DATAで見るケータイ業界

ドコモショップは3年間で260店減も、ドコモショップサテライトが170店規模に

 2025年3月時点で6999店舗と、約3年間で1027店舗が消滅したキャリアショップ。これまで削減一辺倒の状況だったが、店舗網を再び活用しようとする動きも出始めた。MCAの調査資料「キャリアショップの展開状況と店舗・代理店一覧 2025春」から、最も大きな変化があらわれたNTTドコモの状況を取り上げたい。

ドコモショップは約3年間で260店の減少も、直近では減少にブレーキが

NTTドコモは、22年度から25年度までの3年間で約700店削減する方向を打ち出していたが、約3年前(2022年2月)からの減少幅は260店にとどまったことが今回の調査で明らかになった。

 上のグラフは、ドコモショップ数の増減状況を約半年ごとにまとめたものだが、2022年から23年にかけては半年ごとに50店舗を超えるペースで店舗減が続いていたが、直近では微減に落ち着いており、方針を転換させたことはデータ上から容易に推察できる。

ドコモショップサテライトは170店規模に

 一方で、NTTドコモは「ドコモショップサテライト」の取り組みに注力している。ドコモショップを母店として近隣の商業施設など人が多く集まる場所に子店を展開するもので、来店予約なしで利用可能となっている。

 通常のドコモショップと異なり、解約や修理受付など一部の受付は行えないが、新規契約や機種変更などほとんどの手続きが可能となっている。

 ドコモショップサテライトの状況に関しては今回初めて調査を実施し、170店舗の存在が確認された。

 この3年間のドコモショップの増減数と、ドコモショップサテライトの店舗数を地域別に比較してみると、全ての地域で、ドコモショップの減少をドコモショップサテライトが一定程度補っている状況が見て取れる。

 なかでも、北関東/甲信、北陸、中国の3地域では、ドコモショップの減少数を上回るドコモショップサテライトの開設が確認された。

 一定の店舗網を維持する試みにもみえるが、こうしたNTTドコモの動きに競合他社がどのような対応をみせるのか、今後もキャリアショップの状況を定点観測していきたい。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/