山根康宏の「言っチャイナよ」
OPPOとHonorから最強カメラ搭載の新機種、ゲーミングスマホも多数登場へ
2022年3月11日 00:00
世界最大のスマートフォン市場であり、世界最大の5G加入者数を誇る中国。本連載「言っチャイナよ」は香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が中国で毎月発表される5Gスマートフォンを紹介する。今回は2022年2月に発表されたモデルをまとめた。ゲーミングスマートフォンがシャオミ、Nubia、レノボから相次いで登場。OPPOとHonorは超高性能カメラを搭載したフラッグシップモデルを投入。ファーウェイからは久しぶりに5G対応スマートフォンが発売になった。
価格を抑えたHonorのカメラフォン「HONOR 60 SE」
1億800万画素カメラ搭載のカメラフォン「Honor 60」シリーズのエントリーモデルとして登場したのが「HONOR 60 SE」である。カメラは6400万画素と性能を抑え、チップセットもMediaTekとすることで価格を2000元前半とした。背面カメラデザインはiPhone 13風。高速充電は上位モデルと同じ66Wに対応し、15分で55%の充電が可能だ。
発表日 | 2022年2月8日 |
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価格 | 2199元(約4万円)から |
チップセット | MediaTek Dimensity 900 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+500万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB |
バッテリー | 4300mAh、66W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 161.3×73.4×7.7mm、175g |
メルセデスF1チームモデルも投入、コスパゲーミング端末「Redmi K50 Gaming」
2021年4月発売の「Redmi K40 Gaming」の後継モデルが本「Redmi K50 Gaming」である。シャオミのRedmiシリーズは性能を抑えつつも高性能なコスパモデルが多く、本製品はSnapdragon 8 Gen 1を搭載しながら3299元、約5万円という低価格で登場。
液冷+4686平方ミリの冷却版で従来比20%の冷却効果を実現。本体側面のAとB物理ボタンは2つを追加し合計4つ備える。120W高速充電は17分で満充電が可能だ。またメルセデスAMG F1とのコラボモデルも限定1000台で販売、12+256GBモデルのみでノーマル版が3899元、メルセデスAMG F1版は4299元と400元アップ。
発表日 | 2022年2月16日 |
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価格 | 3299元(約6万円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 2000万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、12GB+128GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4700mAh、120W充電(有線) |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 |
サイズ | 162.5×76.7×8.5mm、210g |
冷却性能を高めたNubiaのゲーミングフォン「RedMagic 7」
ZTE傘下Nubiaの最新ゲーミングスマートフォン「RedMagic 7」は業界最高の165Hzリフレッシュレート、タッチサンプリングレート720Hzのディスプレイを搭載。
「ICE8.0立体冷却システム」は9重の冷却機構を備え、RGBカラーでライティングされる回転ファンも内蔵。冷却ファンは1つだが20000rpm/分、風量30%増、風圧35%増、ファン音40%元と前モデルより冷却性能を高めた。
ハイエンドモデルながら3.5ミリヘッドフォンジャックを備える。フロントカメラは800満画素とやや低性能だが、本体上部に配置しディスプレイを遮るノッチやパンチホールは無い。
発表日 | 2022年2月17日 |
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価格 | 3999元(約7万3000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.8インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 800万 |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、12GB+128GB、12GB+256GB、16GB+512GB |
バッテリー | 4500mAh、120W充電(有線) |
5G NR対応バンド | SA : n1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28A / n41 / n71 / n77(3600MHz-4100MHz) 、NSA : n38 / n41 / n77 / n78 |
サイズ | 170.57×78.33×9.5mm、215g |
Nubia独自ゲーミングチップを搭載した「RedMagic 7 Pro」
RedMagic 7の上位モデルである「RedMagic 7 Pro」はNubia初のアンダーディスプレイカメラを搭載。ディスプレイのベゼルレスを実現した。ディスプレイのリフレッシュレートは120Hzと下位モデルにやや負けるが、サンプリングレートは960Hzと高めた。本体冷却は背面取り付けの外部ファンも併用できる「ICE9.0立体冷却システム」を採用した。
また、Nubia独自開発のゲーミングチップ「Red Core 1(紅芯1.0)」を搭載。画面タッチ、振動のフィードバック、照明カラーや効果音をコントロールし、音、光、振動、タッチの3次元制御が可能だという。ストレージは最大1TBモデルも提供。135Wの高速充電は15分で満充電を可能にする。
発表日 | 2022年2月17日 |
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価格 | 4799元(約8万7000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.8インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+800万超広角+200万マクロ |
