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プレステでiモードを楽しもう「携帯電話接続ケーブル」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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この連載はケータイ Watchに掲載されているのにも関わらず、さっぱりケータイネタじゃなかったりして、強烈に私の趣味に走っているという状態ではあるのであるが、今回は久しぶりにケータイ関連製品のネタである。取り上げるものはソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション/プレイステーション2用の「携帯電話接続ケーブル」。同梱されているプレイステーション用のソフト「携帯編集」を中心に、携帯電話接続ケーブルとプレイステーションで何ができるのかについてレビューしてみよう。
iモードをテレビ画面で楽しもう
携帯電話接続ケーブルに付属している「携帯編集」はプレイステーション用のソフトである。このソフトを使ってできることは、携帯電話のメモリダイヤルの編集、携帯電話のメールをプレイステーションのメモリカードに保存、メールの送受信、iモードコンテンツのテレビ画面でのブラウズなど。ちなみに、携帯編集は携帯電話接続ケーブルを単体で購入すると同梱されるが、携帯電話ケーブルが同梱されているゲーム(Chek-i-TVなど)には付属しないので注意が必要だ。
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同梱ソフト「携帯編集」のメインメニュー
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ところで、携帯編集のすべての機能がすべてのiモード端末で使えるかというとそうではないので、こちらも注意して欲しい。機能ごとに使える携帯電話の機種が限られているのだ。どの機能がどの携帯電話に対応しているのかはプレイステーションのサイト「GARAGE」に書かれているので参照して欲しい。たとえば、SO503iではプレイステーションでiモードコンテンツを表示することはできるが、メールの送受信以外の機能を使うことはできない。また、携帯電話のメールをプレイステーションで参照したり、プレイステーションのメモリカードに保存できるのはP502i、N/F502itのみと、かなりの機種制限がある。ちなみに、メモリダイヤルの編集に対応するのはN/F/P/Dの502i/501i/209iシリーズで、iモードのブラウザ機能などを使えるのはiナビリンク対応機種(503iシリーズと502iシリーズの一部)となっていて、現在のところ携帯編集のすべての機能が利用できるのはP502i、N/F502itだけとなっている。
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メモリダイヤル編集機能は、1世代前の機種にのみ対応しているので、最新機種所有者にはちょっと辛い
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現行のiモード端末は503iシリーズが主力、さらに210iシリーズもリリースされているので、メモリダイヤル編集機能の対応機種ラインナップは少々古いものであるといわざるを得ない。購入したのはいいけれど、結局使えなかったなんてことがないように対応機種をきちんと確認したほうが良いだろう。
プレイステーションのソフトはパソコンソフトのようにネットからアップデート、なんていうことはできないため、最新の携帯電話に対応するというのは難しいかもしれない。しかし、携帯編集は980円で単体販売される予定となっているので、今後はおそらく最新機種に対応したバージョンがリリースされるのであろう。できれば既に古いバージョンを購入したユーザ向けに、最新バージョンを安価で提供するといったサービスを期待したい。
冒頭からキビシイことを書いてしまったが、携帯編集の一番面白い機能は、なんといってもプレイステーションでiモードのコンテンツを楽しむことができるということだろう。テレビ画面でiモードコンテンツを見ることができるというわけだ。iモード端末よりは画面が広いため、なかなか快適なブラウジングをすることができる。ただし、iモード端末よりも表示可能な横幅がかなり広いため、コンテンツによっては表示が乱れてしまうこともあるようだ。ちなみに、iモードコンテンツのブラウジングは、プレイステーションと対応するiモード携帯電話を携帯電話接続ケーブルで接続し、テレビ画面に表示されるメニューから「iモード」を選ぶだけ。メニューリストやマイメニューなど、iモード携帯電話に表示される内容と同じものが表示され、iモードの公式コンテンツもテレビ画面で楽しむことができる。ちなみに、通信にはプレイステーションと接続したiモード携帯電話が利用されるため、通常の使用と同様にパケット通信料が課金される。
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プレステからiモードの公式メニューを見ると、「プレイステーション」というメニュー項目が1番上になる
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基本的にはiモード端末とまったく同じページにアクセスできる。この「プレイステーションNews」も、プレステ・iモード端末両方からアクセス可能
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プレイステーションでメールも使えるが……
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プレステに取り込んだメールを画面上で閲覧・編集できる
