ケータイ Watch
連載バックナンバー
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ソニー サイバーショットU DSC-U60
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小さい、軽い、安い!
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[2003/06/11]

ボールペンで書いたメモがそのまま画像データに!
ゼブラ「手書きリンク」
[2003/05/28]

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[2003/05/14]

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指紋認証機能搭載のPocket PC
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[2003/04/16]

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Graffitiが苦手でも安心
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[2003/03/26]

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[2003/03/13]

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[2003/03/07]

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[2003/02/26]

ドッキング可能なタブレットPC
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[2003/02/12]

さらに「ヘビー」になった“全部入りCLIE”
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メモ機能のついた英語重視の電子辞書
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[2003/01/16]


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おとなのおもちゃタイトルGIF
液晶プロジェクターで大迫力ホームシアター
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 BSデジタル放送の開始を前にして、テレビの買い替え需要が高まっているという。ところで、映像関係のアイテムの最高峰といえば、誰がなんといってもプロジェクターだろう。まだまだ少ないとはいえ、家庭内にプロジェクターを導入して「ホームシアター」として大画面の映像を楽しんでいる人も年々多くなってきている。そこで、今回は三菱の液晶プロジェクター「LVP-L10000」を紹介しよう。発売されたのが1年半前の製品なのだが、ホームシアターの世界では息が長く、いまだに多くの人から支持されているベストセラープロジェクターだ。


ホームシアターといっても

本棚に設置されたLVP-L10000。本体サイズは本棚に入るくらいコンパクト。でも、熱がこもるので良い子はマネしちゃいけません。ちなみに、発熱過多になると自動的に電源がオフになる。プロジェクタ回りのアイテムは趣味ってことで。

 
 映画好き、映像好きの人はいつかはプロジェクターという夢を持っている人が多い。ちなみに、私もそのうちの1人だった。昔は、プロジェクターといえば3管式のものを指していた。3管式のプロジェクターとはプロジェクターの内部にCRTを3つ持ち、RGBに分解された映像を投影する方式のもので、画質は非常に良いが、比較的投影距離が長く、価格も高価なものだった。しかし、技術の進歩はめざましく、4年ほど前からよりコンパクトで、投影距離が短いプロジェクターがいろいろなメーカーからリリースされるようになった。「3管式に代表されるプロジェクターが高嶺の花」だったのは昔のこと。液晶技術が向上するにつれて、3管式のプロジェクターに迫る画質で、かつ投影距離も短い、さらに大きさもコンパクトな液晶プロジェクターがさまざまなメーカーからリリースされている。

 でも、部屋が狭いからプロジェクターなんてとても置く場所がない。と思うかもしれないが、そんな心配はぜんぜんいらない。たとえば、ここで紹介する三菱電機の「LVP-L10000」は、今から1年半ほど前にリリースされた液晶プロジェクターだが、プロジェクターの前面に4メートルほどのスペースがあれば、100インチの大画面で投影することができる(ちなみに、4.7メートルあれば16:9で100インチの投影が可能)。つまり、6畳の部屋があれば、100インチの大画面で映像を楽しむことができるというわけ。1年以上前の機種なのに古くないの? と思うかもしれないが、性能はまだまだ現役。パソコンほど技術革新があるわけじゃないのだ。

 さて、LVP-L10000の製品情報については三菱電機のページを参照して欲しい……ところだったのだが、さすがに製品がちょっと古いため掲載されていないようだ。というか、プロジェクタへの製品リンクがどこを探してもありませんでした。検索エンジンあたりで「LVP-L10000」をキーにすると製品情報やユーザの声がヒットするので参考にしてください(手抜きだなあ)。


いや、やっぱ、大迫力はいいです

 で、自宅にプロジェクターがあったらどういった映像ソースを見るのかというと、レーザーディスクやDVD、つまり映画を見たいという人が多いと思う。たしかに、大画面で見る映画は面白い。音響にまで凝ってしまえば、「ホームシアター」と呼ばれるように、自宅にいながらにして映画館の迫力を味わうことができる。ただし、音響までハマってしまうとそれなりの防音設備を持った部屋が必要になる。

 なんといっても、映画館のように禁酒、禁煙じゃないから旨い酒を傾けながらお気に入りの映画を見ることだってできるし、他の人の目を気にしながらトイレに行くなんてことをしなくてもいいわけだ。

 ちなみにLVP-L10000はDVDのスクイーズソフトに対応している。スクイーズとは16:9の映像を4:3に広げて収録する方式のことで、LVP-L10000ではスクイーズされた映像を16:9に戻して投影が可能。つまり、非常に細かい映像の再現ができるのだ。大画面になると粗が目立ちがちなのだが、スクイーズ対応のDVDを再生する限りでは、画面が粗いという印象は全然ない。さらに、デジタルガンマ補正機能がありR、G、B別々にユーザが自由にガンマ補正をすることができるようになっている。映像ソースによってガンマを補正してやれば、さらに美しい画像を楽しむこともできるわけだ。

