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Rakuten Miniを使ってセミプロレベルのカメラマンと写真対決

【Rakuten Mini】

 小学生の頃、クラブ活動で「写真部」を選ぶほどカメラが好きだった筆者だが、いつの間にかカメラから遠ざかり、気づけば「社内で最も写真が下手くそ」というレッテルを貼られるまでになっていた。

 仕事で写真を撮る機会が増えたこともあり、今はそこまでひどくはないが、やはり上手な人と比べてしまうとがっかりすることがある。身近にいるとなおさらだ。

 というのも、自分ひとりでは撮影が難しいと感じるようなイベントに同行してもらっているY氏なる人物がおり、その腕前はセミプロレベル。スマホでも作品になりそうな写真を撮る。彼が使っているのは、AI補正のあるPixel 4。同じものを撮っても「違うのは当たり前だよね」と考えていた。

 では、ボケ味などの補正がなく、見たままの素直な画が得られるRakuten Miniではどうだろうか。最近、Y氏もRakuten Miniを入手したので撮影対決をしてみることにした。公正を期すために、使えるのはRakuten Miniのカメラアプリのみ。フィルターの利用はOKというルールの下で行った。

Rakuten Miniのカメラスペック

 すでに愛用者も多いRakuten Miniではあるが、ざっとカメラ部分のスペックをおさらいしておきたい。

 メインカメラの解像度は約1600万画素で光学ズームには非対応。デジタルズームのみ4倍に対応している。手ブレ補正機能がないため、撮影時にはしっかりとホールドしておかないといけない。F値はf2でそれなりの明るさ。ISO感度は最大で6400となっている。

 HDRに非対応のため、明暗の差が激しい場所での撮影には向かない。「ライフログ的写真であればこれで充分!」で、木の間から明るい風景を撮った作例を見れば納得していただけるだろう。

 なお、外出自粛要請が出ており、遠出がかなわなかったため、近場の食堂で出されたものを被写体としていることに留意いただきたい。

いざ対決

 まずは、豚の漬け焼きからいってみよう。厚めに切った生姜焼き用の豚肉を塩のみで味付けし、しっかりと締めてから焼き上げた逸品だ。

豚の漬け焼き。後ピンになってしまっているがうまく撮れたのではなかろうか
同じく豚の漬け焼き、Y氏撮影。できるだけ全体をフレームに収めようとする筆者と違い、被写体に近づくことでシズル感を出そうとしているのがわかる。しかも、しょっぱなからフィルターを使用している
筆者も負けじとフィルターを使うことにした。普段はフィルターの有無さえ気にもとめないのだが
血色が良くなり、シズル感も出たのではないだろうか
ビフォー・アフター。お手本があるだけでこんなに変わる
Y氏の写真(左)と比べても遜色のないものになったと思うがどうだろうか

 次はシロコロの鉄板焼だ。

筆者撮影。Rakuten Miniはいい感じにテリ感を捉えてくれる
Y氏撮影。「お題が良くないなぁ」と言いつつ、一発目からキメている。勝てる気がしない

 大好きな炭水化物ではどうだろうか。筆者の炭水化物愛が、写真にも表現されるはずに違いない。ガーリックチャーハンにトライだ。

筆者撮影。「寄せて、寄せて」と口の中で呪文のようにつぶやきながらシャッターを切ったが、全体的にのっぺりとしてしまった
Y氏撮影。これまで寄っていたのに、こちらは余白を活用して趣のある作品になっている。ご飯粒の陰影で塩加減が、くっきりとした糸唐辛子がスパイシーさを醸し出している。悔しい

 最後はデザートとなるクリームあんみつだ。

目の前に被写体が来ると、何も考えずシャッターを切ってしまいがちなので、構図と色合いを考えに考え抜いて撮影。フィルターは「メトロ」を使った
Y氏の撮影したクリームあんみつ。室内の温度でソフトクリームが溶けかかっているのを捉えているため、とろんとした柔らかさが表現できている。光の加減も絶妙だ

 同じ端末を使ってみて、やはり審美眼の違いやもって生まれた天性の違いなどを思い知る結果となったが、Rakuten Miniでも構図とフィルターを駆使すれば、ここまでのものが撮れるのだ、ということの参考になればうれしい。ただし、シャッターボタンの反応が遅いことと、手ブレ補正機能がないことだけはお忘れなく。

対決でなければ、基本的に全体を撮るようにしている。仕事柄、記録写真的になってしまうのは、仕方のないことなのかもしれない