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ThinkPadを拡張する「ウルトラベースX2」
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 多くのサブノートパソコンでは、必要最低限の周辺機器のみしか搭載されていない。たとえば、CD-ROMやフロッピーディスクなどのドライブは、サブノート本体には搭載されておらず、別途外付けのドライブを用意するのが一般的だ。こうしたドライブ類は、PCカードインターフェイスやUSBを利用して接続できるものもあるが、中にはThinkPadシリーズやVAIO 505Rシリーズなどサブノートとドッキングさせることで拡張する手段を提供してくれるものもある。今回は、ThinkPad Xシリーズなどに対応した、ドッキング型の拡張手段「ウルトラベースX2」を紹介してみよう。


サブノートには外付けドライブは必須

ThinkPadとウルトラベースX2

ThinkPadとウルトラベースX2
 多くのサブノートパソコンは、携帯性を重視しているため、拡張性に乏しいものがほとんどだ。USBやネットワークなどは標準で搭載されているものがほとんどなのだが、CD-ROM/RW、DVD、フロッピーディスクドライブといったいわゆるドライブ類が搭載されている機種は極めてまれ。ほとんどのサブノートパソコンでは、こうしたドライブ類は、自分で別途用意する必要がある。

 こうしたドライブ類のうち、CD-ROMを読み込むためのドライブは、アプリケーションやOSのインストール、プリインストール状態へのハードディスクへの復元など、利用する機会が多いので、CD-ROMあるいはDVD-ROMドライブが搭載されていないサブノートパソコンを使う場合は、必須の周辺機器だと言える。

 ところで、CD-ROMやDVD-ROMドライブをサブノートパソコンで使うときに、いくつかの選択肢がある。主にインターフェイスによる違いによるものだ。サブノートパソコンで外付けのドライブを利用するときは、PCカードインターフェースを利用するもの、USBインターフェースを利用するもの、そしてドッキングステーションなど専用のハードウェアを利用するものの3つの方法がある。PCカードやUSBインターフェースを利用して、外付けドライブを増設するメリットは、その汎用性にあるだろう。たとえば、サブノートを買い換えたとしても、ドライバさえインストールすれば、今まで使っていたドライブをそのまま利用することができる。

 さらに、サブノートパソコンの中には、拡張手段としてドッキングステーションと呼ばれるものをサポートしている機種がある。こうした機種では、サブノートパソコンをドッキングステーションにドッキングさせるだけで、ドッキングステーションに搭載されているさまざまな周辺機器をサブノートパソコンで利用できるというものだ。こうしたドッキングステーションは機種固有のものなので、別のサブノートを購入したときに引き続き利用できるという性格のものではない。しかし、専用に作られているため、非常に使いやすくなっているのも大きな特徴のひとつだ。

 というわけで、やや前置きが長くなってしまったが、今回はIBMのThinkPad Xシリーズなどで利用できるドッキングステーション「ウルトラベースX2」を紹介しよう。


ThinkPadシリーズを拡張する「ウルトラベース」

CD-RW/DVD コンボキットII

ウルトラベースX2 CD-RW/DVD コンボキットII
 ウルトラベースは、ThinkPad Xシリーズを拡張するための拡張ユニットで、ウルトラベースにThinkPad Xシリーズをドッキングさせるだけで、ウルトラベースに装備された各種周辺機器をThinkPadで利用することができるものだ。普段はThinkPad本体だけを持ち歩き、自宅あるいは会社ではThinkPadをウルトラベースにドッキングさせて、さまざまな周辺機器を使うといった柔軟な使い方ができる。一般的にサブノートパソコンは拡張性に乏しいといわれているが、こうしたドッキングステーションを併用すると、外出先ではサブノートパソコンの機動力を最大限に活かし、帰宅したらドッキングステーションを併用してデスクトップパソコン並みの拡張性で使うといったことが可能になる。

 ウルトラベースには2モードのフロッピーディスクドライブ、シリアル、パラレル、PS2マウスポートの3つのポート、電源供給のためのACアダプタ用プラグ、そして、ウルトラベイと呼ばれるデバイスベイが装備されている。

 ThinkPadをウルトラベースに装着すると、ウルトラベースに接続されたACアダプタから電源がThinkPadに供給される。机の上にACアダプタを接続したウルトラベースをおいておけば、外出先から帰ったときも、ThinkPadをドッキングさせるだけで、ThinkPad本体に電源を供給しつつ使うことができる。ThinkPadを持ち歩くときに、一緒にカバンにしまったACアダプタを引っ張り出して電源を接続なんていう面倒な手間なく使うことができるのは、かなり便利だ。

