山根康宏の「言っチャイナよ」

vivoのフラッグシップモデルが3機種登場 ほかXiaomi「Civi」、Letv「S1」も

世界最大のスマートフォン市場であり、世界最大の5G加入者数を誇る中国。本連載「言っチャイナよ」は香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が中国で毎月発表される5Gスマートフォンを紹介する。今回は2021年9月に発表されたモデルをまとめた。vivoがフラッグシップモデル「X70」シリーズ3機種を投入、Meizuも対抗するかのように3製品を発表。また久々に名前を聞くLetvからもスマートフォンが発売された。

内蔵ファンがカラフルに光るゲーミングスマホ、Nubia「Red Magic 6S Pro」

 ZTE関連会社Nubiaのゲーミングスマートフォン最新モデルが「Red Magic 6S Pro(紅魔6S Pro)」だ。本体内部に回転式の空冷ファンを搭載、透明ボディーモデルはファン部分がカラフルなRGBカラーで点滅する。ディスプレイのリフレッシュレートは165Hz、タッチのサンプリングレートは前モデル「Red Magic 6 Pro」の500Hzから720Hzへとアップした。バッテリーは4500mAhで120Wの高速充電対応。なおグローバル向けの製品は5500mAhで充電速度は67Wに抑えられている。また同容量で33W充電に抑えた「Red Magic 6S」はグローバルの未発売となる。

主な仕様
発表日2021年9月6日
価格3999元(約6万9000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888+
ディスプレイ6.8インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数800万
RAM/ROM構成8GB+128GB、12GB+128GB、12GB+256GB、16GB+256GB、18GB+256GB
バッテリー4500mAh、120W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n28 / n41 / n78、NSA : n41 / n78
サイズ169.86x77.19x9.5mm、215g

ツァイスカメラにジンバル搭載のベーシックモデル、vivo「X70」

 vivoのフラッグシップモデルが3機種登場、いずれもツァイスT*コーティングレンズや5軸ジンバルカメラを搭載する。「X70」はトリプルカメラモデルでメインカメラは4000万画素と若干解像度は低め(センサーはX70 Pro、X70 Pro+と同じソニーIMX766V)。背面は表面を細かいカッティングを施したアンチグレアガラスで、OPPOのReno Glowに似たイメージ。

主な仕様
発表日2021年9月9日
価格3699元(約6万4000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 1200
ディスプレイ6.56インチ2376x1080ピクセル
リアカメラ画素数4000万広角+1200万超広角+1200万光学2倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4400mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n41 / n77 / n78、NSA : n41 / n77 / n78
サイズ160.10x75.39x7.55mm、181g(黒・白)、182g(星雲)

60倍望遠やジンバルメインカメラ搭載のvivo「X70 Pro」

 vivoが同時発表したフラッグシップモデル3機種はいずれもツァイスT*コーティングレンズと5軸ジンバルカメラを備える。5000万画素カメラやデジタル60倍のペリスコープ5倍望遠カメラを含むクワッドカメラ仕上げ、画像処理には自社開発のV1チップを搭載。なおグローバル発売モデルはチップセットにDimensity 1200を搭載する。

主な仕様
発表日2021年9月9日
価格4299元(約7万4000円)から
チップセットSamsung Exynos 1080
ディスプレイ6.56インチ2376x1080ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+1200万超広角+1200万光学2倍望遠+800万ペリスコープ5倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー4450mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ158.30x73.21x7.99(黒・白)、8.08(星雲)mm、185g(黒・白)、186g(星雲)

5000万画素+4800万画素のハイエンドカメラフォン、vivo「X70 Pro+」

 vivoのフラッグシップモデルが3機の最上位モデルが「X70 Pro+」。ツァイスT*コーティングレンズで美しい写真撮影が可能。4800万画素の超広角カメラ(ソニーIMX598センサー)に5軸ジンバルを内蔵、そしてメインカメラも5000万画素と超高画質。自社開発画像処理チップV1も内蔵する。背面は革仕上げモデルもある。

主な仕様
発表日2021年9月9日
価格5499元(約9万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888+
ディスプレイ6.78インチ3200x1440ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+4800万超広角+1200万光学2倍望遠+800万ペリスコープ5倍望遠
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー4500mAh、55W充電(有線)、50W充電(無線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n3 / n5 / n8 / n28 / n41 / n77 / n78 / n79、NSA : n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ164.54x75.21x8.89mm、209g(レザー)、213g(黒)

