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おとなのおもちゃタイトルGIF
ソニーの腕時計リモコン付きMDプレーヤー
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


MP3が注目されているとはいっても…

MDプレーヤー本体と
腕時計型コントローラ
 ソリッドオーディオ、とりわけMP3が世間では注目を集めている。以前よりは敷居が低くなってきているとはいえ、まだまだ敷居が高いのもまた事実。さらに、音楽配信についても、いまだ情勢は混沌としている。携帯用のオーディオプレーヤーとして注目を集めているソリッドオーディオなのだが、従来の携帯用MD/CDプレーヤーに比べると、まだまだこなれていないという感が強いのだ。

 そんなわけで、今週はポータブルMDプレーヤーを取り上げてみることにする。モノはもちろんソニーのMDウォークマン。MDウォークマンのラインナップには、様々な製品があるが、中でも筆者の心を刺激したのが「時計型ワイヤレスコントローラ付属 MDウォークマン MZ-E7W」だ。


■腕時計でプレーヤーを操作

腕時計型コントローラ
 コントローラはもちろん腕時計として利用することもできる。
MD再生時
 MD再生時には、現在演奏中の曲数や演奏時間などの情報が表示される。
本体裏面
 プレーヤー本体裏にも再生や停止などのボタンがあるので、うっかりコントローラを忘れてしまっても大丈夫。

 MZ-E7Wの最大の特徴は、同梱されている腕時計型のリモコンでMD本体をコントロールできること。もちろん、リモコンはワイヤードではなくワイヤレスだ。

 ごく一般的なポータブルMDプレーヤーは、本体とレシーバーの間にコントローラがついていて、そのコントローラを使って、再生や停止、スキップなどの操作が行なえるものがほとんどだが、MZ-E7Wでは腕時計型のリモコンから本体のコントロールが可能。腕時計型のコントローラとMDプレーヤー本体は電波を利用して通信を行なう仕組みになっている。

 コントロールできる範囲は、30~50cm程度とごく短い距離で、2バンドの切り替えができるようになっている。短い通信範囲なので、よほどのことがなければ混信してしまうことはないだろう。

 腕時計型のコントローラは単に腕時計の形をしているだけではなく、もちろん腕時計の機能も有している。現在時刻と日付の表示、ストップウォッチ機能、タイマー機能など、腕時計の基本機能も満足。つまり、コントローラとしてだけではなく、腕時計としても使えるようになっている。コントローラでコントロールできるのは、再生、停止、早送り、巻き戻し、スキップ、バックスキップ、そしてボリュームのコントロール。つまり、MDの入れ替えをするとき以外は、すべてコントローラで操作することができるわけだ。

 腕時計のディスプレイにはプレーヤーの状態(再生中なのか、一時停止中なのか)や現在演奏中の曲番号、演奏時間などの情報が表示される。つまり、コントローラからプレーヤーに向かっての片方向通信ではなく、コントローラとプレーヤー間で、双方向に通信を行なっているようだ。もちろん、プレーヤー本体裏にも再生や停止などのボタンがあるため、うっかりコントローラを忘れてしまったときでも、プレーヤーのコントロールが可能だ。

 なお、電源は付属のガム型バッテリを使うことが基本。ただし、付属のバッテリケースをプレーヤー本体につけることにより、単3乾電池で駆動することもできる。連続使用時間はバッテリと単3乾電池を併用すると40時間の再生が可能だ。


■で、使ってみました

 とまあ、プレーヤー自体のスペックはこんな感じ。筆者が一番気になったポイントは通信距離である。元々かなり通信距離が短いようなのだが、せっかくの腕時計型コントローラでプレーヤー本体のコントロールができなければ、さっぱり役に立たないからだ。で、色々なシチュエーションで試してみた。


【その1】スーツのポケットに入れてみる

 プレーヤー本体のサイズはかなり小さく、スーツの胸ポケットや内ポケットにも十分入る大きさ。この状態ではコントローラで十分にコントロールが可能。


【その2】ブリーフケースに入れてみる

 次に、布製のブリーフケースに入れて試してみた。左手にコントローラを装着して、右手にブリーフケースを下げた状態。腕を胸元に持っていった状態のときはコントロール可能。ただし、腕を上げた状態ではダメだった。ということは、プレーヤーをブリーフケースに入れて持ちつつ、電車のつり革につかまっている状態では、コントローラでコントロールできないケースもあるわけだ。さらに、ブリーフケースを床に置いて、自分は座った状態、つまり、電車で座ってるときの状態を想定してみたが、このときもコントロールできないことが多かった。


【その3】バックパックに入れてみる

 続いてプレーヤーをバックパックに入れて背負ってみた。胸元にコントローラを持ってきた状態では問題なくコントロールできるが、腕を上に上げたときや腕を前方に出したときはコントロールは不可能だった。ちなみに、バックパックを床に置いたときは、ブリーフケースのときと同様の結果になった。



 とまあ、こんな結果になってしまったのだが、要するにバッグに入れて持ち運ぶのではなく、プレーヤー本体を身に付けて使うことを想定しているのだろうと考えられる。でも、洋服にいつもポケットがあるとは限らないんだよね。それと、腕を上にあげた状態でコントロールできないことが多かったのも気になる。電車のつり革につかまっている状態じゃコントロールできないこともあるってことですからね。できればもうちょっと通信可能範囲を長くして欲しかったと思うのは、MZ-E7Wを購入した人の共通した意見ではないだろうか。なお、筆者の身長は165cm。もっと長身の人が腕につけて使うと、さらにコントロールできないシチュエーションが増えるだろうと予測される。

 そんなわけで、やや問題もあったりするのだが、まあ、コントロールできないときはプレーヤー本体にちょっと近づけてあげればいいだけだから、「ちょっと気になる」って程度ですかね。とはいえ、ワイヤレスでプレーヤー本体をコントロールできるのは、すごく楽しい。意味もなく曲をスキップしたり、ボリュームをコントロールしたりすることうけあい。でも、飽きるのも早いかもしれません。

■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 ★★☆☆☆  持っててもあんまりウケないかも。自慢しても「ふーん」で終わりそう。イバるというよりはむしろ実用性で勝負か? なお、筆者は熱心なソニーマニアなので星は2つ。ソニーマニアじゃなければ、星は1つになると予想される。
実用性 ★★☆☆☆  手元でMDを操作できるのはカイカン。たとえば、満員電車の中で使ってたとしてもワイヤードのリモコンと格闘しなくてもいいのはウレシイ。でも、満員電車の中でボリュームを大きくするのは、単なる迷惑以外のなにものでもないからやめよう。あとは、コントロール範囲が狭いのがチョット気になるかな。
お値段 ★★★☆☆  ちょっと高価という気もするが、腕時計がついているということを考えれば妥当なセンか?
標準価格 4万2000円  っていうか、やっぱりMDなんですよね。腕時計型リモコンってのは面白いんだけど、せっかくならレシーバー部分もワイヤードではなく、ワイヤレスにして欲しかったと思うのは、きっと筆者だけではないハズ。それと、コントロール範囲が狭いのも気になるポイントだ。ちなみに、MDウォークマンではなくポータブルカセットプレーヤー「ウォークマン」のラインナップには、リモコンとレシーバーがワイヤレスのモデルもあったりするのだ(WM-WE01)。
飽きるまで(予想) 7日
1日あたり単価 6000円



URL
  「MZ-E7W」製品情報
  http://www.sony.co.jp/sd/ProductsPark/Models/New/MZ-E7W_J_1/index.html


(広野忠敏)
2000/04/26 00:00

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