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国内無線機市場で北欧ベンダーのシェアが50%強へ拡大

 MCAは携帯電話基地局市場の調査を実施し、その結果を調査資料「携帯電話基地局及び周辺部材市場の現状と将来予測 2024年版」として取りまとめた。

 同資料をもとに、国内の基地局市場動向についてお伝えしていく。第3回は、基地局(無線機)ベンダシェアや動向について取り上げたい。

国内無線機市場で活躍する北欧ベンダ

 国内無線機ベンダシェアの推移をみると、2023年度は北欧ベンダが53.5%と過半数を占めた。国内ベンダは21.4%へ縮小し、アジアベンダは韓国KMWによる楽天モバイルへの供給が続くものの、サムスン電子ジャパンの孤軍奮闘が続く。

北欧ベンダは2023年度にシェア50%強へ拡大

 エリクソン・ジャパンはKDDI(au)の旺盛な5G展開を受け、2023年度も国内最大手を維持した。ノキアソリューションズ&ネットワークスもKDDI(au)特需が追い風になっているが、NTTドコモやソフトバンク、楽天モバイルでの堅調さも影響している。

 なお、アジアベンダのサムスン電子ジャパンはエリクソン・ジャパンと同様に、KDDI(au)特需の恩恵を受けた。

国内ベンダの回復に欠かせないNTTドコモの5G展開

 2023年度はNTTドコモが基地局展開を抑制した結果、日本電気(NEC)は第4位、富士通が第5位にとどまっている。NECは楽天モバイルでの5G展開が追い風となるものの、富士通はNTTドコモのみへの供給のため、NTTドコモによる基地局展開抑制に大きな影響を受けた。

 2024年度以降は5G開設計画の最終年度である2023年度を過ぎるものの、ハイレベルな計画を達成したKDDI(au)の5G展開のようにNTTドコモやソフトバンクにも旺盛な5G展開に期待がかかる。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/

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