ケータイ Watch
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おとなのおもちゃタイトルGIF
ケータイとつながるキーボード カシオ「LK-250it」
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 えーっと、ケータイとつながるキーボードと聞いて、ケータイにつないでメールの文字を簡単に入力するためのキーボードでしょ。と、想像したあなた。残念でした。それは違います。キーボードはキーボードでも今回のお題は文字を入力するためのキーボードではなく、音楽を奏でる方のキーボードなのである。カシオのLK-250itはケータイとつながるキーボードだ。いったいケータイとつなぐことで何ができるのだろうか。


光ナビゲーションキーボードでレッスン

 カシオの光ナビゲーションキーボードは、音楽に合わせて鍵盤が光るというメカニズムがウリのキーボードである。光る鍵盤をタイミング通りに叩いていくだけでキーボードが弾けるようになるかもしれないという、とても素晴らしい製品なのだ。つまり、楽譜を読めないけどキーボードを弾いてみたい人、楽譜はなんとか読めるけれど楽譜だけではいまいち不安という人をターゲットにしたキーボードだといえる。

 ここで簡単に光ナビゲーションの仕組みを紹介しよう。LK-250itにはあらかじめさまざまなジャンルの楽曲が約100曲登録されている。弾きたい曲を選んでスタートボタンを押すと、演奏が開始されるのだが、このときに音符にあわせてキーボードが光りつつ自動演奏される。キーボードが音符にあわせて光るさまを見ていると、まるで音符にあわせて鍵盤が叩かれる自動演奏ピアノのように思えてしまうから不思議である。ちなみに、照明を落としたリビングなんかで自動演奏させると、ちょっとオシャレな空間を演出することもできるのもオススメな点ではある。薄暗い空間にラブソングにあわせて光る鍵盤。そしてワインをかたむける。なんてけっこう良いシチュエーションだと思いませんか?

 自動演奏してくれるという芸(けっこう感動)を持つ光ナビゲーションだが、これはキーボードを演奏する際のレッスンに使うこともできるようになっている(というかそちらがメインである)。レッスンモードは3ステップ。1つは音符のタイミング通りに鍵盤(どの鍵盤でもいい)を弾くことで、伴奏を伴いつつ演奏ができるモード。鍵盤を弾くまでは伴奏は待ってくれるので、どんな複雑な曲でもリズムさえしっかり覚えておけば、指一本で演奏することができる。たとえば、登録曲には「スターウォーズのテーマ」なんてのもあるのだが、指一本つかって「たたたたーんたーんたたたたーたー」とやるだけで、まるでX-Wing Fighterが飛んでゆくがごとくスピーディーに演奏ができてしまう。


 ステップ2は正しい鍵盤を叩くまで伴奏と光ナビゲーションが待ってくれるモード。リズムを覚えたら、ゆっくりと鍵盤を弾くことで演奏曲を覚えるわけだ。たとえ弾く鍵盤を間違えても伴奏は待ってくれるのでゲーム感覚で心ゆくまで練習できるのだ。ただし、リズムに乗らずにあんまりモタついていると、本人はちゃんとした曲のつもりでも、周りで聴いているとさっぱり曲になっていない単なる迷惑という現象が発生する。

 ステップ3は光ナビゲーションも伴奏も待ってくれないモード。つまり、伴奏にカンペキにあわせた演奏が要求されるモードである。指がもたもたしていると完璧に伴奏においていかれるという非情なモードだ。

 この3つのモードを右手、左手、さらには両手のパートでそれぞれで使うことができるのも面白い点の一つ。右手、左手それぞれを練習してから、両手で練習するといった使い方もできるし、とりあえず苦手パートだけを集中トレーニングするとか、あるいは左手パートはLK-250itにおまかせして右手パートだけで演奏するといった楽もできるのである。

 さらに、LK-250itは大型の液晶パネルにリアルタイムに楽譜を表示してくれる機能もある。この楽譜は光ナビゲーションのタイミングにあわせて表示が切り替えられつつ、弾いている音符にはカーソルが表示されるようになっている。カーソルが音符を追いかけてくれるので、楽譜の読み方がいまいちわからないなんて人でも、音符のタイミングがわかるというわけだ。また、液晶パネルは「運指」表示に切り替えることもできる。これは上段に楽譜が下段には鍵盤が表示されるモードで、指の番号によってどの指でどの鍵盤を弾けばよいのかを指示してくれるもの。この表示モードと光ナビゲーションによるガイドを使えば、かなり本格的なキーボードのレッスンができるというわけなのである。


