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本当に気軽に持ち歩けるデジカメ カシオ「EXILIM EX-S1」
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![広野忠敏](/cda/static/image/2000/04/01/face.jpg) |
広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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カシオから話題のデジカメ「EXILIM EX-S1/M1」がリリースされた。発売は先週末、携帯モノマニアな人の中には、予約していち早く買いに走っている人も多いのではないかと思う。すでにご存知の人も多いかと思うが、EXILIMはこのクラスのデジカメとしては驚異的な小ささ。まさにウェアラブルデジカメといっても良い性能を誇るデジカメだ。発売日に入手することができたので、今回はカシオのデジカメ「EXILIM EX-S1」を取り上げてみることにしよう。
圧倒的な小ささなのである
![](/cda/static/image/2002/06/26/toy00s.jpg)
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「EXILIM EX-S1」。MP3再生機能が省かれたモデル。厚さは11.3mm、重さは85g
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EXILIMの特徴を1つ挙げるとすると、その大きさだ。名刺とほぼ同じ大きさで、厚さは11.3mm、重さは85g。数字だけを挙げるとまったく実感はわかないかもしれないが、驚異的にコンパクトなサイズなのである。この程度のサイズのデジカメはすでに他社からもリリースされていたりするが、EXILIMが凄いのは、この大きさでありながら、デジカメに必要なギミックのほとんどを盛り込んでしまっている点なのである。
簡単にスペックを羅列してみよう。まず、デジカメを語る上で避けて通れないのは、画素数。有効画素124万画素で、最大1600×1200ピクセルの画像を記録することができる。レンズのはF値は2.5で、35mmフィルム換算で約37mm相当の固定焦点レンズを採用、撮影可能な距離は1mからだ。さらに、赤目軽減に対応した内蔵フラッシュを装備し、液晶モニターは1.6型TFTカラー液晶を搭載。また、光学ファインダーも用意されている。
データの記録には本体内蔵のフラッシュメモリ(12MB)または、SDカード(MMCも利用可能)を利用し、静止画(JPEG)または動画(AVI)の記録ができる。さらに、上位機種のEX-M1には音楽再生機能も付属していて、MP3形式の音楽再生に対応。このほか、音声付の動画の記録や、ボイスメモも可能だ。ちなみに、わたしの場合は、普段MP3プレーヤーを持ちあるいているため、音楽再生機能は必要を感じず、カメラのみのEX-S1を購入した。
このスペックすべてが、名刺入れのサイズに集約されているのは、まさに驚異であると言っても過言ではない。元々カシオっていうメーカーは、時計にしてもそうなのだが高密度な実装技術でとても定評のあるメーカーなのだ。名刺入れとほぼ同じ大きさというサイズにデジカメに必要な技術のほとんどを盛り込んでしまうという快挙には、いちカシオファンとしては惜しみない拍手を送りたい気持ちで一杯だ。いや、まったく、カシオおそるべし。
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充電・ファイル転送はクレードル経由で行なう
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手のひらにのせてもこの大きさ
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2台目のデジカメとしては最適
パッケージから取り出したときにまず驚いたのがその大きさ(何度も書いてすみません)、本当に小さいのである。ちなみに、EX-S1にはシルバーとパールホワイトの2種類のラインナップがあり、色も選べるのが嬉しい(EX-M1はシルバーのみ)。わたしはデジカメらしく見えないパールホワイトをチョイス。重さは85gってことで軽いのだが、筐体が金属製なので、質感はかなり良い。実際に落としてしまうと壊れるとは思うが、落としても簡単には壊れそうもない感じもする。
大きさ、重さ、質感もさることながら、驚いたのは「レスポンスの速さ」だ。デジカメというと、多くは電源を入れてから撮影ができる状態になるまでに若干の時間を要する。また、シャッターを押してから実際にメモリに記録されるまでに時間がかかる機種もある。EXILIMは電源ボタンを押してから約1秒後には撮影ができる状態になり、シャッターをばちばち押しても約0.6秒の間隔で記録してくれる。非常にレスポンスが良いのだ。デジカメ高級機のなかにはやたら待たされるものもあるが、そういった機種と比較するとまさに雲泥の差。とても気軽に使え、いつでも思ったときに、思ったものが撮れる」という気軽さがある。
たとえば、道を歩いているときに「あ、これ撮っておきたいな」って思ったら、おもむろにポケットからEXILIMを取り出して、電源投入後すぐにシャッターを押せばいいのである。待たされる不快感から開放されるのはなんとも気持ちいいなのだ。
![](/cda/static/image/2002/06/26/toy01s.jpg)
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こちらはMP3再生機能付の「EX-M1」。価格は3万9800円
