石川温の「スマホ業界 Watch」
見えない部分が大幅進化、「Apple Watch Series 12/Ultra 4」「AirPods 5」実機先行レビュー
2026年9月18日 12:02
9月18日発売のアップル「Apple Watch Series 12」「Apple Watch Ultra 4」を数日間試用する機会を得た。
といっても、デザインや外観は従来モデルとほとんど変わっていない。しかし、センサーやチップなどが大幅に強化されており、今まで以上に「自分」と「身の回り」を把握できるように進化している。
両モデルでは、皮膚が触れる部分のヘルスセンシングシステムが大幅に改良されている。緑色LEDから皮膚に向けて光を照射し、血流の変化を検知するフォトダイオードは従来の4つから、リング状に8つ配置された。
これにより、効率的に光を当てることができ、運動中であっても高い精度で心拍数や心拍変動(HRV)を計測できる。実際、心拍数はバックグラウンドで5秒おき(前モデルの60倍)、HRVは5分おき(前モデルの24倍)の頻度で測定が可能だ。
心電図(ECG)や心房細動の兆候を検知する電気心拍センサーも従来の4個から32個に増えた。
HRVを5分ごとに測定できることで、Apple Watchでは「準備度」がわかるようになった。最近のアクティビティやバイタル値、睡眠などを分析し、毎朝、「その日、どれくらい動けるか」が0から10の段階で示されるというものだ。
「休息を最優先にすべき」から「無理せずペースを抑えるべき」「通常通りの活動ができる」「コンディションがいいので全力で取り組める」といった具合だ。
ちなみに、Apple Watchがユーザーのことを理解し、「準備度」を示せるようになるには7日間装着し続ける必要がある。9月12日から毎日装着して就寝しているが、18日の朝現在、まだ準備度は現れていない。
Apple Watchが“腕元のAIボイスレコーダー”に
今回のApple WatchにはS11チップが新たに搭載されており、常に周りの状況を把握できるようになっている。将来的にはオーディオインテリジェンスとして、打ち合わせ中、相手の発言を聞き漏らした際、なんと言ったかをApple Watchが教えてくれたり、その日の出来事や会話を振り返られたりといった機能も追加される予定だ。
ここ最近、身の回りで起きた出来事をすべて録音しておき、クラウドのAIで要約してくれるAIボイスレコーダーが出てきているが、まさにそうした需要をApple Watchで取り込もうとしているようだ。
Apple WatchとiPhone、さらにiCloudは常に同期されているため、Siriに話しかけたこと、調べてもらったこともすべて連携される。10月以降はSiriが飛躍的に賢くなる予定だが、iPhoneで調べた内容を手首で確認するといったことがやりやすくなりそうだ。
AirPods 5は開放型ながら驚きのノイキャン性能
もうひとつ、Apple WatchやiPhone 18 Proなどと同時に発売となったのがAirPods 5だ。
今回、AirPods 5はインナーイヤー型(耳に載せるタイプ)でありながら、アクティブノイズキャンセリングが強化された。実際に飛行機や電車の中で試したが、確かに周りの雑音をスッと消してくれるのが心地良い。「開放型でここまで騒音を消せるのか」と驚いてしまった。
もちろん、イヤーチップを耳の中に押し込むカナル型のほうが密閉感があるので、ノイズキャンセリングの効きもいい。
ただ、AirPods 5の価格は2万3800円、カナル型のAirPods Pro 3は4万2800円という価格差を考えると、正直言って、AirPods 5のコストパフォーマンスがとてもいい気がしている。
ちなみにAirPods 5には「ワイヤレス充電ケース付き」もあり、こちらは2万7800円だ。その名の通り、QiやApple Watchの充電器などでワイヤレス充電が可能。さらに軸部分で音量調整ができるようになっている。
AirPods 5はSiriと音声的な接点があるというのが再評価されている。AirPods 5を着けながらSiriに話しかけ、回答を音声で返してもらえる。ライブ翻訳機能で、異なる言語の人とAirPods 5を経由してコミュニケーションがとれる。
そう考えると、アップルはiPhoneを中心に手首と耳をカバーしており、今後、ますます増えるであろうAIとの接点を押さえているというのが、将来的に強みとなってきそうだ。






