ケータイ用語の基礎知識
第835回:スマートスピーカー とは
2017年12月12日 08:00
従来、スピーカーとは、音を出力するだけの存在でした。たとえば、スマートフォンからBluetoothで接続して音楽を聴くといった楽しみ方で使われるわけです。しかし、それだけではないスピーカーが近年登場してきました。
今回ご紹介する「スマートスピーカー」は、ユーザーの音声での命令に応えてくれるスピーカーのことです。インターネットに接続されており、クラウド上のコンピューターがユーザーの命令を解釈し、適切な答えをしてくれたり、他のサービスを実行したりします。
具体的な機能としては、天気予報やニュースの読み上げ、アラームやタイマーのセット、音楽再生、スピーカー自体の音量の上げ下げなどです。赤外線ポートと学習リモコン、Wi-Fiを備える“スマートリモコン”と組み合わせることで、エアコンや照明といった家電を操作できますし、本体そのものに赤外線機能を搭載するものもあります。
スマートスピーカーは、「AIスピーカー」と呼ばれることもあります。AI、つまり人工知能とは、あたかも人間が行うようにふるまう機械のことです。これまでの音を出すだけだったスピーカーに比べれば確かにAI的かもしれません。ただ、人間のような知能を持つかと言えば、そうではありません。
2017年後半は、日本でスマートスピーカーが続々と発売された時期となりました。LINEからはClova WAVEやClova Friends、グーグルからはGoogle Home/Home Mini、そしてアマゾン(Amazon.co.jp)からはAmazon EchoやAmazon Echo DotやAmazon Echo Plusの3種類がラインアップされています。
「言う」だけで質問に答えたり、音楽を再生演奏したりする
スマートフォンなどを使って一度セットアップすると、スマートスピーカーはスマートフォンなし、つまり単独で、そして音声のみで利用できます。
スマートスピーカーは常に“聞き耳をたてている”ので、ユーザーが、最初に呼びかけて、やって欲しいことを言うと(うまく命令が伝われば)実行してくれます。最初に呼びかけるときに使う言葉は「ウェイク(起動)ワード」と呼ばれることもあり、Google Homeであれば「OK、Google/ねぇGoogle」、Echoの場合は「Alexa(アレクサ)」が初期設定のワードです。ちなみにEchoではアレクサ以外にも「echo」や「computer」といったワードへ変えることもできます。オプションで変更することもできます。
ウェイクワードの後に使う言葉として、たとえば「今日の天気は?」と言えば「今日の最高気温は18度、最低気温は5度晴れでしょう。○○は現在15度、晴れです」と読み上げてくれます。
もちろん、スピーカーですから、音楽をかけることも可能です。たとえばGoogle Homeに「ねぇGoogle。Play Musicから2017アニメを再生して」というと、Google Play Musicのプレイリスト「2017アニメ」に登録されている曲を次々と再生します。これはユーザーがGoogle Play Musicに契約し、「2017アニメ」というプレイリストを登録している場合です。もしGoogle Play Musicを契約していなかった場合、別の結果になるでしょう。
スマートスピーカーの性能を変える「スキル」「アクション」の拡張
スマートスピーカーは、デフォルトの機能だけでは、それほど多くのことはできません。しかし、他社サービスが「スキル」「アクション」といったものを設定することで機能を拡張することが可能になっています。
たとえば、先述のGoogle Homeではデフォルトの「Google Play Music」から楽曲を再生させましたが、「Spotify」と連携させることでこちらからも楽曲を再生できます。
「スキル」ということでは、Amazon Echoは先行して発売された米国、欧州などで非常に多くのサードパーティ製のスキルが作られ、その便利さから人気のスマートスピーカーになっています。たとえば、フォード製のスキルを追加すればクルマへ乗る前にエンジンをかけておくというようなこともできるのです。スキルやアクションは、今のところ、スマートスピーカーの利用言語別に作る必要があります。
現在人気のあるサービスでは、日本全国のラジオを聞くことができる「radiko」、ピカチュウと会話ができる「ピカチュウトーク」などというものがあります。現在も続々とそうした連携サービスは開発されており、日に日に能力が加わって、よりもっと賢くなっていくという点もスマートスピーカーの特徴であると言えるでしょう。