 プロジェクターを使って映画を楽しむのは王道だといえる。でも、もっと他の楽しみ方ができるのもLVP-L10000の特徴の1つ。LVP-L10000ではコンポーネントVIDEO入力が2系統と、DSUB12PinによるRGB入力が2系統用意され、XGA(1024×768ドット)までならパソコンの映像信号を入力することができるようになっている。つまり、パソコンの画面を大画面で表示できるようになっているわけだ。ちなみに、各社からはパソコンを使ったプレゼンテーション用のプロジェクタも発売されているが、こうしたプロジェクタは「明るく鮮明」すぎて映画などの映像ソース再生にはあまり向いていない。明るくて鮮明なのはメリットでもあるのだが、映像ソースによってはデメリットにもなりうるわけなのだ。

 さあ、これで何をするかというと、そう「ゲーム」だ。それも3Dをバリバリに使ったゲーム。至近距離に投影された100インチの映像というと、ほぼ視野一杯に広がる。その映像を使った3Dのゲームの迫力はとても文章に出来ないほど素晴らしい。実際にフライトシミュレータや3Dバトルのゲームなどをやってみると、映像に酔ってしまってゲームが出来ません。もちろん、パソコンじゃなく、コンシュマーゲームでもいい。プレステ2のリッジレーサーとかやった日には、ゲームに酔ってしまってアタマがフラフラになるし、ファンタビジョンに至っては、脳みそが溶ける。1時間もゲームをすると完全にトリップした状態になれるのだ。


 パソコンとつながることでゲームとは別の楽しみ方をすることもできる。ちなみに私はLinuxのX-Windowをプロジェクタに投影。イスに座りつつ、ワイヤレスキーボードとワイヤレスマウスで極楽インターネットという冗談みたいなこともしているが、ほんと極楽です。ノートパソコンにワイヤレスLANカードを装着して、どこでも移動インターネット環境という対極の使い方も快適なのだが、プロジェクタでインターネットは快適ってわけではなく極楽なのです。

 それと、LVP-L10000にはPCカードスロットがあり。デジカメでメモリに記録したJPEG画像を、そのままLVP-L10000を使って投影することもできる。メモリを挿入するとサムネールが表示され、リモコンで見たい画像を選ぶようになっているんだけど、これがなかなか快適なのだ。期せずして小さい画面では発見できなかった新たな発見ができることもあり、なかなか楽しい。さらに、RS-232Cを利用してパソコンからLVP-L10000のコントロールもできるようになっている。


しかし、値段はとても高い

 ところで、液晶プロジェクターは安くなったと言われているが、「プロジェクターにしては安い」という意味で使われることが多い。そんなわけで、やっぱり高いです。ちなみに「LVP-L10000」の定価は99万8000円。軽自動車なら買えてしまうほど高価な製品。VAIOノートなら4台買えます。

 発売から2年が経過して、その値段もこなれているとはいえ、実売で60万~65万程度の値段はする。もちろん、LVP-L10000と同じ性能あるいは高性能な新製品はもっと高いわけだが……。さらに、プロジェクターは1度買ったらメンテナンスフリーでずっと使える??というわけではなく、一定時間ごとに光源であるランプの交換が必要になってくる。ちなみにLVP-L10000の場合、1000時間でランプの交換が必要になる。たしか、ランプだけで5万円くらいしたハズ(すみません、調べてません)。仮に、1日に2時間使うとすると、500日(約2年程度)でランプ交換をしなければならない、ということでランニングコストもバカ高い。500日でランプが切れるとすると1日あたり100円のランニングコストがかかるわけだ。ちなみに、テレビのつもり、ゲームマシンのつもりで使っていると1000時間は「あっ」という間。1日4時間で250日。ランニングコストは1日あたり200円。1日8時間はテレビやゲームで費やすというヘビーユーザが使うと、1日のランニングコストは400円になる。と、ここまで計算してちょっとイヤになってしまったけど。

 まあ、これを高いと見るか安いと見るかはその人次第なんだけど、やっぱ、高いよなあ。こりゃ、「おとなのおもちゃ」っていうよりは、単なるおとなの道楽かも。道楽が好きなら、とことんハマりましょう。でも、最新型のプロジェクターも欲しいなあ。





■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 ★★★★★  文句なしにイバれます。独身の貴方は「どうよ?僕の部屋のでっかい画面で映画でも見ない?」と女のコを口説けるかも。私は独身じゃないので出来ませんが。
実用性 ★★★☆☆  これは判断が難しいところ。実用的といえば実用的、さっぱり実用的じゃないというわけではない。極楽な気分は味わえるんだけどね。でも、1度経験したらきっと病みつきになります。
お値段 ☆☆☆☆☆  星はゼロです。安価な機種が増えてきたとはいえ、まだまだ高価。しょせんは道楽ってことですな。ただし、リリースから時間も経って値段がこなれているのと、中古市場にもかなり出回っているので比較的安く買えるかもしれません。
価格 99万8000円
(70万円程度で購入)
 こうした高価な製品は、新しモノ好きには向かないですね。でも、一度買ってしまうと、その魅力と極楽さがなくなることがとても悲しく思えてしまいます。というわけで、プロジェクターユーザは未来永劫プロジェクターを買いつづけることになるでしょう。新しモノ好きな人が、新製品のたびに買い換えたりなんてのを繰り返すと、即座に破産ですな。でも、プラズマテレビを買うよりは賢い選択かも。
予想利用時間 4年
(1年半経過)
1日あたり単価 479円
(ランニングコストを含めると579円)




URL
  三菱電機のホームページ
  http://www.melco.co.jp/


(広野忠敏)
2000/08/30 00:00

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