Type-Cポートに外部のUSB ACアダプターやパソコンのUSB端子から充電を行う。充電開始時は充電ケースのLEDが赤点滅し、満充電になると赤点灯に変わる。緑とかではないので最初は混乱する。
マルチポイント接続(2台同時接続)なので今回は数台のスマホと接続してみたが、最終的には筆者の現在のメインスマホであるGalaxy s24 ultraとXiaomi 14 ultraの両デバイスとペアリング設定してみた。ペアリングに関しては特に変わった操作は不要で、スマホの設定画面から”OWS D7”という名前のイヤフォンとペアリングするだけだ。
充電に続きペアリングが終了すれば、左右のイヤフォンをスピーカー位置が耳の外耳道の延長に当るように耳殻に引っ掛ける。オープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンの場合は電源のオンオフからペアリング、再生・一時停止、曲送り・曲戻し、着信応答・着信拒否、音声アシスタント起動、ゲームや動画再生に向いた低遅延モード等全ての機能を左右のタッチセンサーのタップ回数や長押し操作で選択するので少し慣れは必要だ。
今回も音楽ソースは筆者の超個人的昭和趣味で選んだ。新しいところで女性ブルースギタリスト率いるララプライスバンド、ジャズヴォーカルでは大御所のサリナジョーンズ、70年代のロックバンドのハンブルパイ、80年代のヘビーメタルバンドのアイアンメイデン等だ。どちらかと言えばオープンイヤーイヤフォンには不向きそうな低域のパワー感のある楽曲ばかりを聴いてみた。同時にamazonプライムミュージックでも類似したソースを試聴してみた。
今回試聴に使った曲はどれも、過去何度も様々なオーディオ装置で聴いたりイヤフォンを選ぶときに何度も聴きいた曲だ。なので個別ソースのサウンドの再現評価は別にして、オープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンという令和生まれの新しいテクノロジーでの最適性だけを考えてみた。
まず人間は40歳を超える頃から2KHz以上の高域の聴覚が著しく低下する。オープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンを週一で数ヶ月近く使ってみて感じたのは、いずれの音源ソースでも高域ではなく圧倒的な低域不足だった。外耳道に耳栓の様に突っ込むタイプではないイヤフォンなので、低域の大幅な不足は止むを得ないと言えばその通りだがやはり寂し過ぎる。
今回は何とかスマホアプリのイコライザー機能を活用して低域の不足は補ってみたが、厳密には曲ごとの設定が欲しくなるほど厄介だった。本来低域のパワーを期待するのであれば、鼻からオープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンの選択は間違っていたのかもしれない。これは単に筆者の期待過剰と知識不足だった
実際に今回の全てのアーティストの同じ曲を聴いても、オープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンと他のカナル型のワイヤレスイヤフォンや、有線のレガシーなイヤフォンとは音楽としての再現性は全く比較にならない。最も差を感じたのは低域の強調されたNothing BUDSの差だった。
残念ながら筆者の好みの音楽は、そのほとんどがレガシーな密閉型ヘッドフォンや、せいぜいカナル型のイヤフォンが市場の99.99%の時代にレコーディングされリリースされた音楽ソースが100%だ。そもそもオープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォン等この世に存在しなかった時代の遺跡的ソースばかりだ。
オープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンは、移動中に周囲の環境音にも注意を払いつつスマホで音楽を歯科医ややカフェの天井スピーカーのようにBGM的に小音量で聴いたり、通勤車内のオーディオブックで勉強するのに最適だ。デシベルの低い非衝撃音で自身の耳への健康と音漏れを押さえ、周囲への気配りオーディオに最適なデバイスだ。
そして会社に着けばデスク上のパソコンとペアリングして、オンライン会議で役立つヘッドセットデバイスとして活用で出来る。もちろん左右どちらか一方だけのイヤフォンで、音声電話の会話用ヘッドセットとしても活用可能だ。
筆者の様に全身で音を浴びるサウンドシャワー系の音楽や、鼓膜には相当悪そうだが外耳道に響く重低音のヘビーロックを聴くにはスマホのボリュームを100%にしても全く適していないだろう。今から十数年前に清水の舞台から飛んで手に入れたAKG K3003や最近のNothing Ear(2)、BUDS等はまだまだ手放せない。
コンパクトで取り出し、収納アイデアが素晴らしいオープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォンは、早朝のファミレスでの原稿書きや、どうせ居眠りしてしまう新幹線車内でのパソコン仕事の時のBGM専用イヤフォンとして使ってみようと考えている。早速明日から京都まで出かけるので懲りずに使ってみるつもりだ。どことなく”カタツムリ・クリーチャー”的な奇抜なデザインは気に入っている。
商品 | 価格 | 購入 |
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オープンイヤー完全ワイヤレスイヤフォン(オレンジ色) | 4378円 | ゲオ店頭 |