ケータイ用語の基礎知識

【第1015回】中古スマートフォンを買うときの注意点

 新しいスマートフォンを購入したいけれど、最近のスマートフォンは価格が高めですね。そこで視野に入るのが、お手頃価格の中古スマートフォンです。

 しかし、中古スマホの購入は新品をキャリアショップで買うのと違い、いくつか注意が必要です。今回は、中古スマホ購入時の注意点と、安全に購入できるおすすめの方法を解説します。

中古スマホを購入する際の注意ポイント

中古スマホを購入する際に特に注意すべきポイントは、主に次のようなものがあります。

  • SIMロックの有無
    最近のスマホにはSIMロックがありませんが、2021年9月以前のモデルはSIMロック解除が義務ではなかったため、確認が必要です。
  • 対応バンド
    特にAndroidスマホの場合、他キャリア向け端末だと自分が使いたいキャリアの特定の電波帯(バンド)に対応していないことがあります。購入前に対応バンドを確認しましょう。
  • アクティベーションロックやおまかせロックの確認
    「iPhoneを探す」などの機能が解除されておらず、前ユーザーと端末の紐付けが残っていると使用できません。必ず確認しましょう。
  • ネットワーク制限
    元の契約者が端末代金を滞納した場合などに、キャリアが端末を使えないようにする「ネットワーク制限」。キャリアのサイトで端末のIMEI番号を入力すると判定が可能で、「〇」が安全、「△」は将来「×」(使用不可)になる可能性があります。
  • バッテリー状態
    中古スマホではバッテリーの劣化が一番の問題です。スマホのバッテリーは消耗品で、2~3年使用すると容量が新品の約70~80%程度まで低下します。できるだけバッテリー状態が良好なものを選びましょう。
  • 外観
    言うまでもないですが、筐体や画面に傷が割れがないかチェックします。
  • 店舗の信頼性
    店舗の評判や口コミを確認し、信頼できるかどうかをチェックしましょう。

安心なキャリア認定中古品

 中古スマホ購入が不安な方におすすめなのが、大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の「認定中古品」です。これらは各社が厳しい基準で検査・認定した端末で、保証も充実しています。上記の注意点もクリアされているため安心です。

NTTドコモ:docomo Certified(ドコモ認定リユース品)

項目内容
品質検査ドコモ基準の厳しい検査をクリア
バッテリー電池容量80%以上
外装クリーニング済み、外観はランク付けあり
保証購入後30日間の無償交換保証
補償サービス月額550円で「ケータイ補償サービス」加入可
SIMロック全端末がSIMロック解除済み

au:au Certified(認定中古品)

項目内容
品質検査KDDI基準の厳格な検査
バッテリー電池容量80%以上
保証購入時に有料の「UQ mobile端末補償サービス」加入可
SIMロックSIMロック解除済み

ソフトバンク:SoftBank Certified(ソフトバンク認定中古品)

項目内容
対象機種主にiPhoneシリーズ
品質検査ソフトバンク基準の整備済み端末
バッテリー電池容量80%以上
外装クリーニング済み(軽微な傷や汚れあり)
保証商品到着日から30日以内の無償交換保証
補償サービス月額550円の「あんしん保証パックCertified」加入可
SIMロックMy SoftBankからSIMロック解除可能

 また、メーカーが販売する「再整備品」(リファービッシュ品)という選択肢もあります。メーカー自身が返品された製品を整備・検査して再販するもので、外装やバッテリーが新品に近い状態で提供されます。新品よりも手頃な価格で高品質な端末が購入できます。メーカー公式サイトなどで期間限定で販売されます。

Apple公式の再整備品販売ページ。2025年2月現在、iPhone13 Pro、13 Pro Maxの再整備品が販売中。

一般中古販売店や個人取引について

 キャリアやメーカーの認定中古品は安心ですが、価格がやや高めで品揃えも限定的です。

 一方、価格重視で多くの機種から選びたい方や、端末の状態を自分で見極められる自信がある方は、一般中古販売店での購入もよいでしょう。

 なお、「SIMロック」「ネットワーク制限」「バッテリー状態」などのポイントが事前に確認しにくいため、メルカリなどの個人間取引はあまりおすすめできません。トラブルを避けたい方は、キャリアやメーカー認定品、あるいは信頼できる中古販売店からの購入を選ぶことをおすすめします。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)