DATAで見るケータイ業界
メインブランドのキャリアショップ数は微減トレンド、今後はau Style化やダブルショップなど新たな店舗形態へ進化
2021年4月10日 08:00
MCAは、今年2月~3月にかけて国内通信キャリア各社の「キャリアショップ」に関する調査を実施し、その結果を調査資料「キャリアショップの展開状況と店舗一覧 2021春」として取りまとめた。前回に引き続き、国内キャリアショップ動向を取り上げる。今回は、3キャリアのショップ数推移とメインとサブブランドのダブルショップ展開に焦点を当てる。
メインブランドのショップ数の減少トレンド継続
2019年2月に7069店舗あった主要3キャリアのメインブランドショップ数は今年2月時点で6790店舗と減少傾向が続いている。前回調査の2020年8月時点との比較ではNTTドコモは変化なし、KDDI(au)が4店舗減、ソフトバンクが10店舗減となっている。
au Styleやダブルショップへ進化
こうしたなか、キャリアショップの新たな展開として動き出しているのが、KDDIの「au Style」、そしてKDDIとUQ mobile、そしてソフトバンクとワイモバイルのダブルショップである。
au Styleは2020年11月にKDDI直営店の「au 渋谷スクランブルスクエア」をリニューアルしたことからスタートしたプロジェクトだ。au、UQ mobileの通信サービスに加え、顧客のライフスタイルにあわせたライフデザインサービスの複合的な提案によって新たな体験価値を実現する店舗コンセプトとして開発され、auショップからの転換が進められている。現状、全国auショップ2181店舗のうち、au Styleは121店舗で全体に占める割合は5.5%となっている。
最後に、メインとサブブランドのダブルショップについて取り上げておきたい。現状、ダブルショップの展開を行っているのはKDDI(auとUQ mobile)とソフトバンク(ソフトバンクとワイモバイル)の2社である。
2021年2月時点のデータでは、KDDIのダブルショップはauショップ2181店舗のうち10.1%の220店舗でUQ mobileが取り扱われているのに対し、ソフトバンクショップでは2279店舗のうち72.9%の1662店舗でワイモバイルとの併売が行われている。
この差は、ひとつの会社内でふたつのブランド(ソフトバンクとワイモバイル)を抱えてきたソフトバンクがダブルショップにいち早く取り組み、その後、別会社だったKDDIがUQ mobileを自社内に取り込み追撃してきたためである。
ひとつのショップ内では複数のブランドを扱う動きは、今後も広がっていきそうだ。