山根康宏の「言っチャイナよ」

フロントカメラ埋め込みスマホがシャオミから登場、vivoはモデルチェンジしたエントリー5Gスマホを発売

 世界最大のスマートフォン市場であり、世界最大の5G加入者数を誇る中国。本連載「言っチャイナよ」は香港在住の携帯電話研究家、山根康宏が中国で毎月発表される5Gスマートフォンを紹介する。今回は2021年8月に発表されたモデルをまとめた。vivoがチップセット不足を理由にしてか、ほぼ同一スペックの派生モデルを2機種発売。また中国移動、中国聯通がキャリアオリジナルの5Gモデルを発表した。

シャオミからもフロントカメラ埋め込みスマホ「MIX 4」登場

 MIX 4は、フロントカメラをディスプレイ内に埋め込み、6.67インチのディスプレイ全面を表示エリアとしたシャオミ初のモデル。すでにZTEが製品化しているがシャオミも追従した。

 1億800万画素カメラを搭載し音響はHarman Kardonを搭載するなどAV機能も強化。高速充電は120W対応で15分で満充電可能、ワイヤレスも50W高速充電に対応した。なお従来モデルは「Mi MIX」シリーズだったが、本製品より「Mi」を外し「MIX」というシリーズ名に変更された。

主な仕様
発表日2021年8月10日
価格4999元(約8万5000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888+
ディスプレイ6.67インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数1億800万広角+1300万超広角+800万ペリスコープ5倍望遠
インカメラ画素数2000万(アンダーディスプレイ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー4500mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ162.65x75.35x8.02mm、225g

Honorのフラッグシップ新モデル「Honor Magic3」

 Snapdragon 888シリーズ搭載のHonorのフラッグシップモデル3機種が登場。旧ファーウェイのMateシリーズを彷彿させる、背面中央の円形カメラデザインで登場した。Honor Magic 3はシリーズ唯一、Snapdragon 888を搭載(他2モデルは888+)。フロントカメラはデュアルに見えるがシングル仕上げ。カメラは広角+超広角にモノクロを加えた3眼。有線66W高速充電に対応する。

主な仕様
発表日2021年8月12日
価格4599元(約7万8000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888
ディスプレイ6.76インチ2772x1344ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+1300万超広角+6400万白黒
インカメラ画素数1300万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB、12GB+256GB
バッテリー4600mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28(UL703M-733M、DL758M-788M) / n38 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ162.8x74.9x8.99 / 9.5(ビーガンレザー)mm、202g

カメラ強化とゲーミングにも対応する「Honor Magic3 Pro」

 Magic3シリーズ中核モデルのHonor Magic3 Proは3.5倍望遠カメラも6400万画素と高画質、フロントカメラはデュアル仕様。GPUターボや高度な冷却システムでゲーミングにも対応。高速充電は有線・ワイヤレスどちらも66W。

主な仕様
発表日2021年8月12日
価格5999元(約10万2000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 888+
ディスプレイ6.76インチ2772x1344ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+1300万超広角+6400万ペリスコープ3.5倍望遠+6400万白黒+ToF
インカメラ画素数1300万+ToF(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+256GB、12GB+256GB、12GB+512GB
バッテリー4600mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28(UL703M-733M、DL758M-788M) / n38 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ162.8x74.9x8.99 / 9.5(ビーガンレザー)mm、212g

スマホ最強カメラにスポーツカーデザインの「Honor Magic3 Pro+(至臻版)」

 Magic3シリーズ最上位モデルのHonor Magic3 Pro+(至臻版)は超広角・望遠・モノクロの3つのカメラが6400万画素。メインの5000万画素カメラと合わせ究極のカメラフォンを目指したモデル。本体デザインはファーウェイMate時代にあったポルシェデザインをイメージさせるスポーティーかつ高級感あふれる仕上げ。有線とワイヤレスどちらも66W高速充電に対応する。

