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ダブルスロット搭載の定番モデル カシオ「カシオペア E-2000」
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Pocket PCベースのPDAは、国内でもさまざまなメーカーからリリースされるようになった。ところが、Pocket PCの前身であるPalm-size PCの時代は、ごく一部のメーカーからしかリリースされていなかったのだ。カシオはそんな時代からPDAを手がけてきた数少ないメーカーのひとつ。「カシオペア E-2000」はPocket PC 2002を搭載した最新モデルだ。今回は、E-2000について、旧バージョンから何がどのように変わったのかということを中心にレビューしてみよう。
カシオペアは由緒正しいPocket PCなのだ
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「カシオペア E-2000」。SDカードスロットとCFカードスロットの両方を備えたPocket PC 2002対応PDA。実売価格は6万円前後
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Windows CEベースのPDAの歴史は、実は意外と古い。Windows CEベースのPDAには、HPC(Handheld PC)とPPC(Pocket PC)の2つの種類があるが、HPC、今のPocket PCの前身であるPalm-size PC、HPC 2000、Pocket PC、Pocket PC 2002の順でリリースされている。
ちなみに、日本で最も古いWindows CEベースのPDAは、1997年にカシオがリリースした「カシオペア A-50/51」。カシオではその後、初のPalm-size PCである「CASSIPEIA E-55」を1998年にリリース、カラー表示可能なPalm-size PC「カシオペア E-100」を1999年に、その後「E-500」、Pocket PC搭載の「E-700/750」ときて今回のPocket PC 2002搭載の「E-2000」に続いている。つまり、カシオはWindows CEの黎明期からWindows CEと共に歩んできた数少ない由緒正しいメーカーのひとつなのである。今でこそ、Pocket PCも多くのメーカーからリリースされているが、以前はWindows CEベースのPDA(HPC/Palm-sizePC)といえば「カシオペア」という図式が成り立っていたのである。
Windows CEの歴史と共に歩んできたユーザーは、初めにA-50を購入、次にPalm-sizePCの「E-55」、さらに液晶がカラーになった「E-500」、そしてPocket PC搭載の「E-700」、Type2のCFカードスロットを搭載した「E-750」とずっとカシオの製品を使っているのではないだろうか。まあ、うちにも古いカシオペアがたくさん転がっていたりしますが……。
ちなみに、カシオといえばデジタル腕時計や電卓など小さめの電子機器を独自の視点で作っているメーカーなので、そうした小さくて怪しい電子機器に目がないユーザーを中心にファンも多い。私もそうしたカシオファンの一人で、カシオがリリースした電子機器もたくさん所有しているし、この連載でカシオの製品を取り上げる機会も多い。
ところで、今回リリースされるE-2000は、Pocket PC搭載のPDAとしてはカシオペアシリーズの3代目にあたる製品だ。OSとして初めてPocket PCが搭載されたカシオペアはE-700。E-700の特徴は、拡張手段としてSD/MMCカードスロットが装備されているところ。E-700以前のカシオペアではType2のCFカードスロットが搭載されていたのだが、E-700ではなぜかこれがSD/MMCスロットになってしまった。
SD/MMCカードスロットはメモリカードしか利用できないので、CFカードスロットに比べると利用価値は低いといわざるを得ない。そのため、E-700でカシオペアから離れてしまったユーザーも多いハズだ。その後、CFカードスロットが搭載された「E-750」がリリースされたが、「初めからE-750にしておけば良かった」と思った「E-700」ユーザーや「E-700」を買っちゃったけどやっぱりCFカードを使いたいから「E-750」を買ったユーザーもいるんじゃないだろうか。
SD/CFのダブルスロットを搭載
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SDカードスロットとType2のCFカードスロットを装備。SDカードスロットはメモリーカードのみ使用できる
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今回のお題となるE-2000の最大の特徴は、Pocket PC 2002を搭載しているところと、SD/MMCカードスロットとType2のCFカードスロットの2つのスロットを搭載しているところ。SD/CFのダブルスロットは東芝のGENIO eやNECのPocketGearでも同様だが、カシオペアとしては初めてのこととなる。ダブルスロットを搭載したことは、E-700(SD/MMCカードスロットのみ)でカシオペアから離れていったユーザーを呼び戻す要因にもなるだろう。
ちなみに、はじめてE-2000を見たときに「な~んだ、やればできるじゃん」と思ってしまった。E-700のときに先駆けてSD/CFのダブルスロットにしておけば、iPAQやjornadaに浮気するユーザーもなく、かつそうしたユーザーがそのままE-2000に流れたのではないだろうかといまさらながら思う。
ちなみに、CFカードスロットは本体の上部に、SD/MMCカードスロットは本体の左サイドに配置されている。また、オプションのPCカードアダプタを用意すれば、PCカードも利用可能だ。なお、SD/MMCカードスロットにはI/O機能はなく、メモリカードのみに対応する。そのため、実際に利用するときは、CFカードスロットにはPHSカードなどの拡張カードを挿入し、SD/MMCカードスロットはメモリとして利用することになるだろう。
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PCカードユニットもオプションで用意されている
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なお、本体に搭載されているRAMは、64MBなのでよほど大量のアプリケーションをインストールしたり、WMAやMP3データを保存して携帯用音楽プレーヤーとして使ったりということでなければ、メモリ容量は十分だといえる。
