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デジタル複合機を買う! ブラザー工業「MFC-6800J」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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デジタル複合機とはFAX、コピー、スキャナ、プリンタなどが1つにまとまった機器のことである。普通のFAXならどのようなものにも原稿を読み取るという機能、印刷をするという機能を持っているので、原稿を読み取るというスキャナの機能、原稿を読み取って印刷するというコピー機能、そして印刷をするというプリンタの機能が複合されているのも理にかなっている。それになんといっても1台ずつ買うよりは複合機にしたほうが安価になることが多いのだ。今回はあまり一般には知られていないデジタル複合機の便利な部分を中心にレビューしていくことにしよう。
FAXが壊れてしまいました
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単体で使えばモノクロFAXとモノクロコピー。パソコンに繋げばレーザープリンタとカラースキャナとして使うことができる優れもの。ただし、大きさは459×458×354mmとかなり大きい
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私は仕事柄FAXを使うことが多い。送信、受信ともにである。いままでは感熱記録紙を使ったいわゆるフツーのFAXを使っていたんだけど、先日お亡くなりになってしまいました。まあ、6年以上現役で働いていたので寿命といえば寿命。仕事柄週に1~2回程度FAXを送受信する必要があり、FAXがないととても困った状況になる! ということで、次期主力FAXを探すことにしました。そのときに目についたのがいわゆる複合機というヤツ。複合機とはFAX、コピー、スキャナ、プリンタが1つに集約された機器のこと。もともとどんなFAXにも原稿を読み取る部分(スキャナ)と印刷をする部分が(プリンタ)があるのだが、複合機は、それぞれの機能をパソコンに接続することでそれぞれ独立して使ってしまおうというもの。つまり、単体で使うときはFAXやコピーとして、パソコンに接続すればスキャナやプリンタとして使えるのが複合機なのである。まあ、元々FAXに搭載されているスキャナやプリンタとしての機能を有効活用するので、極めて理にかなっているといえる。いろいろな機能を複合して搭載しているため、複合機と呼ばれているらしい。
複合機の数は多くはないが、プリンタメーカーからいくつかの機器がリリースされている。現在はモノクロレーザープリンタとして使えるものとカラーインクジェットプリンタとして使えるものの2種類が主流。FAX部分については、レーザープリンタを搭載しているものは普通のモノクロFAXとして、カラーインクジェットプリンタを搭載しているものはカラーFAXとして使えるものがほとんど。パソコンから印刷するときは、レーザーはモノクロ、インクジェットはカラー印刷が可能である。ただし、スキャナとして利用するときは、どちらもカラースキャナとして使うことができる。
そんなわけで、プリンタメーカーのホームページや量販店に出向いて色々な機種をチェックして浮上してきたのが、ブラザー工業の「MFC」シリーズなのだ。MFCシリーズにはプリンタ部にインクジェットプリンタを搭載したカラーFAXとレーザープリンタを搭載したモノクロFAXの2つのラインナップがあり、さらには給紙方式が違う機種などもあり、色々なニーズにあった機種を選択できる。
レーザープリンタとフラットベッドスキャナ搭載の「MFC-6800J」
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自動給紙ユニット(ADF)を上に持ち上げると、フラットベッドスキャナとして利用することもできる。厚い原稿や書籍などをコピー、スキャン、FAXができる
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MFCシリーズの中でも特に目に付いたのは「MFC-6800J」と「MFC-5100J」の2つの機種。どちらも自動給紙(ADF)による原稿の連続読み取りと、フラットベッドを使った原稿の読み取りができる機種である。そのため、普通の単票用紙のコピーや読み取り、FAX送信をするだけではなく、厚みのある用紙や書籍などのコピー、読み取り、FAX送信ができる点がエラい。ただし、フラットベッドスタイルを採用しているため、本体の大きさはプリンタに比べてやや大きい。そのため、設置する場所に気をつけなければいけないという問題もある。幸いなことに設置場所についてはなんとか確保できることがわかったが、複合機や大き目のプリンタを購入するときは設置場所についても気をくばっておきたい。なんといっても、買ったのはいいけど置けないという事態は避けたいですから。
印刷方式は「MFC-6800J」がレーザー方式(モノクロFAX)で、「MFC-5100J」がインクジェット方式(カラーFAX)である。どちらを選ぶかという問題が残っているが、カラー印刷をする機会がそれほど多くないということと、レーザープリンタを使う機会が多いこと、インクジェットはレーザー方式に比べてインクの目詰まりなどメンテナンスに気を使わなければいけないなどの理由から、レーザー方式の「MFC-6800J」を選択することにした。なお、MFC-6800Jの詳しい仕様については、ここもあわせて参照して欲しい。
MFC-6800JのFAX機能に関してのセットアップは非常に簡単。MFC-6800Jに電話線を接続して、本体のパネルから初期設定をするだけ。これだけの作業で、普通にFAXを送受信することができるようになっている。本体にはタブロイドサイズのスタートアップガイドが付属しているが、それを見ながらセットアップすれば間違いは起きないハズだ。
また、外付けの電話機もサポートしていて、FAXと音声による通話の切り替えや、FAX以外の通話のときに外付けの留守電に応答してもらうという設定が可能だ。つまり、外付けの電話機があれば、1回線で音声とFAXの両方を使うことができるわけだ。家庭用FAXにはそれ自体に留守電やコードレス電話の機能も持つものも多いが、複合機は元々がビジネス用途なので、そうした機能はスポイルされている。
