山根康宏の「言っチャイナよ」

エアコンメーカーの5Gスマホ登場、vivoは今月も新製品3機種を投入

 世界最大のスマートフォン市場であり、世界最大の5G加入者数を誇る中国。本連載「言っチャイナよ」は香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が中国で毎月発表される5Gスマートフォンを紹介する。今回は2021年11月に発表されたモデルをまとめた。OPPOはメインモデル「Reno」シリーズを半年ぶりに一新、vivoは低価格モデル3機種を追加し今月も新製品投入ペースを弱めていない。

エアコン大手Greeの「TOSOT G7」はMeizuの同型モデル

 中国エアコン最大手のGree(格力)はほぼ1年に1機種というスローペースで製品展開を行っている。最新機種「TOSOT G7(大松G7)」は同社2機種目の5Gスマートフォン。基本スペックはMeizuの「Meizu 18X」と同じで、違いは本体厚み(Meizu 18Xは7.99mm)やカラバリとなっている。OSはAndroid 11ベースのHALO UI 6.0を搭載し、画面サイドにアプリショートカットバーの表示やアプリのフローティングウィンドウ表示にも対応する。

主な仕様
発表日2021年11月5日
価格2959元(約5万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 870
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万+800万超広角+200万深度測定
インカメラ画素数1300万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4300mAh、30W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n3 / n41 / n77 / n78、NSA : n41/n77 / n78
サイズ165.1 x 76.35 x 8.25mm、191g

ファーウェイライセンスの5Gスマホ「TD Tech N8 Pro」

 ネットワークインフラを展開するTD Tech(鼎橋通信技術)による5Gスマートフォン。同社はファーウェイとノキア(ノキアソリューションズ&ネットワークス)との合弁企業で、当初はTD-SCDMAの普及推進を目的として設立された。TD Tech N8 Proはファーウェイのライセンスを受けた製品で、チップセットはファーウェイ子会社HiSilicon正を搭載、ベースモデルはファーウェイの「nova 8 Pro」で本体デザインも同等だ。

主な仕様
発表日2021年11月6日
価格3999元(約7万1000円)
チップセットHiSilicon Kirin 985
ディスプレイ6.76インチ2676x1236ピクセル
リアカメラ画素数6400万+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数3200万+1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB
バッテリー4000mAh、66W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n28 / n38 / n41 / n77 / n78 / n79 / n80 / n83 / n84
サイズ163.32 x 74.08 x 7.85mm、184g

5000万画素カメラ搭載で価格を抑えた「vivo Y76s」

 vivoのコスパモデル「Y」シリーズはデュアルカメラモデルが多く、この「Y76s」もメイン5000万画素と高画質カメラを搭載しながら、サブは200万画素の深度測定と2つのみ。フロントカメラも水滴型ノッチに収めコストを下げている。なお後日発売の「Y74s」とは本体のカラバリとメモリ構成が異なる。

主な仕様
発表日2021年11月10日
価格1799元(約3万2000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 810
ディスプレイ6.58インチ2408x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万+200万深度測定
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4100mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.84 x 75 x 7.79mm、175g

チャイナテレコム専売モデル「realme Q3t」

 発売中の低価格5Gモデル「realme Q3s」を中国のキャリア、チャイナテレコム(中国電信)専売モデルとして投入したのが「realme Q3t」となる。型番末尾の「t」はキャリア名から付与したのだろう。チップセットはクアルコムを採用し、カメラはモノクロを追加するなど写真の「質」にもこだわったモデルだ。

主な仕様
発表日2021年11月11日
価格2099元(約3万7000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 778G
ディスプレイ6.6インチ2412x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万+200万モノクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー5000mAh、33W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n28 / n41 / n78、NSA : n41 / n77 / n78
サイズ164.4 x 75.8 x 8.5mm、199g

5000mAhバッテリー搭載の低価格5Gスマホ「vivo Y54s」

 ベーシック機能に抑えた5Gエントリースマートフォンが「vivo Y54s」。カメラは1300万画素でディスプレイ解像度もHD+とロースペック。ただしバッテリーは5000mAhと大容量を搭載。背面はサンドブラスト仕上げで高級感を持たせている。