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携帯編集では携帯電話のメモリダイヤルの編集と、メールの送受信をすることもできる。iモード端末のメモリダイヤルをプレイステーションのメモリカードに保存したり、逆にメモリカードに保存したメモリダイヤルをiモード端末に上書きすることもできるほか、プレイステーションでそれぞれのデータを編集することができる。メモリダイヤルやメールの文字の入力は画面に表示されたソフトウェアキーボードとコントローラを使って、1文字ずつ入力していく方法。つまり、文字の入力ははっきりいってとても手間がかかる作業になる。文字の入力に限ってはソフトウェアキーボードとコントローラを使った方法よりは、普通に携帯電話で入力した方が楽かもしれない。とくに最近の携帯電話は、ATOKやPOBoxを搭載していて日本語変換機能についてもかなり賢くなっているので、そういった携帯電話単体の方がずっと素早く入力ができる。
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メール本文を書くときは、連文節日本語変換に対応。
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プレイステーションにキーボードが接続できるとか、POBoxのような予測変換機能が搭載されているなら、プレイステーション側で文字の入力の意味もあるが、現実はあまりメリットのないものとなっている。携帯編集でメールを作成して、接続されたiモード携帯電話からメールを送ることもできるが、文字入力がしやすいというわけではないので、わざわざiモード携帯電話をプレイステーションに接続してメールを送信するのは時間のムダといえよう。携帯電話単体、あるいはiボードを繋いだ方がずっと素早く文字の入力をすることができる。
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メモリダイヤルなどで名前を入力するときは、人名専用の日本語変換システムを使う
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メールアドレス入力時は、「.co」や「.jp」、「@docomo.ne.jp」などのボタンも
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ただ、メールの取り込みに対応した携帯電話(P502i、N/F502it)の場合は、すでに携帯電話で受信して携帯電話に保存されているメールをプレイステーションに取り込んだり、取り込んだメールをプレイステーションのメモリカードに保存することができる。たとえば、重要なメールを保存しておきたいといった用途に使えば便利だろう。
今後に期待か?
はっきり書いてしまうと、携帯電話のメモリダイヤル編集機能やメールの作成といった機能については、パソコン用にリリースされているメモリダイヤル編集ソフトの方が高機能だし、使いやすい。パソコンは持っていないけれど、プレイステーションなら持っている、というユーザーにとっては、メモリダイヤルやメールのバックアップをとる数少ない選択肢の1つとなるわけだが、メモリダイヤルとメールだけでなく、着信メロディ、待受画像など編集もできるパソコン用ソフトに比べると、やはり見劣りしてしまう。だが、これらの機能について過度に期待せずに、あくまでもオマケと考えて「テレビでiモードコンテンツのブラウズができる」と割り切ってしまえば、それなりに使うことはできる。
それと、なんといっても携帯電話接続ケーブルとiモード携帯電話があれば現在リリースされているプレイステーション2用の「Check-i-TV」や、今後リリースされる「iモードといっしょ」も楽しむことができるしね。iモード携帯電話に対応したゲームをプレイしたいなら、今のうちに携帯電話接続ケーブルを買っておくのも損はしないハズ。
(C)Sony Computer Entertainment Inc. 「アイモード/i-mode」は株式会社NTTドコモの登録商標です。
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★ |
うーん、まったくイバれません。
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実用性 |
★ |
携帯編集についてはさっぱり実用的ではないですね。機能によって機種が限定されてしまうというのと、文字入力がとてもしにくいのが問題。
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お値段 |
★ |
付属の「携帯編集」をオマケと考えれば、妥当な値段でしょう。
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価格 |
3500円 |
プレイステーションでiモードのコンテンツを見たい! というなら買っても損はしません。その他の機能については、対応携帯電話をチェックしてから購入すべき。ちなみに、現在発売されているiモード携帯電話を使ったプレイステーション用のゲーム「CheckiTV」にはゲーム単体のパッケージ(2800円)と携帯電話接続ケーブルが同梱されたパッケージ(4800円)があります。テレビでiモードしないけど携帯電話接続ケーブルが欲しい、というならば、ゲームに同梱されたパッケージを買ったほうがオトクです。ちなみに、予想利用時間の半日は付属する「携帯編集」を使うであろう時間。携帯電話接続ケーブルに関しては、対応ゲームがリリースされつづければ、半永久的に使いつづけるでしょう。
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利用期間 |
半日 |
1日あたり単価 |
7000円 |
・ 製品紹介
http://www.scei.co.jp/hard_index3.html
・ ソニー・コンピュータエンタテインメント
http://www.scei.co.jp/
(広野忠敏)
2001/05/02 00:00
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