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IXY DIGITAL
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ここのところ、というか連載開始からほとんど「音」ネタだったりしてるから、「連載の名前変えたら?」って冗談で言われることもあったりするのだか、今回は映像ネタです。ネタは話題の「IXY DIGITAL」。デジカメといえばメガピクセルがどーたらとか、画質があーたらとか、マニュアル撮影がこーたらとかってレビューを見かけるが、そういった「カメラ」としてのレビューは専門家にお任せするとして、違った切り口からIXY DIGITALを見ていきたい。
■やっぱりこのデザインと小ささがいいよね
本体サイズは87×26.9×57mm(幅×奥行き×高さ)。ロングサイズのタバコの箱と比べてみた。タバコの箱よりも小さいのは驚き。 |
IXY DIGITALは、私にとって発表されてから早々に買おうと決意した久しぶりの製品。発売日に早々にT-ZONEでゲットしてきた。ちなみに、この連載で取り上げているアイテムは、私が購入したものもあるし、メーカーからお借りしたものもある。さすがに、毎週毎週自分で買ったアイテムにしちゃうと、数カ月で破産してしまいますから。
では、早速本題に入ろう。IXY DIGITALがイイと思った理由はいくつかあるのだが、最も気に入ったのはその大きさと質感。タバコの箱と比較した写真をご覧になればわかると思うが、非常にコンパクトなのだ。ロングサイズのタバコの箱と比較すると、タバコの箱のほうが大きくなってしまう。つまり、胸ポケットに楽勝に入る大きさなのだ。重さは約190gと決して軽くはなく、手に取っても「ずっしり」と重さを感じるのだが、携帯性は非常にイイ。この大きさならばバッグに入れてもそれほどかさばらないため、いつも持ち歩くことができるというわけだ。
SONYのCyberShot DSC-F505Kと比べてみた。大人と子供って感じだね。 |
2つ目のポイントはデザインや質感が非常に良いこと。IXYの名前がついているだけに、同社のAPSコンパクトカメラ「IXY 320」のデザインを踏襲している。ちなみに、現在出荷されている限定パッケージにはネックチェーンストラップがついている。チェーンストラップをつけて首から下げると結構絵になっちゃう。そんなデザインをしているのもイイ点だ。ただし、オトコが首から下げるよりも、女のコが首から下げたほうが絵になると思う。
ところで、デジカメっていうと、どうしてもオモチャっぽいものが多いんだけど、IXY DIGITALはステンレス素材を使ってるため非常に質感がいいのも気に入った点。さらに、レンズを格納した状態で、本体が完全にフラットになる点もポイントが高い。たとえば、バッグの中に入れて中身をシェイクしても、突起部で何かにキズがつくということもないハズだ。
■一応スペックを
一応デジカメのレビューなので、画素数とかスペックは語らなければいけないと思うので簡単に…。
レンズを出すとこんな感じ。電源投入から撮影準備が出来るまでは約1秒とかなり高速。 |
画素数は211万画素。1600×1200ピクセル(ファイン/スーパーファイン)と640×480ピクセル(ファイン)の2つの解像度での撮影が可能。光学2倍ズーム(F2.8~4.0、35mm換算:35~70mm)のレンズを持っている(デジタルズームは4倍)。記録メディアはコンパクトフラッシュメモリで、製品には8MBのメモリが同梱されている。ちなみに、バッテリは専用のリチウムイオンバッテリが採用されている。
使ってみてキモチ良かったのは、電源投入から約1秒で撮影ができる状態になり、オートフォーカスのタイムラグも非常に高速だったこと。このプロセスが長いと、それだけで何かを撮ろうって気をそがれちゃうことも多いんだけど、十分に短いため、「あ、これ撮っっちゃおうかな」ってキモチをすぐに実行することができるのだ。
■ ホントはメガピクセルなんていらないんじゃないの?