また、クレードルやオプションのPCカードユニットに装備されているUSBポート経由で、カシオペアとUSB機器の接続ができる「USBホスト機能」もサポートされている。将来的にはUSBプリンタなどを接続できるようになるということらしいが、いまのところ接続が保障されているのは「Microsoft Internet Keyboard Pro」のみだ。なお、接続が確認された機器については、E-2000のホームページから参照できるのでチェックしてみてほしい。
本体はグレーとシルバーを基調としたもので、なかなかシブくまとまっている。元々、カシオペアはシルバー、グレーやシャンパンゴールドなどを基調としたデザイン路線が多かったのだが、E-500のときに数種類の色を限定発売するなど、ややポップな路線になった。その後E-700、E-750では再び落ち着いたデザインに戻ったわけだが、E-2000でもE700/750を踏襲し、シックなデザインになっている。ただ、PDAの風潮としてケースやオプションでPDAをカラフルに飾るということがポピュラーになってきているので、E-500のようなカラフルなデザインがあってもよかったのではないだろうか。
操作系は従来のカシオペアの操作系と今風のPocket PCの操作系を融合したものになっている。本体の中央にカーソルキーがあり、予定表やメニュー、連絡先などのハードウェアボタンがカーソルキーの左右に配置されている。本体の左には「アクションコントロール」と呼ばれるジョグダイヤル風のコントローラと、電源、リセットスイッチが並ぶ。従来のカシオペアの操作系といえば本体の前面左にカーソルキー、右側に3つのハードウェアボタン、左サイドにアクションコントロールと電源、録音ボタンというスタイルだったのだが、アクションコントロールはそのまま、ハードウェアボタンとカーソルキーが他社製のPocket PC 2002搭載PDAと同じ配置になっている。
スペックはほぼ他のメーカーのPocket PC 2002搭載機と同じ
それから、従来は本体左サイドにあった録音ボタンは、本体の前面に移動している。個人的には、昔のカシオペアの操作系が好きだったので、今風のPocket PCライクなものになってしまったのは少々残念なところだ。他社製のPocket PC 2002搭載PDAをみても、ハードウェアボタンを押したときに起動される機能の差はあるが、ほとんど一緒。中央にカーソルキー、左右にハードウェアボタンというスタイルだ。
ちなみに、この操作系は、元々はiPAQが採用したもので、他のメーカーは右にならえ状態だ。たしかに、操作系を統一すれば他のPDAを使ったときに迷うことはないが、どうもみんな同じだと面白味に欠けてしまうように思えるのだ。
なお、CPUにはStrongARM 206MHzを採用、液晶ディスプレイは6万5536色(240×320ドット)の3.5型反射型TFT液晶が採用されている。また、ソフトウェアはPocket PC 2002標準のソフトウェアのほかに、本体ROMには「Menu」と呼ばれるランチャソフトが含まれている。「Menu」は本体前面のハードウェアボタンを押すとワンタッチで起動し、本体前面のカーソルキーと本体サイドのアクションコントロールを使えば、スタイラスでの操作をせずに、片手だけでアプリケーションを起動できる。
このほか、アプリケーションが含まれたCD-ROMが付属し、路線探索ソフト「JRトラベルナビゲータ」や翻訳ソフト「TransLand/EJ・JE」が収録されている。
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USBホスト機能はクレードルまたはPCカードユニットから利用できる。ただし、まだ対応機器は少ない
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PCカードユニットは底面にミニUSBポートを搭載している
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■ 評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★ |
他社製のPocket PC 2002搭載PDAと比べると、これといって特徴がないのが特徴で、後発ながら「標準」といえるモデルだろう。「やっぱりカシオペアはWindows CEベースPDAのスタンダードなのね」と感じさせられる一品です。
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実用性 |
★★★ |
SD/MMCカードスロットとCFカードスロットの両方が搭載されているということで、実用性は十分。カシオペアファンなら買いです。
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お値段 |
★★★ |
Pocket PC 2002搭載モデルとしては標準的な価格帯です。
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価格 |
6万円前後 |
現在リリースされているPocket PC 2002搭載PDAを見ると、SD/CFダブルスロットを搭載、操作系もほぼ同じ、CPUも一緒、と機能にそれほど差がないのが特徴。つまり、どれを買ってもまったく使えないとかさっぱり使い物にならないということはありません。メーカーの好みとかデザインの好みで選べるというのが嬉しいところで、Pocket PCも成熟してきたってことなんでしょうね。
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利用期間 |
半年くらい
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1日あたり単価 |
約328円
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・ ニュースリリース
http://www.casio.co.jp/release/e_2000.html
・ 製品情報
http://www.casio.co.jp/pocketpc/e2000/
・ カシオ、Pocket PC 2002搭載のPDA「カシオペア E-2000」
(伊藤 大地)
2002/04/03 19:55
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