山根康宏の「言っチャイナよ」

今月も折りたたみスマホが登場、ハイスペックなデザイナーモデルも発売に

世界最大のスマートフォン市場であり、世界最大の5G加入者数を誇る中国。本連載「言っチャイナよ」は香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が中国で毎月発表される5Gスマートフォンを紹介する。

 今回は2022年1月に発表されたモデルをまとめた。先月のOPPOに続き今月はHonorから折りたたみスマートフォンが登場。realmeとvivoはSnapdragon 8 Gen 1搭載モデルを相次いで登場させた。このうちrealmeは2021年秋モデルに続き深澤直人氏をデザイナーに迎えた製品を投入。OnePlusはカメラ強化の最上位モデルを発表した。

美ボディー仕上げもあるOPPO低価格ラインの最上位モデル「A96 5G」

 「A96 5G」はOPPOのミドルレンジ・エントリーラインであるAシリーズの最上位モデル。カメラ周りは低消費電力LEDで囲み呼吸するように点滅、メインには4800万画素カメラを搭載。フロントカメラはHDR対応でセルフィーも美しくとれる。

 イルミネーションカラーモデルはミドルハイレンジのRenoシリーズ最新モデルにならい、「Reno Glow」と呼ばれる表面をダイヤモンド状に凹凸処理し光沢とマット感を両立した美しい仕上げとした。デザインと性能を両立しながらAシリーズ最薄7.49mm、最軽量171gのスタイリッシュな形状にまとめた。

主な仕様
発表日2022年1月4日
価格1999元(約3万6000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 695
ディスプレイ6.43インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー4500mAh、33W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ159.9x73.2x7.49mm、7.55mm(イルミネーション)、171g

深澤直人デザインモデルもあるハイエンド、「realme GT2」

 realmeの上位モデル「GT」シリーズに、昨年のハイスペックチップセットSnapdragon 888を搭載した製品が「realme GT2」。

 本体カラーは4色あり、そのうちMaster Paper(白)とMaster Wood(緑)は深澤直人氏が背面をデザイン。世界的な素材メーカーSABIC社とコラボしバイオベースの材料を使い「紙」を再定義、環境へやさしい製品とした。なおカメラはトリプル仕上げだがメイン以外の画素数は非公開。

主な仕様
発表日2022年1月4日
価格2699元(約4万9000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888
ディスプレイ6.62インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万+超広角+マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー5000mAh、65W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n28A / n41 / n78
サイズ162.9x75.8x8.6mm、194.5g(Master版)、199.8g

Snapdragon 8 Gen 1搭載のハイエンドモデル「realme GT2 Pro」

 realmeの最上位モデルとなる「realme GT2 Pro」はチップセットにSnapdragon 8 Gen 1を搭載、ディスプレイ解像度も2Kと高く、5000万画素を2つ搭載し8K録画にも対応した。本体デザインはrealme GT2同様に深澤直人氏デザインの2色を揃える。

主な仕様
発表日2022年1月4日
価格3899元(約7万1000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 1
ディスプレイ6.7インチ3216x1440ピクセル
リアカメラ画素数5000万+5000万超広角+300万マクロ
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー5000mAh、65W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28A / n38 / n40 / n41(2515-2675MHz) / n66(2110-2180MHz) / n77 / n78、NSA : n41(2515-2675MHz) / n77 / n78
サイズ163.2x74.7x8.18mm、189g(Master版)、199g

高画質カメラに120W充電対応のハイエンドモデル、vivo「iQOO 9」

 1500nitと明るく120Hz対応の美しいディスプレイを搭載、冷却機構も強化してゲーミング利用も意識したvivoの「iQOO 9」は2022年上半期のiQOOブランドハイエンドモデル。チップセットはSnapdragon 8 Gen 1を搭載、ディスプレイ駆動用の別チップも搭載している。

 背面は2つのカメラを目立たせる新しいデザインを採用、5000万画素の上位カメラはサムスン製センサーを採用した。前モデルに引き続きBMW M Motorsportsカラーモデル(Legend版)も提供する。

主な仕様
発表日2022年1月5日
価格3999元(約7万2000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 1
ディスプレイ6.78インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万+1300万超広角+1200万ポートレート(2倍)
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー4700mAh、120W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ164.55x76.7x8.37mm、206.1g

iQOO 9 Pro

 iQOO 9のディスプレイ解像度を高め、無線でも50Wの高速充電に対応、カメラスペックも高めたモデルが「iQOO 9 Pro」。メインカメラは強力な手振れ補正となるマイクロジンバルを内蔵する。ディスプレイ埋め込みの指紋認証センサーはタッチエリアを広げ、指先2本の認証にも対応する。

主な仕様
発表日2022年1月5日
価格4999元(約9万1000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 1
ディスプレイ6.78インチ3200x1440ピクセル
リアカメラ画素数5000万+5000万超広角+1600万光学2.5倍望遠
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー4700mAh、120W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28 / n38 / n40 / n41 / n66 / n77 / n78 / n79
サイズ164.81x75.2x8.83mm(Legend版)、9.21mm、209.98g(Legend版)、203.92g

キャリアブランドのエントリーモデル、中国移動「NZONE S7 5G」

 中国移動の独自ブランドとして展開しているNZONEの最新モデル「NZONE S7 5G」はDimensity 700搭載のエントリー機として登場した。過去に発売された2モデルは「Pro」の名をつけたミドルレンジ以上の製品だったが、エントリー機の投入で拡販を目指す。

主な仕様
発表日2022年1月5日
価格1699元(約3万1000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.5インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+200マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB
バッテリー5000mAh、22.5W充電(有線)
5G NR対応バンド非公開
サイズ164x76x8.95mm、198g

OnePlus 10 Pro

 ハッセルブラッドとコラボした高画質カメラを搭載するカメラフォン、「OnePlus 10 Pro」はProモデルが先に登場。OnePlusのフラッグシップ機は「Pro」「無印」の2機種が通常販売されるが、10シリーズはカメラを大きく強化し他社のカメラフォンに対抗する。

主な仕様
発表日2022年1月11日
価格4699元(約8万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 1
ディスプレイ6.7インチ3216x1440ピクセル
リアカメラ画素数4800万+5000超広角+800万光学3.3倍
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー5000mAh、80W充電(有線)、50W(無線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A(SAのみ) / n40 / n41 / n78 / n79
サイズ163x73.9x8.6 mm、200.5g

Honorもついに折りたたみを投入、「HONOR Magic V」発表

 Honor初の折りたたみモデルが「HONOR Magic V」だ。ディスプレイは閉じてもすき間のないゼロギャップデザイン。開くと7.9インチ、閉じると6.45インチになるデザインはファーウェイ「Mate X2」によく似ている。

 カメラは5000万画素を3つ搭載し、うち1つはスペクトル強化用。フロントカメラは内側外側共に4200万画素とこれも高解像度だ。価格は1万元切りを実現した。本体背面はビーガンレザーとガラス仕上げの2タイプある。

主な仕様
発表日2022年1月14日
価格9999元(約18万1000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 8 Gen 1
ディスプレイ7.9インチ2272x1984ピクセル、6.45インチ2560x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万+5000超広角+5000万スペクトル強化カメラ
インカメラ画素数内側4200万(パンチホール)、外側4200万(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー4750mAh、66W充電(有線)
5G NR対応バンド非公開
サイズ160.4x141.1x6.7mm、160.4x72.7x14.3mm(折りたたみ時)、288g(革モデル)、293g(ガラスモデル)
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。