インカメラ画素数 | 1600万(アンダーディスプレイ) |
RAM/ROM構成 | 12GB+128GB、12GB+256GB、16GB+256GB、18GB+512GB、18GB+1TB |
バッテリー | 5000mAh、135W充電(有線) |
5G NR対応バンド | SA : n1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28A / n41 / n71 / n77(3600MHz-4100MHz) 、NSA : n38 / n41 / n77 / n78 |
サイズ | 166.27×77.1×9.98mm、235g |
OPPO初のハッセルブラッドコラボカメラ搭載「Find X5」
ハッセルブラッド監修のカメラを搭載し、同社のカラーバランスを利用した写真撮影を可能にしている。OPPO独自開発の画像処理チップ「MariSilicon X」を搭載し、AI処理などを高速化、夜間撮影も強化している。背面デザインはカメラ周りを黒くしProモデルと差別化している。なお、前モデルFind X3シリーズにあった顕微鏡カメラの搭載は見送られた。高速充電は有線80W、無線30W。
発表日 | 2022年2月24日 |
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価格 | 3999元(約7万3000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 888 |
ディスプレイ | 6.55インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 5000万+5000万超広角+1300万2倍望遠 |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB |
バッテリー | 4800mAh、80W充電(有線)、30W充電(無線) |
5G NR対応バンド | SA : n1 / n2 / n3 / n5 / n8 / n20 / n28A / n38 / n41 / n66(70MHz) / n77 / n78 / n79、NSA:n41 / n77 / n78 / n79 |
サイズ | 160.3×72.6×8.7mm、196g |
5軸手振れ補正搭載のハイエンドカメラフォン、OPPO「Find X5 Pro」
OPPOの最上位モデルでFind X5の性能強化版が「Find X5 Pro」。カメラはソニーIMX766 5000万画素を2つ搭載、メインカメラは5軸手振れ補正を搭載。ハッセルブラッドのコラボ、独自画像チップ「MariSilicon X」搭載や80W有線充電など基本性能はFind X5と同等。無線充電は50Wに強化されている。本体の冷却を強化する「アイススキン冷却ケース」も別売りで販売される。
発表日 | 2022年2月24日 |
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価格 | 6299元(約11万4000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.7インチ3216×1440ピクセル |
リアカメラ画素数 | 5000万+5000万超広角+1300万2倍望遠 |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 5000mAh、80W充電(有線)、50W充電(無線) |
5G NR対応バンド | SA:n1 / n2 / n3 / n5 / n8 / n12 / n13 / n18 / n20 / n25 / n26 / n28 / n38 / n41 / n66(70MHz) / n77 / n78 / n79、NSA:n41 / n77 / n78 / n79 |
サイズ | 163.7×73.9×8.5、8.8(革モデル)mm、218g、195g(革モデル) |
Dimensity 9000搭載の高パフォーマンスモデル、OPPO「Find X5 Pro Dimensity版」
「Find X5 Pro Dimensity版」はFind X5 ProのチップセットをメディアテックDimensity 9000に交換したモデル。メディアテックの最上位チップにより高速なパフォーマンスを提供しつつ、価格を500元下げた。他の性能はFind X5 Proと変わらない。
発表日 | 2022年2月24日 |
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価格 | 5799元(約10万5000円) |
チップセット | MediaTek Dimensity 9000 |
ディスプレイ | 6.7インチ3216×1440ピクセル |
リアカメラ画素数 | 5000万+5000万超広角+1300万2倍望遠 |
インカメラ画素数 | 3200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB |
バッテリー | 5000mAh、80W充電(有線)、50W充電(無線) |
5G NR対応バンド | n1 / n2 / n3 / n5 / n8 / n20 / n28(703-733MHz) / n38 / n41 / n66 / n77 / n78 / n79 |
サイズ | 163.7×73.9×8.5mm、216g |
ポートレート撮影強化、ソニーIMX787搭載のNubia「nubia Z40」
標準カメラを一般的な広角ではなく35mmとし、ポートレート撮影に適した焦点距離とした「人物撮影スマホ」と呼べるのがNubiaの「nubia Z40」だ。世界初のソニーIMX787センサーを搭載。メインカメラと望遠カメラは光学手振れ補正を搭載した。
本体背面には円形のマグネットを内蔵し、アップルの「MagSafe」類似の磁力貼り付け式充電器を利用できる「Gravity Edition」も販売される。
発表日 | 2022年2月25日 |
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価格 | 3399元(約6万2000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.67インチ2400×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万(35mm)+5000万超広角+800万5倍望遠 |
