ケータイ用語の基礎知識

【第1025回】スマホで見たサイトや使ったアプリであなたの興味を追跡する「ターゲティング広告」

 「友人と話していた商品が、その後スマホに広告として表示された」――そんな薄気味悪い経験はないでしょうか。「スマホが会話を盗聴しているのでは」と疑いたくなりますが、一般的な広告配信は、会話の常時録音ではなく、利用者の行動履歴などをもとに広告を選んでいます。その仕組みが「ターゲティング広告」です。

ターゲティング広告は、閲覧履歴・アプリ利用・位置情報などさまざまなデータから推測して、ユーザーの関心がありそうな商品・サービスを表示する。

「ターゲティング広告」とは

 ターゲティング広告とは、年齢や性別などの属性、Webサイトやアプリの閲覧・利用履歴、位置情報などから、利用者が関心を持ちそうな商品やサービスを推測して配信する広告です。

 テレビや新聞の広告は、基本的に同じ内容を不特定多数へ届けます。一方、スマートフォンやパソコンでは、利用者ごとに表示する広告を変えられます。広告主にとっては、商品に興味を持ちそうな人へ効率よく広告を届けられるのが利点です。

 では、なぜ会話の直後に広告が出るのでしょうか。会話する以前に関連情報を検索していた、Webサイトやアプリを利用していた、特定の場所を訪れた――といった複数の情報から、広告システムが関心を推測した可能性があります。さらに、数多く表示された広告のうち、会話と一致したものだけが強く印象に残り、「会話を聞かれていた」と感じることもあります。

 少なくとも一般的なターゲティング広告は、スマホのマイクで日常会話を常時録音・解析することを前提にしていません。常時録音をするには電力を消費するうえ、現在のスマホではマイクを使用すると画面にインジケーターが表示され、アプリにも利用許可が必要です。

気になる場合は追跡を制限できる

 便利な一方で、自分の行動を見透かされたように感じる人もいるでしょう。その場合は、スマホの設定から追跡を制限できます。

 iPhoneでは「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「トラッキング」で、アプリからの追跡要求を拒否できます。Androidでも、プライバシーや広告に関する設定から、広告IDの削除やパーソナライズ広告の無効化が可能です。

 広告が自分の興味に合いすぎていても、すぐに「盗聴」と考える必要はありません。まずは、検索やアプリ利用などから関心が推測されている可能性を考え、気になる場合は設定を見直してみましょう。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)