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Eメールもできるコードレス留守番電話「パイオニア TF-LVH53」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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自宅に電話を引いていないところってそうそうないと思う。最近では自宅に電話を引かずにケータイだけで済ましてしまうなんてこともあるそうだが、やっぱり、有線の電話とケータイを使い分けてる人が大多数だろう。ところで、私はもう10年以上使っているコードレス留守電を愛用してたりする。もちろんナンバーディスプレイには対応していないし、メッセージの録音はマイクロテープだ。さすがに古くなってしまったので買い換えようと思い電気屋さんに行ってビックリ。最近のコードレス留守電って、着メロは和音だし、Eメールもできるし、ケータイ並に高機能なものもあるのだ。
■ 留守番電話選択の基準
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パイオニア 「TF-LVH53」標準価格3万6000円。子機でEメールもできる、コードレス電話。子機2台付き。子機3台付き「TF-LVH54」は標準価格5万円。また、親機でもEメールできる上位機「TF-LVH73/74」もある
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そんなわけで10年使ったコードレス留守電があまりにも古くなってしまったので買い換えようと思ったのだが、買い換えるにあたり、気をつけた点がある。それは、今まで使っていたコードレス留守電の便利な機能を受け継ぐものを探すことだ。たしかに、最新のコードレス留守電は高機能だし、便利な機能も満載なのだが、いままで使っていた機能が使えないのは悲しい。いくら高機能な電話でも、今まで使っていた便利な機能が使えなくなる機種への買い替えは、実質的にはアップグレードではなくダウングレードになってしまうからだ。
具体的に、購入にあたり気をつけた点は3つ。まずコードレスの子機が使えること、次に子機が2つ以上利用できること、最後は子機で親機の留守番電話の操作ができること。うちは一軒家で部屋も結構多い。そして、居留守番電話モードになっていることも多々ある。特に原稿の〆切前は居留守番電話モードのことが多い。居留守番電話でも電話に出たいときは着信音が鳴っている短い間に電話を取らなければいけないのだが、理想はコードレスの子機が各部屋に置いてあることだ。そうすれば、居留守番電話モードで電話に出たくても、即座に電話に出ることができるから。電話の着信音が鳴ったら3階から1階までダッシュで降りてきて電話に出るのは避けたいからだ。
3つめの子機で親機の留守電をコントロールできるってのは、その10年前のコードレス留守電にも搭載されていた機能で、非常に便利なもの。なんせうちは広い……のではなく、私が限りなく不精なので、親機のところまで出向いて留守電のメッセージを聞くなんてかったるくてやってられないのである。やっぱり、各部屋に分散された子機で留守電のメッセージが聞けるのは便利なのだ。
と、こうしたことを踏まえて量販店の電話コーナーに行ってみた。いやー、最近のコードレス留守電ってちょっと見ないうちにすごく高機能になってるのね。で、問題の3つのポイントなんだけど、子機に関するものはクリアできるものも多い。たいていの電話はコードレス。つまり子機が使えるし、子機があらかじめ2つ以上付属している機種もたくさんある。問題は、子機で親機の留守電のコントロールができるかどうか? ってヤツ。いろいろ見てみたが留守電の機能ってのは親機のものらしい。たとえば自動応答したり、応答メッセージを録音したり、ってのは親機の範疇らしくて、親機では留守電の操作ができるけど、子機から留守電に保存されたメッセージを聞いたり、留守電をセットしたりってのができる機種はほとんど存在しないのである。
てなわけで、量販店の電話機売り場をさながらリスのように駆け巡りつつ3つのポイントを満足できる機種を探しまくって、見つけたのがパイオニアのコードレス留守電「TF-LVH53」なのである。ちなみに、私が利用していた先代のコードレス留守電もパイオニア製だし、先々代のコードレス留守電もパイオニア製だったりする。きっと、今後もコードレス留守電に関しては、未来永劫パイオニアに忠誠を誓いつづけることになるんだろうなあ、と今回電話を探しててそう思いました。
■ なんだかすごい高機能なのね
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Eメールもできる子機のボタン配置はこんな感じ。携帯電話に比べるとかなりボディが大きいのでボタンも大きい
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私がコードレス留守電に求める機能って、実は前述の3つのポイントだけでぜんぜんオッケーだったりする。実際、その他の余分な機能はあってもなくてもいいのだが、「TF-LVH53」のマニュアルを読むと、この電話なんかめちゃめちゃ高機能なのである。電話のくせにマニュアルが155ページもあるし……多かれ少なかれ最近のコードレス留守電ってのは高機能なんだけど、これじゃすべての機能を把握するのにゆうに1時間くらはかかってしまうのだ。