主な仕様
発表日2021年8月12日
価格7999元(約13万6000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 888+
ディスプレイ6.76インチ2772x1344ピクセル
リアカメラ画素数5000万広角+6400万超広角+6400万ペリスコープ3.5倍望遠+6400万白黒+ToF
インカメラ画素数1300万+ToF(パンチホール)
RAM/ROM構成12GB+512GB
バッテリー4600mAh
5G NR対応バンドn1 / n3 / n5 / n8 / n28(UL703M-733M、DL758M-788M) / n38 / n41 / n77 / n78 / n79
サイズ162.8x74.9x9.94mm、236g

vivoのエントリー5Gスマホが再びモデルチェンジしたvivo「Y53s t1版」

 2021年6月に発売された「Y53s」のチップセット変更モデルが「Y53s t1版」。Y53sと基本スペックは同等で、チップセットのみSnapdragon 480からDimensity 700へ交換された。価格・メモリ構成はY53sと変わっていない。なお同時にDimensity 900を搭載した「Y53s t2版」も発売になった。

主な仕様
発表日2021年8月14日
価格1799元(約3万1000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.58インチ2408x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+200万マクロ
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+128
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n28a / n41 / n77 / n78
サイズ163.95x75.3x8.5mm、189g

vivo「Y53」シリーズのチップセット変更の別モデル「Y53s t2版」

 2021年6月に発売された「Y53s」のチップセット変更モデル。「Y53s t2版」はDimensity 900を搭載している。同時に「Y53s t1版」(Dimensity 700搭載)も発売されているが、チップセットの供給不足により同スペックの派生モデルを増やしていると考えられる。

主な仕様
発表日2021年8月14日
価格1799元(約3万1000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 700
ディスプレイ6.58インチ2408x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+200万マクロ
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+128
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンドn1 / n28a / n41 / n77 / n78
サイズ163.95x75.3x8.5mm、189g

中国移動新ブランド5Gスマホ第2弾「NZONE S7 Pro+」

 「NZONE S7 Pro+」は2021年6月に登場した中国移動の新ブランドスマートフォン「NZONE S7 Pro 5G」に続く第2弾となるモデル。モデル名に「+」が付くことからわかるようにチップセットやカメラ性能を高めている。なお軽量化のためかバッテリー容量は3800mAhと最近の製品にしてはやや少な目。

主な仕様
発表日2021年8月16日
価格2599元(約4万4000円)から
チップセットMediaTek Dimensity 720
ディスプレイ6.5インチ2400x1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+128GB
バッテリー3800mAh
5G NR対応バンドn1 / n41 / n77 / n78
サイズ161.6x74.8x7.5mm、181g

中国聯通オリジナル5Gスマホ3機種目となる「優暢享30e」

 2021年に独自ブランド5Gスマートフォン「U-Magic」シリーズ2機種を発表していた中国聯通から、3機種目となる「優暢享30e」が発表された。

 ディスプレイとカメラ性能を抑えることで前の2機種よりも低価格化を実現。ちなみに初代モデル「優暢享20」は中国最大手のECサイト「京東」で6月8日に販売数1位になるなどコストパフォーマンスの高さで人気となった。中国聯通はU-Magicシリーズの販売を5Gユーザー増に結びつけようとしている。

主な仕様
発表日2021年8月23日
価格1599元(約2万7000円)
チップセットQualcomm Snapdragon 480
ディスプレイ6.517インチ1600x720ピクセル
リアカメラ画素数1300万広角+200万深度測定
インカメラ画素数800万(水滴型ノッチ)
RAM/ROM構成4GB+128GB
バッテリー5000mAh
5G NR対応バンド非公開
サイズ163.9x75.9x8.95mm、196g

TCLの新ブランド5Gスマホ「FFALCON(雷鳥) FF1」

 2018年を最後に中国国内市場ではスマートフォンを出していないTCLが、再参入第一弾として投入するモデルが「FFALCON(雷鳥) FF1」。120Hz駆動ディスプレイや6400万画素カメラ搭載、Snapdragon 690採用、66W高速充電などミドルハイレンジクラスのモデルとなる。正式発売日となる9月6日まで一部スペックは非公開。なおFFALCONはTCLのサブブランドとしてTVや家電を展開している。

主な仕様
発表日2021年8月27日
価格2499元(約4万2000円)から
チップセットQualcomm Snapdragon 690
ディスプレイ6.67インチ2376×1080ピクセル
リアカメラ画素数6400万広角+800万超広角+200万マクロ+200万深度測定
インカメラ画素数1600万(パンチホール)
RAM/ROM構成8GB+128GB、8GB+256GB
バッテリー4300mAh
5G NR対応バンド不明
サイズ高不明x幅不明x8.58mm、194.5g
山根 康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。