ようやくお盆休みも終わり、街もいつもの様子に戻っている。私は休みが長いととたんに不精になる。お盆休みなんてライターにはあんまり関係ないけれど、不精になってしまうとヒゲが伸び放題になったりすることも多い。という感じでムリに話を持っていこうとするのにはちゃんとした理由がある。そう、今回のネタは髭剃りなのである。そんなわけで、ブラウンのシェーバー、フレックスシンクロ・クリーン&チャージシステム(なんかネーミングがカッコいい)をご紹介しよう。
■ 合体すると強くなる
|
フレックスシンクロ・クリーン&チャージシステム 7515キット。標準価格3万5050円。自動洗浄でいつも清潔に使えるのが筆者お勧めのポイント |
|
フレックスシンクロは、シェーバーヘッドが振幅0.3mmで高速運動することにより、「さらに深剃りで早剃り」という点もセールスポイント |
合体・変形すると強くなるものは多い。コンバトラーV、ボルテスV、ゴットマーズなどの巨大ロボットは合体・変形すると真価を発揮する。こうしたアニメで育った世代にとっては、合体・変形に対して特別な感情を持っている人も多かったりする(私もそのうちの一人だが……)。 余談だが「合体すると強くなる」は、たしかNTTドコモの「ドッチーモ」のコピーである。このコピーを見て感激(というか納得)した人も多いハズ。特に私と同じ世代、つまり30代の人は「をを、NTTドコモもなかなかやるな」と思った人も多いんじゃないだろうか。っていうか、あのコピーを書いたコピーライターはきっと同じ世代なんだろうな。
そうした合体・変形をするものへの憧れが、私の古くはアップルのMacintosh PowerBook Duo(合体するとデスクトップマシンになるノートパソコン)に魅せられ、HPのJornada 680/690に搭載されたCFカードのギミック(CFカードスロットが背面からポップアップする)に魅せられたりするわけだ。そして、さっぱり使いやすくないけど合体・変形する怪しいギミックだからといって、怪しげなアイテムを購入するための原動力になっていたりする。私の場合。でも、たまにむちゃむちゃ便利なものにあたることもあるのでやめられないです。
そんなわけで、今回は合体するとても実用的なアイテムを紹介しよう。モノはブラウンの「フレックスシンクロ・クリーン&チャージシステム」。いわゆるヒゲ剃り。つまりシェーバーなのだが、シェーバー本体をクリーン&チャージシステムに合体させると、シェーバー本体を自動的にキレイに洗浄してくれるというとても便利なシステムだ(ついでにシェーバーの充電もしてくれる)。シェーバー本体を巨大ロボットにたとえると、クリーン&チャージシステムは合体可能な基地にあたる。強引だけど。
クリーン&チャージシステムに対応しているシェーバーは「フレックスシンクロ」と呼ばれる一連のラインナップで、いくつかの製品がある。詳しくはブラウンのホームページを見ていただくとして、ここでは簡単に紹介しよう。フレックスシンクロ・クリーン&チャージは、シェーバー本体(フレックスシンクロ)と洗浄のためのベース(クリーン&チャージシステム)で構成されている。
製品構成は「7570」(定価3万1000円)や「7515Kit」(定価3万5050円)といったクリーン&チャージシステムが同梱されているものと「7505」(定価2万3300円)などのシェーバー単体で販売されているものがある。シェーバー単体で販売されているものでも、別売のクリーン&チャージシステム(定価5850円)を購入すれば、クリーン&チャージシステムでシェーバーをクリーニングすることが可能だ。ちなみに、製品によってシェーバーにかなりの価格差があるが、これは「ヒゲを剃る」という機能に差異があるわけではなく、液晶ディスプレイ搭載モデルだったり、充電を促進するインジケータがついていたり、シェーバーの材質が違っていたりということらしい。
クリーン&チャージシステムでシェーバーをクリーニングするには、使い終わったシェーバーをクリーン&チャージシステムに合体させるだけ。あとは、クリーン&チャージシステムがシェーバーを自動的にクリーニングしてくれる。ちなみに、クリーニング後は自動的にシェーバーを充電するモードになる。また、クリーン&チャージシステムのプッシュイスイッチを使えば、クリーニングだけ、充電だけといった切り替えが可能だ。
■ 洗浄のメカニズム