主な仕様
発表日2021年11月18日
価格1699元(約3万円)
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.51インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万+200万深度測定
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB
バッテリー5000mAh、18W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n28A / n41 / n77 / n78、NSA : n41 / n77 / n78
サイズ164.15 x 75.35 x 8.5mm、188.4g

「vivo Y76s」の同型モデルとなる「vivo Y74s」

 同月先に発売になった「vivo Y76s」と同スペックモデルが「vivo Y74s」。Y76sはストレージ構成2種類に対しY74sは256GB版のみ、カラバリはY76sが黒・白・青の3色、Y74sが黒・青の2色。それ以外の違いは見られず、どちらも256GBモデルは1999元と価格も同じだ。同型機を2機種投入する狙いは半導体不足による生産工程の調整が理由であるかもしれない。

主な仕様
発表日2021年11月22日
価格1999元(約3万6000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 810
ディスプレイ6.58インチ2408x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万+200万深度測定
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4100mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ163.84 x 75 x 7.79mm、175g

OPPOのメインラインRenoシリーズ、セルフィーも強化したOPPO「Reno7 5G」登場

 OPPO主力モデルの2021年下半期発表モデルが「Reno7シリーズ」3機種。「Reno7 5G」はチップセットにSnapdragon 778Gを採用したミドルハイレンジモデルで、6400万画素カメラを搭載。フロントカメラを大幅に強化しソニー製IMX709を世界初搭載、RGBWやDOL-HDRなどセルフィー画質が高められている。ディスプレイのリフレッシュレートは90Hzながら、本体の冷却機構を強化するなどゲーミング利用にも対応。背面は美しい仕上げのReno Glowと呼ぶ8ミクロンの細かいカットによりつやを抑えつつきらびやかな表情を実現。ちなみにReno5シリーズのReno Glowは「Star into the Dream」、Reno6では「Summer Sunny Sea」、そして今回のReno7では「Star Rain Wish」をテーマにしたカラー仕上げが行われている。

主な仕様
発表日2021年11月25日
価格2699元(約4万8000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 778G
ディスプレイ6.43インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4500mAh、60W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n28 / n41 / n77 / n78
サイズ156.8 x 72.1 x 7.59mm、185g

フラッグシップ級のスペックを誇るOPPO「Reno7 Pro 5G」

 Reno7 5G同様の高性能フロントカメラに加え、5000万画素のソニーIMX755センサーをメインカメラに搭載、チップセットはDimensity 1200としコストパフォーマンスを大幅に向上したハイエンドモデルが「Reno7 Pro 5G」。本体厚みはRenoシリーズ最薄の7.45mm、カメラの台座エッジ部分には光ファイバーを内蔵し通知などで光る機能も持たせている。

主な仕様
発表日2021年11月25日
価格3699元(約6万6000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 1200
ディスプレイ6.55インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4500mAh、65W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ158.2 x 73.2 x 7.45mm、180g

カジュアルに使えるデザインモデル、OPPO「Reno7 SE 5G」

 Reno7シリーズの最下位モデルとなるのが「Reno7 SE 5G」。Reno7 Pro同様7.45mmの薄型ボディーにDimensity 900、4800万画素カメラを搭載し2199元という低価格を実現、Renoシリーズ入門機としてボリュームゾーン向けに投入される。なおRenoシリーズのSEモデルは2020年の「Reno4 SE」以来となる。

主な仕様
発表日2021年11月25日
価格2199元(約3万9000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 900
ディスプレイ6.43インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4500mAh、33W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78
サイズ160.2 x 73.2 x 7.45mm、171g

高スペックカメラのお手頃価格モデル、ZTE「Yuanhang 20 Pro」

 2021年5月に復活したZTEのエントリークラスモデル「Yuanhang(遠航)」シリーズの上位モデルが「Yuanhang 20(遠航20)」。6400万画素カメラや5100mAhバッテリー、66Wの高速充電機能を搭載しながらも2000元前半の価格で登場。

主な仕様
発表日2021年11月25日
価格1999元(約3万6000円)
チップセットMediaTek Dimensity 720
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万+800万超広角+500万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー5100mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n28 / n41 / n78
サイズ163.9 x 76.2 x 8.3mm、190g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。