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まさに最強のCLIE ソニー「CLIE PEG-N750C」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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MP3再生機能や6万色表示のTFT液晶搭載など、マルチメディア機能が一層強化されたCLIEの最上位機種「PEG-N750C(以下N750C)」がいよいよリリースされる。一足早く製品を評価する機会があったので、CLIEがどう変わったのかレポートしてみよう。
充実のマルチメディア機能
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PEG-N750Cは、最新のPalm OSに加え、音楽再生機能と高精彩液晶をも搭載する、Palm OS搭載機中最強ともいえるPDAだ
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ご存知だとは思うがソニーのCLIEはPalm OSが搭載されたPDAである。今回リリースされるN750CはCLIEシリーズの最上位モデルだ。
N750Cのポイントは2つある。1つは6万色表示の320×320ドット反射型TFT液晶を搭載していることと、もう1つはオーディオ機能が搭載されていること。画像ビューワ「PictureGear Pocket」を使えば、N600Cと同様に高精彩な6万色のTFT液晶で非常に美しい画像表示を楽しむことができる。また、N600Cにも搭載していた「Photo Stand」と呼ばれるアプリケーションも搭載している。これは、CLIEに画像を表示させておき、クレイドルに立てた状態でCLIEを写真立てにするためのもの。あったらとてもウレシイというアプリケーションではないが、こういった一見ムダに思えるアプリケーションにソニーらしさを感じてしまうのは私だけではないはずである。
ちなみに、液晶の視認性は極めてよい。明るい場所では、フロントイトが完全に消灯した状態でも問題なく操作できるし、暗い場所ではフロントライトを点灯すればやはりまったく問題なく操作が可能である。CLIE(初期型は除く)の特徴であるところの高精細なフォントとの相乗効果もあるだろうとは思うが、画面はとてもキレイだ。
オーディオ機能については、CLIEの目玉とも言える機能のひとつだが、N750Cでは従来モデルのようにATRAC3形式の音楽再生だけではなく、MP3形式の音楽再生が新たにサポートされている。ATRAC3形式の音楽を再生するためには、MagicGateに対応したメモリースティックが必要で、パソコンにインストールしたOpenMG JukeBox経由で音楽データをチェックインする必要があるが、MP3形式の音楽再生機能はATRAC3のように面倒な手順は必要ない。
MP3形式のデータを再生したいときは、MagicGate非対応の普通の紫メモリースティック(MagicGate対応メモリースティックでも可)にMP3データをコピーしておけば、N750Cのオーディオプレーヤー「Audio Player ver.2.1」で再生することができる。既にMP3データのストックがたくさんあって、CLIEでも音楽を再生したいという人は、わざわざMP3データをATRAC3に変換する必要がないので便利に使うことができる。ただ、カタログスペックによるとすべてのMP3データが再生できるというわけではない、実際にどのようなデータが再生できないかということは正式にはアナウンスされてはいないが、試してみたところビットレートが128kbpsを超えるデータについては正常に再生することができなかった。
気になる連続再生時間は、カタログによるとディスプレイ表示時は約3時間、ディスプレイを消しておけば約11時間の再生が可能とのこと。ただ、音楽を聴きまくって、必要なときに肝心のPDA機能がまったく使えなくなって悲しい思いをするということも容易に予想できるので、音楽再生はほどほどにしておいた方がいいだろう。ちなみに、ネットワークウォークマンや音楽再生プレーヤー内蔵ハイブリッド携帯(C404S/SO502iWM)のユーザーならば、CLIEを購入することによってメモリースティック音楽プレーヤーが1コ増えることになるので、予備の音楽再生ツールとしても使えるCLIEはそれなりに便利なアイテムだといえるだろう。
最新のPalmOS 4.1を搭載
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N750Cの液晶解像度は320×320ドット。他のPalm OS搭載機に比べて、文字の表示が格段に読みやすくなっている
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ところで、N750Cに搭載されているOSはPalm OS 4.1。N600CがPalm OS 4.0搭載だったので、現時点では最新のOSを搭載しているわけだ。実際に使ってみると非常にキビキビした動作をするのが特徴だ。元々Palm OSを搭載したPDAは、比較的素早い動作をすることで定評があるが、N750Cではさらにそれを加速したという感じがする。現時点では最強のPalm系PDAだといえるだろう。
