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Mate 10 Proに「顔認証」と「夜間撮影」がやってきた

【Mate 10 Pro】

 7月5日掲載の前回の投稿で、auのVoLTEが利用できるのはいつになるんでしょうかと書いた数日後、Mate 10 Proにソフト更新というニュースが届き「ついに来た!?」と一瞬盛り上がりかけたものの、その内容はカメラ機能の強化だった。

 とはいえ、この更新内容も本来はがっかりするようなものではなく、かなり便利になるもの。ニュースを読んですぐ更新のチェックをすると、そのまま更新ファイルのダウンロードが始まって更新できた。

 まず設定したのは「顔認証」。インカメラで自分の顔を登録すれば、指紋認証センサーの代わりに、インカメラが顔を捉えるだけで画面のロックを解除できる。認証速度もかなり速く、卓上に置いてある場合などの、背面に指を伸ばすのが難しいシーンで便利に使える。

 ただ、端末を持ち上げると画面が点灯する「端末起動」と組み合わせた利用では、確かにあるシーンでは「端末を持ち上げる」→「画面が点灯し顔認証を開始」→「ロック解除」という流れをスピーディにこなせて便利なのだが、いささか“暴発”も多い印象。具体的には、電源ボタンを押して画面を消灯して仕舞おうとしても、例えばスタンドに置こうとすると再び画面が点灯しており、そのまま顔を捉えて認証OK、ホーム画面を表示する、という具合。「端末起動」の機能自体はそこそこ便利なだけに悩ましい状態だ。これを回避するには、意図しない画面の点灯を確認したら数秒間ヘン顔をしたり、「ふんっ」とそっぽを向いたりして認証を失敗させるという奇行に走るしかない。

 「夜間撮影」機能は、露出の異なる複数枚の画像から1枚の写真を合成する機能で、カメラのファインダー画面で左から引き出すようにスワイプすると出てくるメニュー画面で選択できる。シャッターボタンを押すと、おおむね5~10秒のカウントダウンが始まり、露出の異なる写真を複数枚撮影する様子がファインダー画面でも確認できる。

 筆者は当初、「夜間撮影」という名前から、単純に「夜景が綺麗に撮れる」と考えていたのだが、どうも少し雰囲気が違う模様。そもそものカメラの機能として、夜景を撮ろうとするとAIが夜景と認識し、肉眼で見た様子をあまり変わらない綺麗な写真が撮れるのだ。一般的な夜景を「夜間撮影」で撮影すると、照り返しにより明るくなったビル壁面などをグッと強く反映した、HDR色の強い写真になる。これはこれで面白い絵とも思えるが、夜景として連想される雰囲気からは少し遠くなる。

ノーマルなモードで夜景を撮影。AIが夜景と認識し、肉眼で見ている景色とあまり変わらない写真になった
「夜間撮影」モードで撮影。撮影は10秒間。肉眼での印象とは異なるHDR色の強い写真になった

 では正解はどうなのかというと、「夜間撮影」機能は文字通り、本当に暗い場所で撮影してもそこそこ見られる写真になる、ということのよう。暗くて、光源や明るい場所がほとんどない環境で撮る場合に、「夜間撮影」なら暗部はノイズだらけにならずにそこそこ明るく写り、なおかつ一部に明るい部分があっても白飛びせずに写せるのだ。筆者はあまり機会はないが、暗い部屋で寝ている子供の顔を綺麗に撮影する、といった場面ではかなり有効らしい。補正も過度ではないので、なんとなく「暗い場所で撮ったんだな」という雰囲気は残る。

ノーマルなモードで撮影。肉眼では木の根元がほとんど見えない程に暗いが、様子が分かる程度に明るく写っている。ただし道の先の飲食店のテラスは光源が白飛びしている
「夜間撮影」モードで撮影。木々の葉が分かりやすく写り、道の先の光源も白飛びが抑えられている

 カメラでほかに気になるのは、以前は少し不満だった料理を撮影する時の色合いだが……こちらは、厳密な比較はできていないものの、うまくいくことが増えた印象だ。

 ソフトウェア更新で、ほかのモデルに搭載されているような有用な機能が追加されるのは大いに歓迎だ。あとはVoLTEの拡充だが……。

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