で、ケータイとつないでどうする

 そんなわけでLK-250itは、たとえキーボードが弾けなくても、自動演奏をぼーっと聞いているだけでも楽しめるし、光ナビゲーションや楽譜表示機能などを使えばレベルに合わせてキーボードの練習もできる。ただ、感覚としてはキーボードの練習というよりは、ゲームに近いものがあるのでついついハマってしまうこと必至ではある。けっこう音符の細かい曲とかトリル使いまくりの曲なんてのをステップ1の指一本モードでもリズムが狂わずに弾けたときは、けっこう感動してしまって、まるで自分がキーボードを弾けるような気分にもなれてしまうのだ(弾けないけど)。あと、テンポをめっちゃ早くして細かい音符の楽曲を弾くといった遊びもできます。

 ところで内蔵の曲はJ-POP、クラシックなどかなり幅広いジャンルから100曲が登録されている。しかし、いくら100曲とはいえ、いずれは飽きてしまうだろう。また、クラシックはいいからとにかくJ-POPが欲しい(練習したい・弾きたい)という人もいるハズだ。そんなワガママな要求に答えるのが、ケータイの接続なのである。ケータイを接続すると、何ができるのかというと、専用のコンテンツから楽曲をダウンロードして、自動演奏を楽しんだり、練習したりということができるのである。

 対応するケータイはPDC方式のみ。cdmaOneやPHSは接続することができない。本体に付属している携帯電話接続ケーブルでケータイにつなぎ、キーボードを設定したあとで「携帯通信」ボタンを押すと、ケータイで通信を行ない、液晶画面には「カシオ ミュージックサイト for ケータイ」のコンテンツが表示される。「カシオ ミュージックサイト for ケータイ」には、さまざまな楽曲が登録されていて、LK-250itとケータイを使ってこのコンテンツにアクセスして楽曲を購入、LK-250itにダウンロードできる。つまり、LK-250itで演奏できるレパートリーを増やすことができるのである。なお、LK-250itには80曲分のダウンロードエリアが用意されているが、ダウンロードした楽曲はスマートメディアに保存することもできるため、事実上ダウンロード数は無限だといえる。


 ケータイとつなぐとこんな感じ  PDCなのでアクセスにはけっこう時間がかかる

 「カシオ ミュージックサイト for ケータイ」には「アドバイス付き楽譜ナビ(1タイトル600円)」、「楽譜ナビ(1曲130円または200円)」、「メロディーマスター(1曲200円)」の3つの種類の楽曲が用意されている。「アドバイス付き楽譜ナビ」は楽譜データと曲データに加えて、運指の練習方法や弾き方のアドバイスが含まれた総合コンテンツ。液晶画面には楽譜が表示されるだけではなく、さまざまなレッスン方法のガイダンスなどが表示される。真剣にキーボードを弾いてみたいとか練習したい人にはオススメのコンテンツだ。「楽譜ナビ」は楽譜と曲データが含まれたコンテンツ。とりあえず、自動演奏のレパートリーを増やしたいといった人や、楽譜さえあれば大丈夫という人はこちらを購入すればいいだろう。「メロディマスター」は現在は700曲と最も豊富な楽曲数のコンテンツ。楽譜の表示はできないが、光ナビゲーションを使うことは可能だ。なお、コンテンツの決済方法は「WebMoney」またはSo-netが提供している決済サービス「Smash」のどちらかを利用することができる。

 ところで、LK-250itは61鍵のモデルなので、本格的にピアノ譜を弾こうと思うと鍵盤が足りなくなる。自動演奏マシン&インテリアとしても楽しみたいということに加えてピアノ譜も弾きたいというならば上位モデルのLK-350it(76鍵モデル)がおすすめだ。


利用には会員登録が必要
あゆもモー娘。もばっちりだ

■ 評価(最高点は★5つ)

イバリ度 ★★★★★(スキルによる) 見せびらかせる人がいれば、自動演奏でイバれます。腕に自信があれば、胸をはってイバりましょう。
実用性 ★★★★ 光ナビゲーションはきれい。とりあえずキーボード弾けなくても楽しめるので、楽器にしては実用性は高いと思います。
お値段 ★★★ うーん、この手のジャンルには弱いので、高いようにも思えるし、安いようにも思えます。ただ、本格的なキーボードやピアノに比べたら、そりゃもうめっちゃ安価なのですが……。
価格 6万3000円前後 ちょっと気が早いけど今年のクリスマスにでっかいクリスマスツリーを飾って、ケータイでクリスマスソングをダウンロードして光ナビゲーションで自動演奏させる。クリスマスツリーのイルミネーションと光ナビゲーションとでかなり幻想的。来年もきっと同じパターンで大丈夫。再来年はさすがに飽きる予定なので予想利用時間は2年くらいにしてみました。
利用期間 2年くらい
1日あたり単価 86円


・ ニュースリリース
  http://www.casio.co.jp/release/lk250it_350it.html

カシオ、携帯とつなげば楽譜をダウンロードできる電子キーボード


(広野忠敏)
2001/10/24 12:01

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