Snapdragon 888+搭載のマイナーチェンジモデル、「Meizu 18s」

 同時に3つの新製品が発表されたうちの中核モデルが「Meizu 18s」。2021年3月発売の「Meizu 18」のチップセットをSnapdragon 888からSnapdragon 888+へマイナーチェンジさせた。そのほかのスペックは変わっていないが、本体カラーは白・水色・グラデーションに加え、新たに背面をアンチグレアガラス(OPPOのReno Glow風仕上げ)のモデル「ユニコーン・カラー」も加わった。またメモリ最低構成(8GB+128GB)の価格が4399元(約7万6000円)から3699元(約6万4000円)へと値下がりした。

主な仕様
発表日2021年9月23日
価格3699元(約6万4000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888+
ディスプレイ6.2インチ3200x1440ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+1600万超広角+800万3倍望遠
インカメラ画素数2000万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4000mAh、36W充電(有線)
5G NR対応バンドn1(SAのみ) / n3(SAのみ) / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ160.9x74.4x8.1mm、176g

Meizu 18X

 最新iPhoneに似た側面にカーブのない本体デザインを採用。チップセットをSnapdragon 870として高スペックながらも価格を若干抑えた。同時に3機種発表されたモデルの中のベーシックレベルの製品であり、カメラもメイン6400万画素以外は超広角、マクロ共に画素数は低め。ただしディスプレイのリフレッシュレートは他2機種と同様に120Hzだ。

主な仕様
発表日2021年9月23日
価格2599元(約4万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 870
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1300万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4300mAh、30W充電(有線)
5G NR対応バンドn1(SAのみ) / n3(SAのみ) / n41 / n77 / n78
サイズ165.1x76.35x7.99mm、189g

Meizu新製品3機種の最上位モデル「Meizu 18s Pro」

 Meizu 18とMeizu 18sの関係同様、2021年3月発表の「Meizu 18 Pro」のチップセットアップグレードモデルが「Meizu 18s Pro」。スペックは変わっておらず、カラバリの変更もない。最低構成モデルは4999元(約8万6000円)から4599元(約7万9000円)へと500元下がった。

主な仕様
発表日2021年9月23日
価格4599元(約7万9000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888+
ディスプレイ6.7インチ3200x1440ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+320万超広角+800万3倍望遠+30万画素震度測定
インカメラ画素数4400万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4500mAh、40W充電
5G NR対応バンドn1 / n3 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ160.9x74.4x8.1mm、176g

価格を抑えたゲーミングモデル「realme GT Neo2」

 「realme GT Neo2」は120Hz駆動ディスプレイや360度ステレオサウンド、X軸バイブレーション、17932mm2面積の冷却版を備えるなどゲーミング利用も可能なモデル。ディスプレイのタッチサンプリングレートはrealmeシリーズの製品の中で史上最高の600Hzに対応した。

主な仕様
発表日2021年9月23日
価格2499元(約4万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 870
ディスプレイ6.62インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー5000mAh、65W充電(有線)
5G NR対応バンドSA : n1 / n3 / n5 / n8 / n28A / n41(2515-2675MHZ) / n78、NSA : n41(2515-2675MHZ) / n77 / n78
サイズ162.9x75.8x8.6mm、199.8g

1000元台のゲーミングスマホ、vivo「iQOO Z5」

 2000元を切りながらもゲーミング利用を意識したモデルがvivo「iQOO Z5」。画面のリフレッシュレートは120Hz、タッチサンプリングレートは240Hzと高い。また本体内に最大28837mm2の冷却板面積を持ちCPU温度を最大12度下げることも可能だ。メインカメラも6400万画素を搭載する。

主な仕様
発表日2021年9月23日
価格1899元(約3万3000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 778G
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー5000mAh、44W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n5 / n8 / n28 / n41 / n77 / n78
サイズ164.7x76.68x8.49(藍・薄暮)、8.53(造夢空間)mm、193(藍・薄暮)、195(造夢空間)g

