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MP3対応ポータブルCDプレーヤー「MamboX」
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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ここのところCD-R/RWがかなり普及している。メーカー製モデルでもCD-R/RWドライブを標準で搭載する機種も増えてきた。CD-R/RWドライブは手軽に扱えて、CD-ROMドライブが搭載された標準的なパソコンを使っていれば誰でもたいてい読めるし、なにより大容量という点も他のリムーバブル大容量メディアに比べるとアドバンテージになる。ところで、CD-R/RWドライブを買ったら、何を焼くだろうか? もちろん、ハードディスクのバックアップやデータの保存にもCD-R/RWを使うことができるが、今まではハードディスクに保存していたMP3データを丸ごとCD-Rに焼いてしまうという使い方をする人も多いはずだ。
CD-R/RWに焼いたMP3データを再生するには、普通はパソコンが必要。CD-ROMドライブを搭載したパソコンに、MP3再生用のソフトをインストールすれば、CD-R/RWに収めたMP3データを再生することができる。そして、最近増えてきたのがCD-Rに記録したMP3データを再生するCDプレーヤー。今回紹介する「MamboX」はCD-R/RWに焼いたMP3データを再生することができるポータブルCDプレーヤーだ。
■ CD-R/RWに焼いたMP3データを再生できる
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MamboX本体と付属の赤外線リモコン。ネット販売価格で2万9800円
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MamboXで再生可能なメディアは、一般の音楽CDとCD-R/RWに記録したMP3データ。本体の大きさもコンパクトで、持ち運びも可能だ。ちなみに、電源は付属のACアダプタで供給することもできるし、アルカリ単3乾電池3本で駆動することもできる。アルカリ乾電池駆動で、連続12時間の再生が可能だ。CD-R/RWの場合、再生可能なのはシングルセッションで書き込まれたもの。マルチセッションには対応していない。また、フォーマットはJolietとISO9660に対応。ファイル名とフォルダ名には英数字、記号、日本語を利用することができる。つまり、シングルセッションで焼いたCD-R/RWならたいていのものを再生することができるわけだ。ちなみに、CD-R/RWにMP3データと、MP3以外のデータが混在しているときも、MP3データだけを再生することができるようになっている。
MP3にすると何がそんなにエライのかというと、それにはちゃんとした理由がある。普通のCDアルバムには10曲から12曲程度、長さにして60~70分程度の音楽が入っている。こうした音楽データをまるごとMP3形式に変換すると、サイズはCDの1/10程度になる。つまり、CD1枚分の容量に、CD10枚分の音楽を詰め込むことができるわけ。これも曲によって違うが、100曲から120曲程度、時間にして10時間程度の音楽を、MP3にすることによって1枚のCD-R/RWに記録することができるわけだ。
MamboXは大きさもコンパクトで持ち歩いて使うことも可能だが、もっといろいろな使い方が考えられる。たとえば、原稿を書くとかパソコンを使っているときに音楽を聞きたいこともあるハズ。そんなときは、音楽CDではCDの入れ替えがとにかく面倒。1枚聞いたら次のCDを選んでプレーヤーにセットしなければいけない。
原稿書きに集中してたり、なにかにハマっているとき「あー、CD終わっちゃった、次のCD入れなきゃ」って感じで作業が中断してしまうのはとってもイヤ。そういうイヤな状態を避けるために、CDの曲を全曲リピートで聞いていたりするわけだが、そうすると今度は「あ、これさっき聞いた曲だよな」って感じでやっぱりイヤ。MP3のCD-R/RWにしてしまうと、こうしたイヤな状況がまったくなくなってしまうので非常に気持ちがイイのだ。CDの入れ替えをする必要もないし、フルにデータが焼かれたCD-R/RWなら、全曲リピートしたとしても同じ曲が再生されるのは10時間後だ。
また、ポータブルタイプという機動性を活かして、カーコンポに接続して使うという方法もいいだろう。MamboXをクルマで使うには、電源の問題とカーコンポへの接続の問題をクリアしなければいけないが、たとえば、電源はDC-ACインバータを使いクルマのバッテリ電圧を100Vにして、付属のACアダプタで駆動するか、4.5VのDC-DCコンバータを使い直接電源をMamboXに供給してもいい。カーコンポへの接続は、FMトランスミッタを使ってFMチューナ経由で再生することも可能なハズだ。ちょっと手間がかかるが、クルマの中でも快適なMP3再生環境を構築することができるだろう。
なお、本体には赤外線リモコンが同梱されていて、再生、停止、早送り、巻き戻し、リピートの設定、曲数によるダイレクト選曲をすることも可能だ。
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MamboXには、MP3エンコーダーソフト「MP3 JUKEBOX4.4日本語版」もバンドルされている
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MamboXに付属のヘッドホン
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■ でも、やっぱりパソコンは必要
ところで、音楽CD、CD-R/RWの再生ができるといっても、CD-R/RWを焼ける環境を持っていなければ、MamboXは単なるCDプレーヤーになってしまうので注意してほしい。CD-R/RWにMP3データを焼くためには、CD-R/RWドライブを搭載したパソコンとCDライティングのソフトが必要になる。
さらに、音楽CDからMP3データに変換するためには、MP3変換ソフトも必要になる。実際には、まず音楽CDの音楽データをツールを使ってリッピング(切り取り)、リッピングした音楽データをMP3にエンコード、エンコードしたMP3データを整理してCD-R/RWに焼くという作業が必要だ。この作業は意外と手間がかかるものではあるが、ひとたびMP3が焼かれたCD-R/RWを作ってしまえば、あとは快適に音楽を再生できるので、まあ、仕方がないものなのかもしれない。
このあたりの手間を単純にするようなハードウェアやツールがあれば、きっともっと便利にお手軽に使えるハズ。たとえば、順番に音楽CDを入れるだけで、CD-R/RWに音楽をMP3に変換して焼いてくれるなんてものがあれば、きっと無精な私は飛びつくハズだ。どっかのメーカーさん、こういう商品を企画してくれませんか?
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★☆☆ |
CD-R/RWに焼かれたMP3データを再生できる製品って実はまだそれほどない。今後は増えてくるとは思われるが、とりあえずはイバレるうちにイバリましょう。 |
実用性 |
★★★☆☆ |
MP3入りのCD-R/RWをどうやって作るかがカギだ。すでに、MP3入りCD-R/RWを焼ける環境を持っているなら、とっても実用的。でも、MamboXでMP3入りCD-R/RWを再生したいから、そういう環境を構築するというのも、間違ってはいないアプローチかも。 |
お値段 |
★★★★☆ |
そのへんのソリッドオーディオプレーヤーよりも全然安いです。 |
ネット販売価格 |
2万9800円 |
とりあえず、MP3入りCD-R/RWを焼ける環境を持っていて、MP3データをCD-R/RWに保存している人ならば間違いなく買いであるといえる。値段も安価だしね。 |
飽きるまで(予想) |
120日 |
1日あたり単価 |
248円 |
■ URL
バーテックスリンクの製品紹介
http://www.vertexlink.co.jp/product/multimedia/mambo-x/
(広野忠敏)
2000/07/13 00:00
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