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お買い物に便利 松下電器産業 「ポケットライブラリー」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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手のひらサイズの小型ボディ、256色表示カラーSTN液晶、SDカードスロット搭載と、なんとなくPDAかなと思ってしまうのだが、PDAとはちょっと違う。ポケットライブラリーは別売りのSDカードと組み合わせて、レシピを閲覧できる電子料理本ビューアなのである。今日はこの異色の製品をレビューしてみよう。
ポケットライブラリーは奥様向けPDA?
まずはポケットライブラリーの外観写真を見てもらおう。かなりPDAライクな感じだが、さにあらず。前述の通り、ポケットライブラリーはレシピ百科と呼ばれる別売りのSDカードと組み合わせて、レシピを閲覧できる電子料理本ビューアなのである。現在発売されているレシピ百科は「365レシピ」、「おそうざい」、「お菓子」、「季節の料理」の4種類。それぞれのSDカードをポケットライブラリーのSDカードスロットに挿入すれば、SDカードに記録されているレシピの情報をポケットライブラリーで参照することができるというわけだ。まあ、いわゆる電子料理本ということである。ちなみに、「365レシピ」には毎日の献立に役立つ365種類のレシピが、「おそうざい」にはお惣菜のレシピが100種類、「お菓子」はお菓子やパンなどが64種類、「季節の料理」は季節のイベントなどの料理が100種類登録されている。
レシピに表示される情報は、完成写真、カロリー、所要時間、材料、作り方など。材料については人数を指定することもできるようになっている。デフォルトの状態では1人分の料理を作るための材料が一覧表示されるが、これを4人分というように設定すると、4人分作るために必要な材料が表示されるという紙ベースの料理本では決してマネのできない機能も搭載している。また、お気に入りの機能もあり、表示したレシピを20種類までお気に入りに登録できる。お気に入りに登録したレシピは、本体の「お気に入り」ボタンを押すだけで簡単に表示可能だ。たとえば、作ってみたらかなり評判の良かったレシピや、手抜きして短時間で作れるレシピなどをお気に入りに登録しておけば便利に使えるはずだ。
「買い物メモ」機能を活用しよう
家庭の主婦が料理にかける作業。これは料理をしないものにとっては想像を絶する作業だ。毎日毎日違った献立を考えなければいけないし、料理を作るのも結構時間がかかるし大変なことだと思う。慣れているとはいえ、冷蔵庫の中の材料を使って違う献立を考えるとか、スーパーで献立を考えつつ買い物をするというのは、ある意味特殊技能ではないかと思う次第である。私自身一人暮らしの経験が長く、料理に関してもある程度のレパートリーは持っているので、料理に関して手間もヒマもかかるものなのは十分に理解できる。なので、「じゃあ毎日料理を作って」なんて言われると、間違いなく「パス」と答えてしまう。
そういう献立を考えるとか、料理を作るという作業をサポートしてくれるのがポケットライブラリーの製品としての位置づけだ。ポケットライブラリーがあれば、通勤の間のちょっとした時間があるときにレシピを見ることができるし、ポケットライブラリーでレシピを確認しつつスーパーでお買い物をすることもできるわけだ。まさに、仕事と主婦で忙しい現代の女性のためのアイテムだといえるだろう。あ、もちろん、料理をする男性も便利に使うことができます。あと、ダンナに買い物に行かせるツールとしても便利。後述する買い物メモを使う方法もあるし、「じゃ、豚肉と野菜の中華風いための材料4人前よろしく。豚肉はあるからね。」と言ってポケットライブラリーを渡せば、ダンナはレシピを確認しつつ間違いなくお買い物ができるというわけです。
ポケットライブラリーにはレシピを参照する機能のほかに、便利情報を参照する機能と買い物メモを登録する機能がある。便利情報にはあわせ調味料の作り方、旬の食材カレンダーなどの情報が格納されていて、いつでも参照できる。また、買い物メモは食材などを選んで登録する機能。買い物をするときにあらかじめ登録された買い物メモから購入した食材を削除していけば、買い忘れもなくなるというわけだ。
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レシピはもちろん画像入り。人数分の軽量もカスタマイズできる。
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将来に期待を感じさせる製品。逆引き機能はゼヒ欲しい!
