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撮ったその場ですぐにプリント「キヤノン 写プリキット CPK-A10」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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デジカメの用途というと、やっぱり手軽に使えるというところから、写真をデータとして保存するのがほとんどだと思う。プリントサービスもあるし、最近のカラープリンタを使えば、もちろんデジカメで撮影した写真を紙にして保存することだってできる。だけど、意外と面倒なのも事実だし、ランニングコストもけっこうかかってしまう。と、そんなことを考えているときに見つけたのがキヤノンの「写プリキット CPK-A10」。これは、デジカメ「PowerShot A10」と「カードフォトプリンタ CP-10」のセットで、デジカメとプリンタを繋ぐだけで撮影した画像をプリントできる、けっこうナイスなセットなのだ。
めっちゃお手軽なダイレクトプリント
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PowerShot A10
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「PowerShot A10」の仕様などはココを見ていただけると手っ取り早いが、A10は130万画素のCCDを搭載したいわゆる中級機に属するデジカメである。実際に使ってみると、デジカメよりカードフォトプリンタの方が楽しかったので、そちらについて重点的にレビューしていきたい。
「カードフォトプリンタ CP-10」(以下CP-10と略す)の一番の特徴は、面倒な操作を一切せずにデジカメとCP-10をケーブルで接続するだけで、とてもお手軽にプリントができることだ。ちなみにCP-10とダイレクトに接続できるデジカメは、いまのところ「PowerShot A10/A20」と「IXY DIGITAL 200/300」となっている。
どれだけお手軽なのかというと、もうとにかくお手軽、とてもお手軽、非常にお手軽なのである。まずは、CP-10にインクカセットとペーパーを装着。次に、先ほどの対応デジカメを専用ケーブルに繋いで、デジカメの方でプリントしたい写真を選ぶ。そして、デジカメの[SET]ボタンを押す。たったこれだけの操作で約1分後には、カードサイズの用紙に印刷された写真ができあがるのである。というわけで、かなりお手軽なのである。ちなみに、パソコンとプリンタを使ってデジカメで撮った写真をプリントしようとすると、まず、データをパソコンに転送、印刷用ソフトあるいはレタッチソフトを起動してデータを読み込み、そして印刷するといった面倒な手順を踏まなければいけない。それを考えると、CP-10はパソコンで印刷するのとは比べる余地もないほどお手軽だといえる。
ちなみに、CP-10はフチあり、フチなし、8分割シールへの印刷が可能。プリンタ本体の仕様についてはここを見ていただけると詳しく書かれている。印刷方式は昇華型熱転写方式で、解像度は300×300dpi、フォトプリンタとしては可もなく不可もないという感じではある。だけど、やっぱりお手軽なのはお手軽なのである。ちなみに、フチなしの場合は86×54mm、フチありのときは66.6×50mm、8分割シール紙を使ったときは、シール1枚あたり22×17.3mmのサイズになる。
CP-10本体の大きさは、108×125×47mm(横×縦×厚)、重さは510gということでプリンタにしては極めてコンパクト。容積で考えるとPowerShot A10を一回り大きくしたぐらいの感じである。用紙カセットを外すと、本体は完全な立方体になるので、持ち運ぶのも意外と簡単だったりする。なお、キヤノンではCP-10か写プリキットを買うと、CP-10専用のオリジナルキャリングバックがもらえるキャンペーンをやっている。
でも、電源が問題
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カードフォトプリンタ CP-10
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そんなわけで、CP-10はメーカーでキャリングバッグが当たるキャンペーンをやるほどに、コンパクトなプリンタなのだ。しかし、ここには1つだけ落とし穴が存在するのも忘れてはいけない。デジカメとCP-10を一緒にどこかに持っていって、ひたすら写真を撮りまくったとしよう。このときの被写体はキレイな女性ならなお可。で、ひたすら写真を撮った。「じゃあここでプリントしてあげるね」という展開は容易に予測できるハズだし、こういう使い方ができれば、意外と需要も多いとは思う。8分割シールにプリントして、いわゆる自家製プリクラゴッコもできてしまうわけだしね。
だが、ここで問題が発生するのだ。どういった問題か。それは、電源なのである。たとえばカノジョとツーショットの写真をデジカメで撮影して、さー、CP-10でシールにしてその場であげちゃおうとか思っても、ナンパした女のコの写真をその場で撮ってプリントしてあげちゃって話を繋ごうとか思っても、AC電源がないとプリントできないのである。これが、CP-10の最大の弱点だといえるだろう。
CP-10には標準でACアダプタが付属するが、今のところAC電源でしか使えないのだ。おまけに、このACアダプタがけっこうデカい。ACアダプタの大きさはA10より一回り小さい程度。つまり、A10とCP-10、ケーブル、そしてACアダプタを持ち歩くことを考えると、けっこうな重装備になってしまうのである。せめてACアダプタがコンパクトだったらいいんだけどね。
こんなにお手軽にプリントができるわけだし、せっかく本体がこんなにコンパクトなんだから、バッテリーで動作すればそれこそ無限の使い道を考えることができるハズなのだ。しかし、AC電源でしか使うことができないため、使えるフィールドが電源を確保できる場所に限られてしまうというわけ。とはいえ、電源さえ確保できれば、けっこう楽しいことには変わりないのだが。7月にはCP-10専用のカーバッテリアダプタが発売されるので、これがあれば、CP-10を使えるフィールドも広がるハズだ。ああ、でも、CP-10がバッテリーで動いたらもっと便利になるのになあ……。
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★ |
外出先でイバろうと思ったんですが、うっかりACアダプタを忘れたためにイバることができませんでした。
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実用性 |
★★★ |
かなりお手軽。すごくお手軽。なので、かなり実用的だといえるでしょう。 |
お値段 |
★★★ |
写プリキットは7万9800円。PowerShot A10の価格は4万9800円。CP-10は3万円なので、単体で買ってもセットで買っても値段は変わりません。ただ、CP-10の3万円という価格は、お手軽さを考えると、安価だといえるでしょう。
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価格 |
7万9800円 |
お手軽に使えるものや、単機能なものはけっこう飽きるのも早いので、60日くらいは楽しめるのではないかなと…。ただ、すでにPowerShot A10/A20、IXY DIGITAL 200/300を所有しているユーザーなら買っておいても損はしません。CP-10をバッテリーで使えたらもっと便利なんですけどねえ。 |
利用期間 |
60日くらい |
1日あたり単価 |
1330円 |
・ キヤノン
http://www.canon.co.jp/
・ 写プリキット CPK-A10の製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/digicam/ps-a20/shapri.html
・ PowerShot A10の製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/digicam/ps-a20/index-j.html
・ CP-10の製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/digicam/cp-10/index-j.html
・ 「写プリしよ! キャンペーン」
http://www.canon-sales.co.jp/Product/digicam/cp-10/campaign.html
(広野忠敏)
2001/06/20 00:00
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