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サポート終了間近の「Windows 10 Mobile」を最後にもう一度触ってみる

【503LV】

 2019年12月10日、「Windows 10 Mobile」のサポートが終了します。本記事の掲載時点では、Xデーまであと2週間。

 筆者はメイン端末としてはずっとAndroidスマートフォンを使っていますが、他のモバイルOSのことも知っておきたいので(という衝動買いの言い訳)、それ以外の端末もいろいろ買っています。

 過去に使っていたWindows 10 Mobile搭載機を列挙してみると、マウスコンピューターの「MADOSMA Q501A」と「MADOSMA Q601」、FREETELの「KATANA 02」、geaneeの「WPJ40-10」……前身のWindows Phone時代の「IS12T」なども含めると、けっこう使っていますね。数少ないハイエンドモデルの「HP Elite x3」か「Liquid Jade Primo」を買っておかなかったのがやや心残り。

503LV

 馴染みのあるOSがひとつ終わってしまうということで、最後にもう一度使ってみようと、自宅に眠っていた「503LV」を引っ張り出してきました。国内で販売されたWindows 10 Mobileスマートフォンとしては後発の部類ですが、それでも2016年11月発売なのでちょうど3年前の機種ということになります(※発表時のニュース記事)。

まずはアップデート

 はたしてどんな状況になっているのか、使えるアプリはまだあるのだろうかとドキドキしながら電源を入れますが、使ってみる前にアップデートを済ませておきます。終了間近とはいってもしっかりサポートされていて、503LVの場合は毎月セキュリティ関連のアップデートが配信されています。

 私の503LVは2018年12月のバージョンで止まっていたので、まずは2019年11月の最終版までアップデートする作業が待ち受けていました。まとめて実施することはできないので1カ月分ずつ、11回かけて最終版へ。それにしても、法人向け端末ということも関係しているのかもしれませんが、最後まで毎月更新されていたというのは立派です。

 アップデートを済ませてストアを見てみると、「人気順」の1位が星1つの評価だったり、「トップ無料」の1位と2位が某有名サービスの非公式アプリだったりとなかなかすごい状態。

アプリストア
Twitterアプリ

 ただ、Windows 10のパソコンでもスマートフォンでも同じアプリが動作するUWP(Universal Windows Platform)という仕組みのおかげで、アプリがまるでないというわけではなく、ストアで見つけづらい状態になっていても実はちゃんと公式アプリがある、というサービスも見受けられました。

 Twitterの公式アプリなどは、1年ほど前に使った時にはかなり古いバージョンで止まっていて、Android版やiOS版でいうところの2~3年前の仕様だったのですが、アプリを更新してみると「ブックマーク」「モーメント」などの比較的新しい機能にも対応していて驚きました。どうやら、Windows Phone/Windows 10 Mobile向けの専用アプリをかつて提供していた企業でも、終了を前にパソコン向けと兼用のUWPに統合する動きがあったようです。

 あらためて使ってみると、ハードウェアは縦長ディスプレイやベゼルレスが普通になってしまった今では少し古く見えるとしても、ユーザーインターフェイスは不思議と「古い」とは感じませんでした。

 もちろん、日々使っているパソコン版のWindows 10と似ている部分も多いので、見慣れていて懐かしくはないという理由もあると思いますが、今見ても新鮮さが失われていない要素が多いことも理由でしょう。

スタート画面

 ひと目でWindows 10 Mobileの端末だとわかるタイル状のスタート画面は、列数が増えたり設定の自由度が少し上がったりしたことを除けば、基本的には2010年発表のWindows Phone 7から続くものです。しかし、シンプルでいて今でも見栄えのする画面だと思います。

 機能面では、濁点まで1回のフリック操作で入力できる「カーブフリック」は慣れると素早く入力したい際にメリットを感じられる機能でした。かつて目玉機能としてアピールされていた「Continuum」も、サムスンの「DeX」やファーウェイのPCモードを見る限り、あと2~3年遅ければスペック的にもより実用的なものになっていたかもしれません。

カーブフリック
Continuum

 Windows 10 Mobileの撤退後、海外に目を向ければ「KaiOS」など“第3のモバイルOS”と呼べそうなものはいくつかありますが、日本では今のところ第3のOSは不在。どんな新しいものが出てくるのか、そもそも登場することはあるのか、今後も楽しみにしています。

サポート終了についてのQ&Aでは、Android/iOSデバイスを移行先として案内。“世界中の人々や企業がより多くのことを達成できるように力添えするというMicrosoftの企業方針により、当社はこれらのプラットフォームやデバイスでMicrosoftのモバイルアプリをサポートすることを余儀なくされています”という一文が味わい深い(公式サイトより)