ところで、ポケットライブラリーはその名前が示すとおり、電子料理本ビューアなのだが、だだの電子料理本ビューアになってしまっているのが残念な点ではある。もちろん、たくさんのレシピを手のひらサイズのビューアで見ることができるのは、紙ベースのレシピ本を使うよりはかなり便利。だけど、せっかく電子化するのだからもう少し発展性を持たせた方がいいのではないかと思ってしまうのだ。
たとえば、買い物メモ。買い物メモにアイテムを登録するときは、食材の一覧からアイテムを選んで登録するのみ。しかし、レシピの表示と買い物メモとでデータのやりとりができるわけではないため、レシピを確認して必要な材料を覚えてからいったんレシピの表示をやめて、新たに買い物メモ機能を使って登録をしなければならないのが面倒。たとえば、レシピから材料をダイレクトに買い物メモに登録できる機能や、すでに買い物メモに食材が登録されているときに、新たにレシピから買い物メモを登録すると食材や分量が加算されるような機能があればさらに便利に使えるのではないだろうか。
さらに、レシピの電子化の際にぜひ欲しい機能がある。それは、いわゆる逆引きレシピ。材料からレシピを検索するための機能だ。単純な食材、たとえば牛肉で何ができるかといった検索と表示はポケットライブラリーでもできるが、いくつかの食材がある場合にそれを組み合わせてどの料理ができるのかという検索はぜひほしい機能のひとつ。食材すべてというのは無理があるかもしれないけれど、肉類と野菜、魚に関しては逆引き検索は欲しい。そうした機能があれば、冷蔵庫の材料を登録しておいて、そこからどのような料理を作れるのかわかるので、かなり便利に使えるのではないだろうか。
ポケットライブラリーは同社のSDカード対応オーブンレンジ「お料理先生」(NE-SD10)のレシピ参照機能をポケットサイズで持ち運べるようにと開発された製品なのだ。そのためビューア+α程度の機能しかないのだが、いずれはレシピをさまざまな角度から検索できるだけではなく、SDカードやネットワークを使った白物家電製品間の情報の共有ができるようになるはずだ。たとえば、ポケットサイズのPDAに買ったものを入力するとオーブンレンジがそこから作れるものを表示してくれるとか、保存されている食材をチェックしてどういう料理が作れるか表示してくれる冷蔵庫なんてのも近い将来には現実となるはずだ。
なお、松下グループのECサイト「パナセンス」では「ポケットライブラリー」とSDカード「365レシピ」のセットを先着100名に限り期間限定でのモニター販売を行っている。本体とSDカードを別々に購入するよりもかなり安い価格なので、興味があれば行ってみて欲しい。
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カロリー一覧表や合わせ調味料の作り方も閲覧できる
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■ 評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★ |
あまりイバれるような製品ではないと思います。が、持っていれば珍しがられるかも
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実用性 |
★★★★ |
とても実用的。ポケットライブラリーに表示されたレシピを見ながら買い物をするとか、レシピを見ながら料理を作るときも便利に使えます。
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お値段 |
★★★★★ |
PDAじゃないから比較にならないほど安価。
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価格 |
本体1万6000円 料理百科は1枚4000円 |
ポケットライブラリーは単なるビューワですが、近い将来にはレシピデータベースが搭載された主婦向けPDAなどもリリースされるでしょう。逆引きできるレシピデータベースやオススメレシピが表示されるカレンダー、お買い物専用ToDoリストなんてのもきっと搭載されているんでしょうね。
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利用期間 |
1カ月
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1日あたり単価 |
666円
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・ 製品ニュースリリース
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn011115-1/jn011115-1.html
・ 松下、SD対応の電子料理本ビューワー
・ パナセンス
http://www.sense.panasonic.co.jp/
(広野忠敏)
2002/01/16 17:38
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