気になる付属ソフトだが、AudioPlayer以外はN600Cとほぼ同じ内容だ。アドレス帳、予定表、ToDo、メモ帳、電卓、支払いメモといったPIM機能に加えて、予測変換機能が搭載された「ATOK」、メールソフト「CLIE Mail」、地図ビューワ「Navin You Pocket」、画像ビューワ「Picture Gear Pocket」、ウェブブラウザ「Xiino」、動画ビューワ「gMovie」などを付属。CLIE Mail、gMovieなどはN600Cと比べるとバージョンアップされたものが搭載されている。また、シンクロソフト「Intellisync Lite for SONY CLIE」は、メール・予定表・アドレス・ToDo・メモ帳といったPIM機能もOutlookとシンクロできるようになっている。
ちなみに、N750C本体の大きさは118.5×71×16.8mmで重さは160g。この大きさと重さはN600Cとまったく同じである。バッテリーにはリチウムポリマー電池を採用しており、通常使用で約15日間使用できる。このあたりも、実はN600Cとまったく仕様だったりする。
従来のCLIEユーザにも朗報
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クレイドルなどの周辺機器のほとんどは、N700CやN600Cと共通のもとを使える。コネクタ形状自体はS500CやS300とも同じなので全CLIEシリーズ対応の外付けキーボードなどの製品がサードパーティから発売されている
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というわけでCLIEの最上位機種としてN750Cが登場したわけだが、従来のCLIEユーザにも嬉しいサービスも2つある。1つはN700Cユーザを対象としたOSアップグレードサービス。これは、N700CのOSを750Cと同等のPalm OS 4.1にアップグレードするものだ。詳しくはアップグレードサービスについてのホームページを見ていただくとして、これはN700Cユーザにとって嬉しいサービスだ。
もう1つは「オーディオアダプター PEGA-SA500」これは、リモコン付きのヘッドフォンとMP3変換ソフト「RealJukubox2 Basic for Sony」、音楽再生ソフト「Audio Player for Adapter」のセット。このアダプタを購入することで、N600Cなど音楽機能の付いていないCLIEでもMP3を再生できるようになる。ただし、オーディオアダプタはATRAC3には非対応だ。ちなみに、オーディオアダプターの対応機種は「PEG-N600C・PEG-S500C・PEG-S500C/D・PEG-S300・PEG-S300/D」。旧型CLIEでどうしてもMP3を再生したいという人は検討の価値があるアクセサリだといえる。
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★ |
N700Cユーザーには液晶とOSをイバれる、N600Cユーザーには音楽再生機能をイバれる、S500C/S300ユーザーに対してはすべてイバれるというとてもソニーらしい製品です。
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実用性 |
★★★ |
PDAにもなり、音楽再生もでき、VAIOと連携すればテレビも見れるというわけで、それなりに実用的。
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お値段 |
★★★★ |
N600Cと比較すると5000円程度高い。だけど、+5000円でネットワークウォークマン相当の音楽プレーヤーが付属すると考えればかなりオトク感もあります。
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価格 |
4万9800円 |
ちょっとフクザツになりつつある現行CLIEラインナップをここでおさらい。「PEG-S500C/PEG-S300」はCLIEの初代モデル。S500Cがカラー、S300がモノクロのモデルです。N700Cはデザインが一新され、AudioPlayerが搭載されたモデル。そして、N600Cが6万色TFT液晶搭載でPalmOS 4.0搭載、音楽再生機能がないモデル。つまり、今回リリースされたN750Cは、N600CとN700Cの両方のいいとこ取りをしたものだといえるでしょう。S500C/S300ユーザなら間違いなく買い。N600C/N700Cユーザはそれぞれの弱点となる音楽機能や液晶表示に不満があるなら買いだといえるのでは。でも、またすぐに新しいモデルが出るんでしょうねぇ。
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利用期間 |
10カ月くらい |
1日あたり単価 |
166円 |
・ CLIEの製品紹介ページ
http://www.sony.co.jp/sd/CLIE/
・ PEG-N700CのOSアップグレードサービスについて
http://www.sony.co.jp/sd/CLIE/info/20010911.html
(広野忠敏)
2001/09/19 14:45
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