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リンガマスターCDプレーヤー
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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今回取り上げるものはリンガマスター社のポータブルCDプレーヤー「リンガマスターCDプレーヤー」(LM-C440)だ。このCDプレーヤーは元々語学学習用のプレーヤーとして開発されたものだが、CD-Rに焼いたMP3ファイルを再生することができるようになる画期的な方法が採用されているのが非常に面白い製品だったりする。
■ ソフトによって変貌をとげるCDプレーヤー
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リンガマスター
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まだパソコンのハードディスクが高価だった時代。人々はフロッピーディスクにOS(MS-DOS)とアプリケーションをインストールし、パソコンを使うときはそのフロッピーディスクを使ってブートしていた。たとえば、OSと「一太郎」がインストールされたフロッピーをパソコンに入れてリセットすれば一太郎で文書を作ることが出来たし、OSと「マルチプラン」がインストールされたフロッピーをパソコンに入れてリセットすればマルチプランで表計算をすることができた。
こうしたメカニズムをCDプレーヤーで実現してしまったのが、「リンガマスターCDプレーヤー」なのだ。購入時の状態では通常の音楽CDやリンガマスター方式の語学学習用CDを再生することができる。ところが、CD-RにリンガマスターCDプレーヤーをコントロールするためのプログラムを入れることで、さまざまな事が実現できるようになっているのだ。いや、マジでこのアイディアは素晴らしいです。
現在提供されているのはMP3再生用のソフトで、リンガマスター社のホームページからダウンロードすることができる。この再生ソフトとMP3データを一緒に1枚のCD-Rに焼くことで、リンガマスターCDプレーヤーでCD-Rに焼いたMP3ファイルを再生することができるのだ。ちなみに、現在提供されているのはMP3用のソフトだけだが、デコードソフトさえ作ってしまえば、考えられるどのようなデータ形式の音声ファイルも再生することが出来るはず。ちなみに、6月にはカラオケ練習用のソフトも提供されるという。
プログラマの私としては、こうした素晴らしいアイディアをぜひ世の中に普及させるためにも、リンガマスターCDプレーヤーをコントロールするためのソフトの作り方を公開して欲しいなあなんて思ったりする。ユーザーの手でさまざまなツールが作られれば、商品の売れ行きも拍車がかかると思うのですがいかがなもんでしょうか?
■ リンガマスターCDプレーヤーでMP3を再生するには
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リモコン
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実際にリンガマスターCDプレーヤーで再生できるMP3のCD-Rを作るには、まずリンガマスター社のホームページからMP3プレーヤープログラムをダウンロードする。MP3プレーヤープログラムは必ずMP3ファイルの入ったCD-Rのルートディレクトリに焼きこまなければならない。CDプレーヤーの起動時に、CD-Rのルートディレクトリをチェックして、ソフトが含まれていたらそのソフトが起動するという仕組みになっていると推察される。
なお、再生できるCD-Rはシングルセッションのみで、マルチセッションには対応していない。また、再生できるのは1階層のディレクトリに含まれたMP3ファイルのみで、それより深い階層のディレクトリにMP3ファイルが有っても再生対象にはならないため、注意が必要だ。ちなみに、CD-R1枚あたりの再生可能ファイル数は1000個、最大100ディレクトリまでを認識することができる。
再生のためのファンクションもよく考えられている。トーンやバランスを調整できるほか、曲の正逆方向のスキップ、再生中のディレクトリのスキップも可能。もちろん、リピートも可能だ。さらに、デフォルトでは再生中のディレクトリに含まれるMP3の再生がすべて終了したら再生が停止するが、すべてのディレクトリに含まれたMP3を順に再生する「ディレクトリ連続再生モード」もサポートされている。
■ 語学学習に威力を発揮
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本体
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ところで、リンガマスターCDプレーヤーの本来の機能は語学学習のためのものだ。
リンガマスター方式のCDには「ネイティブのナチュラルな発音」「スローな発音」「日本語訳」「詳しい解説」という4つの音声情報が含まれていて、リンガマスターCDプレーヤーを使うと、これらの音声情報をリモコンのボタンで瞬時に切り替えることができる。つまり、語学学習のために聞きたい情報を瞬時に、繰り返し聞くことができるというわけだ。語学学習の上達の近道は反復学習と言われているが、そうしたニーズに十分に答える製品であると言えるだろう。
現在発売されているリンガマスター方式のCDは「ローマの休日」と「Jazzで楽しむ英会話」の2本。今後もさまざまなコンテンツがリリースされるほか、アルクが発行する英語雑誌「ENGLISH JOURNAL」「Active English」「ENGLISH NETWORK」などに付属するCDも、順次リンガマスター方式になるという。
そんなわけで、英会話を覚えたい、英会話をブラッシュアップしたい、ついでにMP3も再生したいなんて人にとっては、現在考えられる最高の製品のハズだ。
さて、最後になるが簡単にリンガマスターCDプレーヤーのスペックなどを紹介しよう。駆動方式はバッテリ。単三乾電池2本で約2.5時間の連続動作ができる。本体には単三充電池とACアダプタが付属している。大きさは136×153×24mm、重さも280gと比較的コンパクトなので、持ち歩いて使うことも可能だ。
■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★★★ |
十分にイバっていい製品。ついでに英会話もマスターすれば、さらにイバれると予想される。どんどんイバって下さい。ソフトの入れ替えで色々なコトに応用できるため、ソフトがたくさんリリースされれば将来性も十分。余談だけど、これを企画・開発した人もたくさんイバっていいと思います。 |
実用性 |
★★★★☆ |
MP3ファイルも再生できて、英会話も勉強できるなんて、とっても実用的だと思いませんか? 星5つにしたいんだけど、CD-Rがなければ英会話だけになるので星は4つ。 |
お値段 |
★★★☆☆ |
携帯用CDプレーヤーとしては、ちょっと高めだけど。機能が豊富だから満足。 |
標準価格 |
3万9800円 |
英語にトラウマがあるので(笑)。英会話に飽きるのが3カ月くらいだろうなと予測される。さらに面白いソフトがリリースされれば3年くらいは使うかもしれません。レビューはお借りした製品でしましたが、絶対買うだろうな。コレ。だって、面白いんだもん。 |
飽きるまで(予想) |
180日 |
1日あたり単価 |
221円 |
■ URL
リンガマスターのホームページ
http://www.linguamaster.co.jp/
(広野忠敏)
2000/05/24 00:00
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