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ezweb@mailとイージーパレットのいい関係
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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ケータイも一昔前にくらべるとずいぶんと高機能になった。電話帳に漢字が使えたり、メールの送受信が出来るのもあたりまえのこと。初期のケータイは電話帳はカナだけだったし、もちろんメールの送受信もできない。だから、ケータイで文字を入力することなんてほとんどなかった。でも今となっては、ケータイで漢字かなまじりの文章を入力する機会がないなんて人の方が少ないはず(とくにケータイWatch読者の方では)。そんなわけで、今回のお題はauのC404S、C404SAに対応した外付けキーボード「イージーパレット」を取り上げることにしよう。
■ やっぱり文字打ちは面倒
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au「イージーパレット」標準価格2000円。電池込み重量は約110g。単4アルカリ乾電池2本を使用する
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ケータイのテンキーだけでバリバリにブラインドタッチをこなす、という人も世の中には多いだろう。実際のところ、ケータイのテンキーだけで、目にも止まらぬハヤワザで漢字かなまじりの文章を入力しているさまを見ていると、なんとなくカルチャーショック的なものを感じてしまうのは、私だけではないハズ。ちなみに、周囲をざっと見た感じでは、テンキー入力のハヤワザ(ここでのハヤワザってのは感動するくらいのハヤワザのことね)を会得しているのは、圧倒的に女のコの方が多いような気がする。
そして、テンキーでの文字入力が面倒なのは、ケータイの機種によってビミョーにキー配列が違うことにも要因がある。テンキーを使った文字の入力については、ひらがなを入力するときは、どの機種でも大体同じなんで問題はない。「1」を3回押せば「う」が入力できるし、「5」を2回押せば「に」を入力できる。ところが、「っ」とか「ぱ」とか「が」みたいな文字、あるいは記号関係は、機種によってビミョーに入力方法が変わってくるのでややこしい。
これは、特定のメーカーに忠誠を誓ったユーザなら、一度覚えちゃえばいい話。だけど、ケータイの機種変更が年に2回の恒例行事になっていたり、新しいテクノロジーを搭載した機種は新規契約しても買うなんて人にとっては、この機種によるビミョーな違いが、テンキー入力の大きな壁だったりすると思うんだけど、どうだろう。たとえば、「こんにちは」みたいな文章はテンキーでもサクッと入力できるんだけど、「ウィンドウズ」とかって入力しようとすると「ィ」と「ド」と「ズ」のあたりで思考がぱったり止まってしまうのだ。
これが、auのezweb@mail対応端末なんてのを使っていると、メールで送信可能な文字数が多いもんだから、この「思考の停止」が結構やっかいだったりする。ちなみに私の場合は、長年愛用していたドコモ「N501i」のキー配置が頭にインプリントされている状態でau「C404S」とかドコモ「F503i」を使っているため、テンキー入力だとどうしても要所要所で指が空中をさまよったり、ヘンなキーを押してしまうことが多いのだ。ちなみに、前述の「ウィンドウズ」をN501iスタイルでC404Sに入力すると、「ウィ(文字パレット開く)ント(改行)ウス(改行)」になってしまうのだ(笑)。
ケータイのメールはかなり便利な存在だから、仕事とプライベート両方で活用しまくり、だけどテンキーのメール打ちは面倒、でもやっぱり便利だから使う、ああやっぱりテンキー打ちは面倒という延々と続くジレンマに陥っている人も多いハズ。
いっそのこと、ケータイの文字入力に関してのキー配列を規格化してしまって、すべてのキャリア、すべてのメーカーで統一してくれれば、こんなジレンマに陥ることはないのだが、現実問題としてそうはなっていないため、やっぱりジレンマに陥ってしまうわけだ。
■ そんなわけでイージーパレット
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ブルーにシルバーのC404Sにイージーパレットは全然似合わないのが難点だが、ezweb@mailで長文メールを打つなら、イージーパレット有りの方が無しよりもずっとラクなのは間違いなし
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そういうわけで、ケータイのメールは便利だから使いまくりたい。でもテンキーで入力するのは面倒という人のためのアイテム。それが、「イージーパレット」に代表されるケータイ用のキーボードである。ちなみに、この手のキーボードは、auの「イージーパレット」だけではなく、端末固有のキーボードがあったりするので、そのへんは各キャリアのホームページなどで製品をチェックしてほしい。
