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オンキヨーのスマートスピーカーは“音で勝負”、Amazon AlexaとGoogleアシスタントに対応
2017年11月30日 15:46
2017年秋、高い注目を集める新たなデバイスのひとつが「スマートスピーカー」。AIスピーカーとも呼ばれ、会話するように呼びかけて音楽再生などを楽しめる機器で、中でもグーグルやAmazonの製品とプラットフォームが話題だ。
その両者のプラットフォームへ対応した製品を、サードパーティとして投入することになったのが、オンキヨーだ。AI/IoT事業推進室長の宮崎武雄氏は、「音楽を聴く行為がものすごく簡単になってきた。従来の“聴くスピーカー”から“使うスピーカー”へ進化し、新たな使用シーンが生まれようとしている」と期待感を示し、音の良さで勝負すると語る。
P3とG3
オンキヨーが提供するスマートスピーカーのうち、Amazon Alexa対応製品が「P3」、Googleアシスタント対応製品が「G3」となる。形状やスピーカーとしての方向性も異なり、楕円柱状の「P3」(3万2184円)は、デュアル2.5インチ(64mm)フルレンジウーファーやデュアルパッシブラジエーターを搭載し、「アメリカンな音作り」(オンキヨー&パイオニア マーケティングジャパンの荒木健社長)。Bluetooth非対応だが、アナログ入出力端子を備え、有線で他のスピーカーやオーディオ機器と繋げられる。ちなみにUSB端子などもあるが、これはユーザー側では利用できないとのこと。
もう一方の「G3」は木製のスクエアな筐体で2ウェイドライバーを採用。特許出願中の高出力スイッチングアンプでは発熱を抑えつつクリアな音質を実現し、「ヨーロピアンなスピーカー」(荒木社長)だという。またG3搭載のマイクは、筐体から浮かせて振動を抑制させた。これも特許出願中という。こちらはアナログ端子はないが、Bluetoothで他の機器と接続できる。
P3はまだ購入できるユーザーがAmazon上で招待された人だけとなっているが、近く、家電量販店にも並ぶ見込み。そのため当初の販売数は「G3」が先行するものの、結果的には同数程度になるのでは、とオンキヨーの宮崎氏。
今回の2製品は、どちらも音楽をより良い環境で楽しみたいユーザーに向けたものと位置づけられる。
家の中へ何台も
サードパーティとしては先頭集団としてスマートスピーカーを投入することになったオンキヨーは、オーディオ機器メーカーとして、音にこだわるユーザーに向けた製品をまず投入することにした。
その一方で、スマートスピーカーは、家電の操作やWebサービスとの連携などを通じて、ユーザーの生活へ浸透するとの期待が高い。オンキヨーとしても天井へ埋め込むスピーカーやキッチンへのビルトイン、浴室への導入など、宅内のさまざまな場所へスマートスピーカーが導入される未来像を描き、そこに向けた製品や、他社との関係作りを進めていく考えだ。
Amazon AlexaとGoogleアシスタントのどちらも、サードパーティ製品に要求される特別な仕様はないとのこと。
1台で2つのサービス、対応できる?
もし1台のスマートスピーカーで両サービスに対応したいと考えた場合、Amazonとグーグルの両社に許諾を得る必要があるのだという。これは「○○対応製品」とうたうには、認証を受ける必要があるため。
Amazonやグーグルがそうした製品に許諾を出すかどうかはわからないが、オンキヨーの宮崎AI/IoT事業推進室長は、音楽聴き放題サービスを複数契約するかどうか、といった観点から、そうした製品へのニーズは当初少ないのではないかと推測していた。