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クイックレスポンスなのは撮影時だけではない。たとえば、撮影したものをすぐにプレビューしたいと思ったとしよう。本体の切り替えスイッチをREC側からPLAY側にするだけで、即座にプレビューができる。また、撮りたいなと思ったらREC側にすれば、約1秒で撮影可能な状態になる。また、メニューボタンを押したときのメニューの表示や、設定操作におけるレスポンスもバツグン。
ちなみに、撮影時の設定などはメニューから行なうのだが、このメニュー、非常に整理されていて使いやすい。操作のためのボタンもそれほど多くないため、一度でもデジカメを使ったことがある人ならば、マニュアルなしで使いこなせるはずだ。複雑な機能を持ち、複雑な操作をユーザーに要求するデジカメが多い中、とりあえず電源を入れてシャッターを押すだけで気軽に撮れて、かつマニュアルなしでもなんとなく使えてしまいそうなEXILIMにはとても好感を持てる。
ただ、いくらレスポンスが良く、初心者にもやさしいとはいえ、EXILIMは2台目のデジカメとして使ったときに真価を発揮するのではないだろうか。初めて購入するデジカメとして考えると、マクロ撮影ができない(1mより近くに寄れない)、光学ズームもない(デジタルズームは4倍まで可能)などの理由で、撮影する被写体によってはどうがんばっても思い通りに撮影できないことがある。色々なテクニックを駆使し、じっくり腰を落ち着けて撮影することを考えると、中級機クラスのデジカメと併用する必要があるだろう。
そんなわけで、EXILIMはいつも気軽に持ち歩いて、撮りたいものがあったら撮るという使い方が一番似合っているだろう。このサイズと重さならば、持ち歩きにも苦にならないし、レスポンスも早いので撮りたい時にすぐに撮れるからだ。いわゆる「写真を撮影」という使い方のほかにも、「広い駐車場でクルマを停めた場所がわからなくなるからとりあえずメモ」とか「安く品物をゲットするために値段チェック」みたいに、いわばメモ的使い方をするのがスマートではなかろうか。
充電方法に不満が残る
良い製品になればなるほど、いつもは気にならない小さな点も気になってしまうということがある。もちろん、EXILIMにも不満な点はいくつかある。マクロなしズームなしという部分はそれほど気にはならないのだが(こういう中核な部分が気に入らなければ買わなければいいだけのことである)、バッテリと充電方法に関しての不満が残る。コンパクトな製品なので、専用のバッテリになってしまっているというのはまだ許せる。不満なのは充電方法だ。
本体にはクレードルが付属していて、クレードルにUSBケーブルとACアダプタを接続する。マスストレージクラスに対応しているため、ドライバソフトなどを導入しなくてもEXILIMをクレードルに乗せれば、すぐにWindows XPなどを搭載したパソコンから写真を閲覧できる。充電もクレードルに乗せている間にされる仕組みだ。使っていないときは常時クレードルに乗せておき、持ち出すときははずしてパッとバッグに入れる、というのはなかなか便利に思えるかもしれない。たしかに、1日とか2日程度ならばこうした使い方でも十分だろう。
ところが、旅行のお供にEXILIMを持っていくとしよう。こんなとき、落とし穴が存在する。充電をするためには、かならずクレードルが必要なのである。つまり、クレードルも一緒に持っていかなければいけないため、せっかくの携帯性がスポイルされてしまうわけ。旅行なんだから持ち運ぶ荷物はなるべく少ないほうがいい。クレードルを使わずにACアダプタだけで充電ができればもっと便利なのにと思ってしまうわけだ。
■ 評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★★★ |
文句なしにイバれます。どんどんイバりましょう。ただ、わたしの場合、目のつけどころは皆一緒で、回りに購入者が多かったのでそれほどイバれませんでした。
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実用性 |
★★★★★ |
メモ用デジカメとしては最強! おまけに最速! いつも持ち歩いて、撮りたいものを撮りましょう。
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お値段 |
★★★ |
メモ用と割り切って気軽に買える値段ではないかもしれません。だけど、投資に見合う価値は十分にあると思います。
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価格 |
2万9800円(EX-S1) |
たぶん1年後にはもっとコンパクトな製品が登場すると思うので、予想利用時間は1年。そうそう、ケースは同梱されていないので、そのままバッグに入れてシェイクしたり、ポケットに入れておくとキズキズになります。チープでもいいからソフトケースとかポシェットをつけて欲しかったな。気持ちよく持ち歩くためにはオプションのケースは必須かもしれません。
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利用期間 |
1年くらい
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1日あたり単価 |
81円
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・ EXILIM 製品情報
http://www.exilim.jp/
・ ニュースリリース
http://www.casio.co.jp/release/2002/exilim_jp.html
(広野忠敏)
2002/06/26 13:18
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