これは、電話機売り場で電話を物色してるときも感じたことなのだが、コードレス留守電のような一般公衆回線に設置するタイプの電話は、もろにケータイを意識しているのがうかがえる。たとえば、「TF-LVH53」では、子機があらかじめ2台付属している(合計4台まで拡張可能)のだが、子機ごとに150件までの電話帳を内蔵、漢字かな混じりの名前で電話番号を登録できる。もちろんナンバーディスプレイサービスにも対応しているため、着信時の電話番号メモリーもできるし、電話番号で着信音を鳴り分けさせることも可能だ。
さらに、着信音は単音ではなく和音。自分で作成できる着信音は単音のみなのだが、日本テレコムがサービスしている「スーパーACR2」に加入すると(普通は電話設置時に自動的に加入される、電話料金がなるべく安くなるようにキャリアを自動選択してくれる機能)、「ハーモニー呼び出し音メロディーサービス」と呼ばれるサービスが使えるようになり、「ハーモニー呼び出し音メロディーサービス」に登録されている和音の着信音を自由にダウンロードして登録することもできるようになっている。
このあたりの機能って今となってはあたりまえでついていないほうがおかしいんだけど、結局電話に求められる機能ってのはケータイも一般の電話も変わらないのかななんて考えてしまいました。
さらに極めつけなのが、この電話、子機からインターネットのメールを送受信することができるようになっているのだ。Eメールを利用するには、あらかじめ同封されている日本テレコムのでんわdeメールの申し込みハガキに必要事項を記入して投函する必要がある。ちなみに、登録料は1アドレスあたり500円。「TF-LVH53」ではメールアドレスを3個まで使うことができるようになっているため1500円で3つアドレスを登録するといった使い方もできる。利用料は1分10円である。現在はメールアドレスのユーザーID部分は記号と数字が割り当てられるが、11月から始まる「ニックネーム設定サービス」を利用すればユーザー名の部分を自由に変更することができるらしい。
実際のメールの使い方は、iモードや@mailのようにメールが来ると自動的に電話に配信されるわけではなく、サーバにメールが蓄積される方式。つまり、メールを確認するためには、そのつどメールチェックをする必要がある(着信通知サービス 登録料500円、利用料 1通知あたり10円。を利用すると、メールが届いたときに、メールが届いたことを通知してくれる)。
ちなみに、1件あたり全角290文字までの受信と全角116文字までの送信が可能。もちろんアドレスもあり、50件までのアドレスを氏名などのデータと共に登録することができる。漢字かなまじり文の入力方法は「1」ボタンが「あ」行、「2」ボタンが「い」行の文字が登録されボタンを何回か押して入力するケータイで採用されているポピュラーなもの。ケータイを使ったことがあるなら、違和感無く文字の入力ができるのもうれしい配慮だ。
でも、パソコン持ってなくても、ケータイがメールに対応してなくても、電話機があれば気軽にメールが送れるなんて、いい時代になったもんだ。2001年春までには、NTTが一般の電話機向けのインターネット接続サービス「Lモード」を開始する予定だが、これからは一般の電話も目が離せない状況になりそうだ。
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★ |
うーん、生活必需品(?)なので、あんまりイバれないですね。あ、でもメールでイバれるか? 「このメールコードレス留守電からなの」って……うーん、やっぱ、イバれないかも。
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実用性 |
★★★★★ |
生活必需品(?)なので、実用的なのはあたりまえ。あ、でも、子機で親機の留守電をリモート操作できるのはむっちゃ便利です。一度慣れると他のコードレス留守電は使えなくなります。 |
お値段 |
★★★★ |
いやー、コードレス留守電っていうか、電話機のハードってちょっと見ないうちに安くなってるのねー、ってのが久しぶりの量販店の電話機コーナーでの感想。 |
実売価格 |
2万3000円程度 |
きっとまたしても10年くらい使いつづけるだろうから、予想利用時間は10年。あ、でも10年後って今のような音声だけの電話ってあるのかな? でも、10年前のコードレス留守電と今のコードレス留守電を比べると、もちろん高機能化して便利にはなっているけど、電話としての基本機能にはそれほど差がないんだよねえ。だから10年も使っていられるんですが(笑)。いろいろな意味で10年後が楽しみかも。あ、でも来年「Lモード」が始まるんだよね。Lモード対応でコードレスで子機が2台以上で子機で留守電のリモート操作が出来る電話があれば……買っちゃうかも。
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利用期間 |
10年 |
1日あたり単価 |
6円 |
■ URL
「TF-LVH53(子機2台)/TF-LVH54(子機3台)」の製品情報
http://www.pioneer-pcc.co.jp/htel/lv/lvh53_54.html
(広野忠敏)
2000/11/22 00:00
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