FAXの受信や送信は本体に搭載されたメモリが有効活用される。送信時にはすべての原稿がいったんメモリに読み込まれてから送信が開始される。また、受信時には原稿がメモリに保存されてから印刷が実行されるようになっている。受信時に給紙ミスなどで印刷ができないときでも、受信した原稿はメモリ内に残るようになっているため、再度セッティングし直さずとも印刷できるのはうれしい配慮だといえる。
MFC-6800Jをコピーとして利用するときも操作は簡単。自動給紙ユニット(ADF)に原稿をセットして本体の「コピー」ボタンを押すだけ。自動的に原稿を給紙してコピーが行われる。また、本体のカバーを空けて、フラットベッドに原稿をおいてコピーをすることも可能だ。ちなみに、拡大縮小などの機能もサポートしている。
パソコンと繋げばさらに便利に
単体でMFC-6800Jを使えば、FAXの送受信とモノクロコピーができる。だが、パソコンとMFC-6800Jを接続すればさらに色々なことができるようになる。
パソコンとのインターフェイスはパラレルとUSBの両方をサポート。Windowsパソコン、Macintoshの両方をサポートしている。これについては、どちらかのインターフェイスが有用になるというわけではなく、両方を一度に使うことができるようになっているのもうれしい。たとえば、パラレルインターフェイスにWindowsパソコンを、USBインターフェイスにMacintoshを同時に接続しておけば、両方のパソコンから印刷をすることができるのだ。
MFC-6800Jをパソコンに接続して、ドライバをインストールすればレーザープリンタ&スキャナとして利用することができる。ちなみに、プリンタ部は600×600dpi、印刷速度は10ppmとかなりの高速印刷が可能。スキャナ部は600×2400dpi、24bit階調で入力できる。本体にはEasy to Scanボタンがあり、ドライバをインストールしておけば本体のボタンを押すだけでアプリケーションの起動と原稿のスキャンを実行してくれる機能もサポートしている。
プリンタに関してはネットワークプリンタとして利用することもできる。プリンタをパソコンに接続しておけば、LAN経由で別のパソコンからも印刷することが可能だ。ただし、スキャナとして使うときは、ネットワーク経由でのスキャンはできずに、USBまたはパラレルインターフェイスで直接接続したパソコンのみで利用できる。
さらに面白いのが「PC FAX送信」機能。パソコンで作成した書類をFAXするときは、まず書類を印刷してから、印刷結果をFAXで送信するという方法がポピュラー。だが、PC FAX送信機能を使えば、書類を印刷しなくても直接パソコンからFAX送信をすることができる。MFC-6800Jのドライバをパソコンにインストールすると、プリンタとFAXの2つのプリンタドライバがインストールされる。アプリケーションからプリンタへ印刷すると、レーザープリンタを使った印刷が実行されるが、FAXへ印刷をするとレーザープリンタで印刷されるのではなく、印刷イメージを直接FAXすることができるようになっているのである。この機能を使えば、紙を無駄に使わずにFAX送信ができるので非常に便利な機能だといえる。ちなみに、PC FAX機能もMFC-6800Jと直接接続したパソコンのみで利用できる。
このようにMFC-6800JはFAX、カラースキャナ、コピー、プリンタ、そしてパソコンからの直接のFAX送信と1台で5役、非常に多機能な複合機なのだ。FAX、スキャナ、プリンタをそれぞれ用意すればかなりの出費と広い設置場所を確保しなくてはいけない。その点複合機ならば1台で全部使うことができるので便利だ。もし、プリンタとFAXの両方を買い換えたいとか、FAXの利用頻度はそれほど多くないからFAXをプリンタとしても使えれば便利だと思っているならば複合機を購入する価値は十分にあるといえるだろう。
■ 評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★ |
人に見せて喜ぶようなものではないので、イバり度はあまり高くありません。
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実用性 |
★★★★★ |
極めて実用的。FAXとプリンタの両方が欲しいとか、プリンタとスキャナの両方が欲しいならば、それぞれ単体で購入するよりも便利でおトクです。
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お値段 |
★★ |
値段を見るとやや高価に思えるけれど、プリンタやスキャナ、FAXをそれぞれ単体で購入するのに比べるとかなり安いです。
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価格 |
10万5000円
ブラザーダイレクトクラブにて |
FAXもプリンタもそんなに頻繁に買い換えるという性格のものではないので利用期間は5年としました。ちなみに、アフターサービスがしっかりしているのも購入のポイント。故障時には48時間以内に回収を手配してくれるほか、7日以内の修理完了を保障。さらには貸出機も用意してくれるという「ブラザーサービスエクスプレス」の利用が可能なのだ。
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利用期間 |
5年
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1日あたり単価 |
57円
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・ MFC-6800J 製品情報
http://www.brother.co.jp/jp/mfc/info/mfc6800j/mfc6800j_ove.html
・ ニュースリリース
http://www.brother.co.jp/jp/news/mfc9800j/index.html
(広野忠敏)
2001/12/26 14:34
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