第580回:AppleCare+とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「AppleCare+」とは、アップル製品で利用できる保証サービスです。iPhone向けは「AppleCare+ for iPhone」、iPad向けは「AppleCare+ for iPad」として提供されています。iPhoneの場合、2年間で8800円(月額366円、auは初月に382円、ソフトバンクモバイルは24カ月目に382円)支払う形となり、操作上の不慮の事故に対する修理などのサービスを、1回4400円(最大2回まで)利用できます。

 iPhone、iPadは、基本的に製品購入から1年間、ハードウェアに関する製品保証と、90日間の無償電話サポートがついています。「AppleCare+」は、この保証期間を2年間に延ばして、手厚くするプランです。

 かつてはiPhoneなどで利用できる保証サービスとして、「Apple Care Protection Plan」が提供されていたのですが、2012年2月、「AppleCare+」という新しいサービスに代わりました。費用は1000円高くなったのですが、ユーザー自身の過失による損傷などにも対応してくれるようになりました。

 たとえば、加入期間中に、iPhoneを落として画面にヒビが入ってしまったり、本体を水没させて使えなくなってしまった場合、4400円を支払うことで、アップルが、iPhone、iPad本体を修理、もしくは新品と交換してくれます。

 アップル製品は、直営店舗(Apple Store)で「Genius Bar」のサポートサービス(要事前予約)が利用できます。しかし、店舗があるのは東京・銀座や大阪・心斎橋、福岡・天神など都市部だけです。一方、「AppleCare+」では、「ピックアップ&デリバリー修理」が利用でき、地方に住むユーザーには嬉しいサービスです。iPhone、iPadの故障時に、Apple指定の宅配業者が端末の引取りを行い、修理をして再び宅配で自宅まで届けてくれます。もちろん、近隣にApple Storeがある場合は、持ち込んで、修理対応をお願いすることも可能です。

 先述したように、「AppleCare+」への加入料は8800円で、保証期間は2年間です。iPhone、あるいはiPad購入時にプランに加入するか、あるいは購入から30日以内にApple Storeで手続きをする必要があります。Apple Storeでの手続きの場合、Genius Barというサポートカウンターで、iPhone、iPadに傷などがないか、購入から30日以内かなどの確認をしてもらって、加入することができます。

au、ソフトバンクモバイルのサービスも

 iPhoneを提供する携帯電話事業者では、サポートサービスを用意しています。たとえばauは、「AppleCare+」とセットで盗難・紛失補償サービスを提供していますauのサービスは、アップルが提供する補償サービスの「AppleCare+」と同時に申し込むことで、「AppleCare+」ではサポートされてない端末の盗難・紛失についても、KDDIが補償対象にするというものです。

 auのサービスである「紛失補償オプション(i)」では、盗難・紛失などにより「iPhone 5」を新たに購入する場合、購入代金のうち2万円がKDDIからサポートされます。ただし、このプランは、「iPhone 5」購入時にのみ適用が可能で、「iPhone 4S」は同サービスの対象外になっています。「AppleCare+」と合わせた利用料は1万1950円、月額498円の24回払いになっています。

 一方、ソフトバンクモバイルのiPhoneの場合、全損・盗難・紛失までをカバーする補償としては「AppleCare+」ではなく、ソフトバンクモバイルの提供している「あんしん保証パック(i)」(月額498円)というサービスが利用できます。

 これは、iPhoneを故障・破損した場合、保証期間外の故障や水濡れ、電池交換などの際に支払った修理代金の85%を、月々のiPhone利用料から割り引きするというサービスです。また、全損、あるいは盗難や紛失といった状況については、会員価格で同一機種か指定機種に機種変更できます。




(大和 哲)

2012/9/18 12:06