インカメラ画素数 | 1600万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 5000mAh、80W充電(有線)。「Gravity Edition」4800mA、66W充電(有線)、15W充電(無線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 161.9×72.9×8.4mm、199g |
Mateシリーズのマイナーチェンジモデル、ファーウェイ「Mate 40E Pro 5G版」
2020年10月発売の「Mate 40 Pro」のチップセットをKilin 9000からKirin 9000Lに変更したモデルが「Mate 40E Pro 5G」。ファーウェイはアメリカの制裁により5Gモデルの投入が困難となっており、5G対応チップの在庫を使った派生モデルという位置づけだ(Mate 40 Proは完売)。チップセット以外の性能はMate 40 Proに準ずる。なおデュアルSIM対応だが5G NRはSIMスロット1のみ動作する。
発表日 | 2022年2月28日 |
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価格 | 6499元(約11万8000円) |
チップセット | HiSilicon Kirin 9000L |
ディスプレイ | 6.76インチ2772×1344ピクセル |
リアカメラ画素数 | 5000万+2000万超広角+1300万5倍望遠(ペリスコープ) |
インカメラ画素数 | 1300万+TOF(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+256GB |
バッテリー | 4400mAh、66W充電(有線)、50W充電(無線) |
5G NR対応バンド | n1 / n3 / n28(UL703MHz-733MHz、DL758MHz-788MHz) / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79 / n80 / n84 |
サイズ | 162.9×75.5×9.1mm、212g |
高性能カメラ搭載のハイエンドモデル、Honor「Magic4」
5000万画素カメラを2つ搭載、Multi Camera Fusionや4K 60fps 10Bit Log撮影などを可能にした。本体にはセキュリティー用の独立チップを搭載し、パスワードなどの漏洩を防ぐ。なお中国国内の価格は未定。ヨーロッパ価格を参考に掲載する。
発表日 | 2022年2月28日 |
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価格 | 899ユーロ(約11万3000円)から(8GB+256GB) |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.81インチ2664×1224ピクセル |
リアカメラ画素数 | 5000万+5000万超広角+800万5倍望遠+Flicker感知+深度測定 |
インカメラ画素数 | 1200万(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 4800mAh、66W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 163.6×74.5×8.8mm、199g |
トリプルカメラを搭載、100倍撮影対応のHonor「Magic4 Pro」
Ultra Fusion Photography体験を提供するハイスペックなカメラフォンがHonor「Magic4 Pro」。カメラは5000万画素2つと6400万画素を搭載、デジタル最大100倍を実現。8×8 TOFカメラで深度測定も精度を高め、Fliker感知カメラも搭載。フロントカメラに3D TOFを搭載し深度と顔認証を兼用、安全性を高めている。
Multi Camera Fusionは0.6倍から1倍、2倍から3.5倍を2つのカメラを使って撮影しディテールを高めた撮影を可能にした。充電は有線、無線どちらも100W対応。こちらも中国での価格は未定。
発表日 | 2022年2月28日 |
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価格 | 1099ユーロ(約13万8000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.81インチ2848×1312ピクセル |
リアカメラ画素数 | 5000万+500万超広角+6400万3.5倍望遠+8×8 TOF+Flicker感知 |
インカメラ画素数 | 1200万+3D TOF(パンチホール) |
RAM/ROM構成 | 8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB |
バッテリー | 4600mAh、100W充電(有線)、100W充電(無線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 163.6×74.7×9.15mm、9.1(革モデル)mm、215g、209g(革モデル) |
レノボのゲーミングフォン第三段「Legion Y90」
「Legion Y90」は、レノボのゲーミングブランド「Legion」のスマートフォンで、本モデルは3機種目の製品となる。初代と二代目モデルとは製品番号の付与方法を変更し、同時期発売のタブレット「Legion Y700」と型番形式を統一、「Y」のアルファベットを冠した。
ゲーミングモデルらしくディスプレイのリフレッシュレートは144Hz、タッチサンプリングレートは720Hzに対応。複数層の冷却システムとデュアル回転ファンで本体内を急激に冷却できる。68Wの急速充電で35分で満充電が可能だ。
なお、前2機種は本体側面にポップアップ式のフロントカメラを備え、横向きにしたとき自分を映しながらのゲームプレイが可能だったが、本モデルでは本体上部右上のベゼル内蔵となった。
発表日 | 2022年2月28日 |
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価格 | 4299元(約7万8000円)から |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1 |
ディスプレイ | 6.92インチ2460×1080ピクセル |
リアカメラ画素数 | 6400万+1300万超広角 |
インカメラ画素数 | 1600万 |
RAM/ROM構成 | 12GB+256GB、16GB+256GB、18GB+640GB |
バッテリー | 5800mAh、68W充電(有線) |
5G NR対応バンド | 不明 |
サイズ | 177×78.4×10.1mm、252g |