自動的にシェーバーをクリーニングするということで、「いったいどうやってクリーニングしているの?」と、そのメカニズムに興味がある人も多いと思う。クリーン&チャージシステムを分解したわけではないため、一部想像も混じっているが、クリーニングのメカニズムを簡単に説明しよう。
シェーバーのクリーニングは、クリーン&チャージシステムに装着するカートリッジを使って行なわれる。カートリッジには揮発性の高い洗浄液が入っていて、その洗浄液を利用してシェーバーのヘッドをクリーニングする仕組みになっている。
シェーバー本体をクリーン&チャージシステムに合体させると、自動的にクリーニングが始まるわけだが、このときに、カートリッジの洗浄液をポンプでくみ上げ、シェーバーのヘッドが洗浄液にひたるようになる。同時にシェーバーのヘッドが振動してクリーニングを行うようになっている。つまり、ヒゲ屑を洗浄液で洗い流しているということらしい。
洗い流されたヒゲ屑と使用した洗浄液はふたたびカートリッジに戻る。つまり、クリーニングは洗浄液を循環しているわけだ。ヒゲ屑はカートリッジの底にたまるようになっている。使い終わった洗浄液がふたたび同じカートリッジに戻るため、なんとなく不潔っぽいって感じがするかもしれないが、その心配はいらない。
洗浄液は揮発性が高いため、クリーニング中にすべてではないが揮発する。さらに、クリーニングに使われる洗浄液は洗浄液の表層からくみ上げられるため、クリーニング中はいつもキレイな洗浄液が使われるのではないかと推察される。
ちなみに、カートリッジに洗浄液がなくなると、インジケータが点灯しカートリッジの交換を促すような仕組みになっているのだが、カートリッジの洗浄液が完全になくなってから点灯するのではなく、ある程度洗浄液が残っている状態で点灯する。つまり、洗浄に利用できる綺麗な洗浄液がなくなった時点でカートリッジを交換できるようになっているわけだ。このあたりの仕組みもかなり良く出来ている。
そして、洗浄液を使ったクリーニングが終了すると、自動的に乾燥モードに移行して、ヘッドを乾燥してくれる。この間約15分。つまり、シェーバーでヒゲを剃り終わったら、クリーン&チャージシステムに合体させるだけで、自動的に洗浄、乾燥、充電を行なってくれるのだ。
ちなみに、1つのカートリッジで洗浄できる日数は、1日1回洗浄したとして30日間。カートリッジは1個800円なので、1日あたりのランニングコストは800円÷30日で、約27円となる。なお、洗浄液は非常に揮発性が高い液体がベースになっているため、洗浄をしなくても1カ月程度で蒸発するらしい。つまり、1日1回洗浄するのがオトクというわけだ。
このランニングコストを高いとみるか、安いと見るかは人によって違うと思う。だけど、「切れ味の悪くなったシェーバーを開けてみたら、びっしりヒゲ屑が詰まっていてビビった」という経験をしなくても済むし。いつも清潔なシェーバーを使うことができる。さらに、洗浄液には香料も含まれているため、毎日爽快な気分でヒゲ剃りができる。ということを考えたら、安いものだと思う。なにより、私のように不精な人にとっては、とても便利なアイテムなのだ。ああ、世の中便利になったなあ。
|
|
洗浄用カートリッジ。1個800円、1日1回の使用で約1カ月使用できる。これを高いと見るか安いと思うかは、不精さによる? |
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★☆☆☆☆ |
あんまりイバれるようなモノではないかも。でも、自慢、布教は可能。 |
実用性 |
★★★★★ |
とても実用的。「おとなのおもちゃ」連載が始まって以来のことかもしれない。特に不精な人にオススメ。 |
お値段 |
★☆☆☆☆ |
高価なモデル「7570」で4万1000円、最も安価なシステム「7505」とクリーン&チャージシステムで2万9150円はやや高価な印象を受ける。ただし、高価なだけのことはあるということは保証できる。 |
価格 |
2万9150円 |
とにかく便利。シェーバーを毎日掃除するのは面倒だし、切れ味が悪くなったなと思って開けてみたら掃除する気なくしたなんて経験をしなくても済む。とくに「自他共に認める不精な人」にオススメのアイテム。それと、毎日クリーニングをすることになれば、シェーバーの内刃の寿命も延びるから、少々高価でも結果的に安上がりになるかも。 |
予想利用時間 |
3年 |
1日あたり単価 |
27円 (ランニングコストを含めると54円) |
■ URL
ブラウンのホームページ
http://www.braun.co.jp/
(広野忠敏)
2000/08/23 00:00
|