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送り状不要でキャッシュレス、「宅急便をスマホで送る」の領収書が手書きだった

 新型コロナウイルスの影響で企業の発表会がほとんどなくなり、取材記事を書く機会が大幅に減少している昨今。ですがその分自宅にいる時間が長く、スマートフォンにじっくり触れる時間が取れるようになったことから、最近はスマートフォンのレビュー記事を執筆する機会が増えてきました。

ヤマト運輸の「宅急便をスマホで送る」。スマートフォン上で送り先や荷物の内容などの情報を入力し、決済すれば荷物を持ち込むだけで発送ができる便利なサービスだ

 そのレビューをする上で必要不可欠なのが、お借りしたスマートフォンを返却する際に使う、宅配便の存在です。それゆえレビューの執筆が増えるとともに宅配便を利用する機会も増えているのですが、長年不満を抱いていたのが送り状を書かなければいけないことです。

 宅配便を送る際にはコンビニエンスストアなどで送り状を書くのが一般的ですが、店頭で手書きをするには時間と場所が必要でお店の邪魔にもなってしまいますし、新型コロナウイルスの拡大で政府が緊急事態宣言を出している現状では、長い時間店内に滞在するのもはばかられる所。最近では自宅で送り状を印刷するサービスも出てきてはいるのですが、送り状を用意する必要なく、もっと簡単に宅配便を送る術はないものか……と思っていたら、2019年にベストなサービスが登場していました。

 それはヤマト運輸が提供している、スマートフォンだけで発送手続きを全て完結できる「宅急便をスマホで送る」というサービス。スマートフォン上で発送に必要な情報を入力してQRコードを取得し、それを店頭で読み取ってもらえば、送り状を書く必要なく荷物を送ることができるというものです。

 しかもクロネコメンバーズ会員であれば、直営店以外のコンビニエンスストアから発送できるようになりますし、キャリア決済やApple Pay、クレジットカードなどによるオンライン決済も可能。印刷されたレシートを専用の袋に入れて荷物に貼るなど店頭で若干の作業が必要にはなりますが、送り状を書くのと比べればはるかに楽です。

 そこで早速クロネコメンバーズ会員となってこのサービスを利用し、借りていたスマートフォンをコンビニエンスストアから送り返し、とても満足……と思っていたのですが、仕事で利用する上で1つ、非常に大きな落とし穴があることに気づいたのです。

 それはスマートフォンで発送手続きをする際にオンライン決済を利用し、コンビニエンスストアで発送した場合は、領収書が発行されないということ。あくまで個人での利用を想定しているためか、ヤマト運輸のFAQを見ても「コンビニで荷物を発送した場合は、決済後に送信される『決済完了メール』にて金額のご確認をお願いいたします」と記述されているのみで、システム的に領収書を発行する仕組みが存在しないのです。(※編集部注:ヤマト運輸直営店で発送した場合は発行できます。)

 しかもこのサービスは決済時点で料金が確定する訳ではなく、ユーザーが大まかな荷物のサイズを選んだ後、ヤマト運輸側で正確な荷物のサイズを査定し、発送した上で料金が確定する仕組み。それゆえ直営店で発送した場合もその場で領収書をもらうことはできず、発行は翌日以降となってしまうようです。

「宅急便をスマホで送る」では荷物の詳細が分からないので、サイズを大まかに選ぶ仕組み。それゆえオンライン決済の場合、料金の確定は発送後となる

 筆者は仕事でこのサービスを利用したので、領収書がなくては経費に計上できず困ってしまいます。そこでヤマト運輸に問い合わせたところ、伝票番号を伝えれば決済完了後に近くの直営店から領収書を送るとのこと。そして後日、領収書は無事届けられたのですが、印刷ではなく手書きの領収書を配達員が手渡しで届けるなど、効率的ではないと感じてしまったのは事実です。

サポートに問い合わせ、近くの事業者から領収書が送られてはきたものの、個別対応ということもあり手書きの領収書だった

 サービスとしては先進的でとても便利なのですが、領収書の発行がオンラインでできるなど、システム化がなされておらず非常に手間がかかるという1点だけで、仕事での利用は控えざるを得なくなってしまうというのは残念でなりません。始まって間もないサービスでもあるだけに、ぜひ改善をお願いしたい所です。