 ただし、ウルトラベイにはACアダプタは付属していないので、別途ACアダプタを用意する必要がある。ただ、ThinkPadを頻繁に持ち歩くような人は、持ち歩き用のACアダプタと自宅用の2つのACアダプタを用意しておけば、うっかりACアダプタを忘れて困ることもないため便利なのだ。

 また、ウルトラベースのPS/2マウスポートにあらかじめマウスを接続しておけば、ThinkPadをウルトラベースにドッキングしたときに、マウスが利用できる。また、シリアル、パラレルのデバイスも同様。プリンタなどをウルトラベースに接続しておけば、ThinkPadをドッキングさせたときに、すぐに使うことができる。


こっちにもUSBポートがほしい

 このように、電源供給だけではなく1回のドッキングの操作だけで、ドッキングステーションに接続されたすべての周辺機器が使えるようになるのはいちいちたくさんのケーブルを接続しなくてもいいので非常に便利だ。

 ただ、残念なのがウルトラベースにはUSBポートが存在しないこと。もちろん、ThinkPad本体にはUSBポートがあるので、USBの周辺機器を使うことができる。もし、ウルトラベースにUSBポートなりハブがあれば、それらのポートに接続された周辺機器もドッキングするだけで使えるようになるので、より一層便利になるハズだ。たしかに、シリアル、パラレルなどのレガシーポートは「あればそれなりに便利」なのだが、いまではそうした周辺機器はUSBにシフトしてきているので、ぜひともUSBポートも搭載してほしい。

 ちなみに、こうしたドッキングの操作に関してはホットスワップがサポートされているので、ThinkPadの電源が投入された状態で、ウルトラベイに装着すれば、ウルトラベイのすべての周辺機器がそのまま利用できるようになっている。

 ところで、ウルトラベースには、ウルトラベイと呼ばれるデバイスベイが装備されている。ウルトラベースを単体で購入すると、このデバイスベイにはなにもハードウェアが装着されていない状態だが、ここには各種の周辺機器を装着することができる。

 ウルトラベースのウルトラベイに装着できるのは、ウルトラベイ2000に対応したデバイス。ウルトラベイ2000に対応したデバイスには「CD-ROMドライブ」、「CD-R/RWドライブ」、「DVD-ROMドライブ」、「CD-RW/DVDコンボドライブ」、「セカンドハードディスクユニット」などさまざまな種類のものが用意されている。ドライブ単体の価格は、やや高めだが、用途に合わせてチョイスすることができるようになっている。

 デバイスベイへの各種デバイスの取り付けは非常に簡単で、マニュアルなどがなくても誰でも取り付け、取り外しができる。また、ドライブ本体の交換についてもホットスワップがサポートされていて、ThinkPad本体の電源が入ったままでも、デバイスの交換が可能だ。

 ウルトラベースのようなドッキングステーションは、拡張性が低いといわれているサブノートパソコンの拡張性を高めるということだけではなく、普段持ち歩いているサブノートパソコンを、自宅や会社の机で主力パソコンとしてより快適に使うための便利なもの。持ち運ぶときは軽くコンパクトに、じっくり使うときはデスクトップに負けない拡張性を手に入れることができる一石二鳥のアイテムだといえるだろう。

■ 評価(最高点は★5つ)

イバリ度 ★★ それほどイバれるってもんじゃありません。
実用性 ★★★★★ 極めて実用的です。ただ、ウルトラベースにUSBポートがついていればもっと便利になると思います。
お値段 ★★ ウルトラベース本体はそれほど高価ではありませんが、ウルトラベイ2000対応のデバイスを含めて購入するとやや高価かも。デバイスとウルトラベースがセットになったモデルもあります。
価格 2万9800円
(ウルトラベースX2
CD-ROMドライブキット)
次に購入するサブノートパソコンがThinkPadとは限らないので予想利用時間は1年。搭載されているポートに関しては、シリアル、パラレルだけじゃなくモニタやキーボードポートなんかもついていると、ほんとにデスクトップマシンの代わりに使うことができるので、もっと便利になるかもしれません。
利用期間 1年くらい
1日あたり単価 81円


・ ThinkPad X23 製品情報
  http://www-6.ibm.com/jp/pc/thinkpad/tpx2322/tpx2322a.html
・ ウルトラベースX2 製品情報
  http://www-6.ibm.com/jp/pc/option/obi/nob08/08n1180/08n1180a.html
・ ThinkPad用オプション一覧
  http://www-6.ibm.com/jp/pc/option/obi/tp08.html


(広野忠敏)
2002/02/27 12:49

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