第581回:Lightning とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「Lightning」とは、アップルの「iPhone 5」から導入された、コネクタ規格のことです。これまでのiPhoneやiPodなどに用いられてきた、30ピンの「Dockコネクタ」の後継規格にあたります。

 Dockコネクタは、2003年にiPodで採用されて以来、iPhoneやiPadなどにも採用され続けてきた、周辺機器を接続するためのコネクタで、Appleの独自規格でした。

 今回紹介する「Lightning」コネクタもアップルが開発したもので、アップル製品の新たな統一規格とされています。先述したように、2012年9月に発売された「iPhone 5」を始め、今後発売されるメディアプレーヤーの「iPod touch」(第5世代)、「iPod nano」(第7世代)以降の製品では、iTunesとの同期や充電のために、Lightningコネクタに対応したケーブルを使用することになります。

小型化、リバーシブルが特徴

 Lightningの特徴の1つは、これまでのDockコネクタに比べると非常にサイズが小さくなったこと。実に80%のサイズ縮小とされています。

 もう1つの特徴として、アップルでは、通信がフルデジタル化されたこと、Lightningのピン数が8ピンとなったことで、頑丈になったことなどを挙げています。

 さらにLightning対応ケーブルは、表裏のないリバーシブルな形状になっています。装着するときには、向きを気にせずに挿入できます。そういった面でも、これまでより、扱いがとても楽になったと言えるでしょう。

 ちなみにロック機構は備わっていません。ケーブルにiPhoneを吊り下げるような使い方は、基本的にできないと考えていたほうがいいでしょう。

変換アダプタも

 これまでのDockコネクタは、充電とデータ通信、さらに音楽などのアナログ出力機能などを持った多機能なものでした。一方、新たに登場したLightningコネクタも、8ピンながら充電、同期、音楽データの出力などが可能な、多機能な仕様となっています。

 ただ、Lightningを採用した製品では、これまで使われてきたDockコネクタ対応機器を利用できなくなりました。さらにLightningコネクタからは、アナログの音声出力ができません。

 そこで、アップルでは、DockコネクタとLightningコネクタを繋ぐための変換アダプタ「Lightning - 30ピンアダプタ」も提供しています。オーディオに関してもデジタル-アナログ変換が可能なチップが搭載されており、アナログオーディオ出力、USBオーディオ、同期が可能ですし、「iPhone 4S」用の外部バッテリーなど、これまでの周辺機器を、「iPhone 5」でも使用できるようになっています。

 ただし「「Lightning - 30ピンアダプタ」では、ビデオ出力はサポート対象外です。映像関連では別途、「Lightning - HDMI」「Lightning - VGA」ケーブルが発売されると案内されています。ちなみに「iPhone 5」は、動画や写真などを無線LAN経由でApple TVへストリーミングする「AirPlay」に対応していますので、こういった機能を活用するのも1つの手でしょう。




(大和 哲)

2012/9/25 12:07