製品写真を見てもらえればわかるように、イージーパレットはキーボードである。対応機種は、イージーパレットの発売時点では「C404S」、「C404SA」のみだったが、その後に発売されている400番台のcdmaOneケータイにも対応するということだったので、他の機種でも使えると思うが、実際のところはauショップなどで確認してみて欲しい。
イージーパレットの大きさは142×79×15mm。C309H専用の「イージーパレットH」やiモード端末用の「iボード」なんかに比べるとかなりデカイ。形状は丸みをおびたラウンドデザイン、色はスケルトンピンクってことで、「C404S」なんかと組み合わせるとイージーパレットだけが、めちゃめちゃ浮いちゃうことになってしまうが、そこは「実用的である」という信念でカバーしよう。
さて、キーボードの使い心地であるが、そりゃまあ、テンキー入力よりは文字の入力がすごくやりやすくなる。とくに300文字とか500文字くらいの長文になればなるほど威力を発揮。テンキーのときはかったるくてやってらんなかった長文の入力が、イージーパレットを使えばサクサクと入力できるのがいい。
ちなみに、イージーパレットにはEZwebのソフトキー、カーソル移動キー、決定キー、メールキー、クリアキー、発信ボタン、着信ボタンなど文字の入力とは関係のない機能に関わるキーボードも用意されている。そのため、イージーパレットを接続した状態で、イージーパレットだけで、接続されているケータイのほぼすべての機能にアクセスすることができる。あんまり使わないと思うけど、イージーパレット接続時に電話がかかってきたら、イージーパレットの着信ボタンを押せば通話することも可能だ。
ただちょっと気になるのはキーの並びが、いわゆるASCII配列やJIS配列ではないこと、数字の1から0までとアルファベットに関してはASCIIやJIS配列と同じなのだが、記号の位置がまったく異なる。パソコンのフルキーボードなんかに慣れていると、記号を入力するときに指が空中を舞ったり、違うキーを叩いてしまうかもしれない。
あと、せっかくコンパクトなケータイなんだから、結構でかいイージーパレットを接続すると携帯性が損なわれてしまう。本当に意味があるのか? と疑問に思う人もいるかもしれない。だけど、それに関してはケースバイケースだろう。
たしかに、私自身ケータイでメールを打つときに必ずイージーパレットを接続して使っているわけではない。あいさつ程度の短いメールとかCメール、定型の返信といった内容のときは、テンキーや登録してある定型分を使って入力した方が簡単だし、ずっとスピーディーだ。でも、ケータイでちょっと突っ込んだ長めの内容の文章を書きたいとき、そんなときはテンキーでチマチマやってるよりは、ポケットからイージーパレットを取り出して、サクっとつないでサクっと文章を入力した方がスピーディーだろう。
ま、要するに適材適所ってことですね。
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★ |
全然イバれません。ピンクでラウンドデザインってのは、やっぱりターゲットは女のコってことなんでしょうね。それと、C404Sとかに繋ぐとカッコ悪すぎ。
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実用性 |
★★★★ |
テンキーブラインドタッチは出来ないけど、ケータイのメールを活用したいって人にとっては、極めて実用的なアイテムだといえるでしょう。
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お値段 |
★★★★★ |
安い。
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実売価格 |
2000円程度 |
私の主力ケータイはだいたい半年で機種変することになっているので、予想利用時間は180日で計算しました。予想以上に便利です。ただ、C404Sに繋ぐとカラーコーディネーション的にカッコ悪すぎ(なんつっても暗めのブルー&シルパーにスケルトンピンクですから)なので、人前で使うのはちょっと恥ずかしかったりしますが……それと、たいていの折りたたみ系の機種はテンキー部分がフラットなので、テンキー部分にイージーパレットを乗せて両手でケータイをホールド、両手の親指でタイプするという感じで使うとしっくりきます。
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利用期間 |
180日 |
1日あたり単価 |
1.3円 |
■ URL
イージーパレット製品情報
http://www.au.kddi.com/mobile/ezpale/ezpale.html
ニュースリリース
http://www.kddi.com/release/ido/news/20000928_1.html
(広野忠敏)
2001/01/31 00:00
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