OPPOのゲーミングスマホも着々と進化、「K9 Pro」登場

 OPPO「K9 Pro」はKシリーズの立ち位置をゲーミングモデルとして明確化。他社のゲーミングスマホには個々のスペックは及ばないものの、冷却版面積は14000mm2(最大17度降温効果)や180Hzのディスプレイタッチサンプリングレートを誇る。65W高速充電(Super VOOC)により16分で50%の充電が可能だ。

主な仕様
発表日2021年9月26日
価格2199元(約3万8000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 1200
ディスプレイ6.43インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、12GB+256GB
バッテリー4500mAh、65W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n28(703-733MHz) / n41 / n77 / n78
サイズ158.7x73.5x8.5mm、180g

1000元格安5Gスマホのアップグレードモデル、「realme V11s 5G」

 「realme V11s 5G」は2021年2月発表の「realme V11 5G」のマイナーチェンジモデル。チップセットをDimensity 700からDimensity 810に変更。スペックアップにより最低構成モデルの価格は1199元(約2万1000円)から1399元(約2万4000円)へ引き上げられた。

主な仕様
発表日2021年9月26日
価格1399元(約2万4000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 810
ディスプレイ6.43インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数1300万広角+200万深度測定
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、12GB+256GB
バッテリー5000mAh、18W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ縦不明x横不明x8.4mm、189g

美顔機能を強化した女性向けスマートフォン、Xiaomi「Civi」

 本体仕上げに上質なアンチグレアガラスやピンクモデルを用意、3200万画素のフロントカメラで美顔セルフィーが撮影できるXiaomi「Civi」は女性をターゲットにしたモデル。他社の美顔モードと比べより自然な仕上がりの写真が撮影できる。Civiのイメージキャラクターには東京オリンピックの第一号金メダリスト、楊倩選手を採用。なお大手ECサイトの京東で先行販売される。

主な仕様
発表日2021年9月27日
価格2599元(約4万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 778G
ディスプレイ6.55インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数3200万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4500mAh、55W充電(有線)
5G NR対応バンドn1 / n28(703-733MHz) / n41 / n77 / n78
サイズ158.3x71.5x7mm、166g

産業向けのスマホも5G対応、「ioutdoor N630」

 官公庁や運送業など産業向けにOEM/ODM端末を手掛けるTian Long Century Techの自社ブランド5Gスマートフォンが「ioutdoor N630(愛戸外N630)」である。IP68の防水対応、詳細は不明だが高耐久性などタフな仕様を誇る。なおB2B向けのため価格は非公開。

主な仕様
発売日2021年9月27日
価格不明
チップセットMediaTek Dimensity 720
ディスプレイ6.3インチ23400x1280ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB
バッテリー5200mAh
5G NR対応バンドn41 / n79
サイズ164.8x79.2x15mm、重量不明

ハイセンスからタフな5Gスマホ「D50」登場

 防水防塵に対応したタフな5Gスマートフォン。IP69Kにも対応する。本体側面にはPTT(Push-to-Talk)ボタンがあり、PTTアプリを入れることでワンタッチ通話が可能。なおバッテリーは5010mAhと6100mAhの2つのモデルが用意される。

主な仕様
発表日2021年9月27日
価格3980元(約6万9000円)から
チップセットUNISOC T7510
ディスプレイ6.53インチ2340x1080ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+800万超広角+200万マクロ+200万赤外線
インカメラ画素数1600万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成6GB+128GB
バッテリー5010 or 6100mAh、18W充電(有線)
5G NR対応バンド不明
サイズ173.8x81x12.4mm、263g

伝説のハイスペックスマホが復活か、Letv「S1」

 2015年に突如スマートフォン市場に現れ、ハイスペック・高品質なスマートフォンを次々と送り出しながら、わずか数年で市場から消え去ったLetv(Leeco)から再びスマートフォン「S1」が登場。但し往年の高性能な製品ではなく、UNISOCのチップセットを搭載した低価格5Gスマートフォンが登場した。またファーウェイのモバイルサービス(HMS)を搭載している。

主な仕様
発表日2021年9月27日
価格1599元(約2万8000円)から
チップセットUNISOC T7510
ディスプレイ6.53インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数4800万広角+サブカメラ2個(合計3カメラ)
インカメラ画素数画素数不明
RAM/ROM構成8GB+256GB
バッテリー4900mAh
5G NR対応バンド不明
サイズ158.3x71.5x7mm、166g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。