ところで、デジカメの使い方。これは人によって違いがあると思う。コアな人々は画素数や再現性の良さにコダワリ、デジカメを被写体を撮影するためのツールに使う。こうした人たちが撮影してメモリに保存された画像は、写真ではなく作品という言葉が似合うかもしれない。もちろん、そういう使い方は否定はしない。だが、IXY DIGITALには、とっても似合わない使い方だ。やっぱりそういう人々には、もっと画素数が多くて高価なデジカメが似合っている。
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このサイズでもちゃんと液晶ディスプレイを塔載してるのがえらい。操作はややクセがあり、慣れるのがちょっと大変。
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IXY DIGITALが似合うのは、「メモ」や「遊び」としてのツールじゃないだろうか。これが銀塩カメラだと、メモほど気軽にはいかない。たとえ、コンパクトカメラや使い捨てフィルムを使ったとしても、それはメモじゃなく、印画紙に焼いて保存するための写真になってしまうからだ。その点デジカメならば、撮影した画像はいつでも消すことができるし、いつでも見ることができる。気に入らなければ何度も撮りなおすこともできる。もちろん、銀塩カメラのように、撮影した画像を印画紙に焼くこともできる。小さいながらも液晶モニタがついているから、「自分で撮ったイバリたい写真」を「他人に見せてイバる」という使い方も似合っている。目にしたものを手軽にメモってしまうツールとしては、これ以上のものはないんじゃないだろうか。
ただ、プリントも保存もしない。純粋に「メモ」を取ったり「遊び」のために使うツールとして考えると、200万画素は全然必要ない。そういう意味では、ややオーバースペックかな、とも思える。1024×768ピクセル程度の性能があれば十分ですから。世の中では、「メガピクセル以上のデジカメじゃなければデジカメじゃない」なんて風潮や、デジカメの性能競争なんてのもあるけど、やっぱり使い方次第じゃないかって思うわけ。もちろん、スペックが高いに越したことはない。だけど、プリントしない、パソコンで見るだけとか、ホームページを作るための素材集めのような用途ならば、メガピクセルなんてなくても十分です。それに、自分でとった写真を自慢するために、200万画素の大きな画像をそのままメールで送ったら…、そりゃ、普通怒られますって。
「あなたは、デジカメのモードのうち、どの解像度を使って撮影していますか?」ってアンケートをやったら、「低解像度」のモードでメモリにたくさん入れる方を選んでる人って意外と多いんじゃないかな。
■ 初めてデジカメに触ったときのあの感動
とまあ、なんだかコンパクトデジカメ論になってしまったが、IXY DIGITALは初めてデジカメに触ったときの感動、「すげー、撮ったものをその場で見られるんだ」、「ををっ、気に入らなかったらすぐに消せるのね」、「なんかとってもお手軽だなあ」ってヤツを素直に思い出させてくれる、そんなデジカメだといえる。これは、売れるでしょう。
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★★☆ |
どんどんイバってください。私が許可します。ちなみに、私はすでに15人(推定)にイバりました。 |
実用性 |
★★★★☆ |
十分に実用的。でも、デジカメにあらかじめ付属するメディアってなんでみんな容量が小さいんですかね。やっぱり値段を下げるためなんだろうけど、結局大容量のメディアを買わなくてはいけないのがイヤ。メディアを持ってる人のためのパッケージと、大容量メディアが同梱されている「デジカメおはじめパッケージ」なんてのを作れば結構ウケると思うんですけど。 |
お値段 |
★★★★☆ |
200万画素クラスのデジカメとしては結構安価なお値段。メモ取りツールとして使うなら200万画素はややオーバースペックかなとも思う。もう少し低画素数でもいいから値段を安くして欲しいなあ。 |
標準価格 |
7万4800円 (実売5万9800円) |
同じスペックでより小さいデジカメが発売されたら、そっちになびくかも。でも、まあ1年くらいは出ないでしょう、というわけで予想利用時間は1年にしてみました。デジタルスパイカメラとか、どっかで作ってくれませんかね。万年筆にデジカメが入ってるとか、ライターにデジカメが入ってるとかね。そういうのがあれば絶対買うけど(笑)。 |
飽きるまで(予想) |
365日 |
1日あたり単価 |
163円 (実売価格で計算) |
■ URL
キヤノン「IXY DIGITAL」のホームページ
http://www.canon-sales.co.jp/ixy-d/
(広野忠敏)
2000/05/31 00:00
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