ケータイ Watch
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おとなのおもちゃタイトルGIF
テレビもPCの画面もOK 日本サムスン「SyncMaster 171MP」
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 日本サムスンの「SyncMaster 171MP」は、テレビチューナーを内蔵したTFT液晶ディスプレイ。パソコンのディスプレイとして使えるだけではなく、内蔵テレビチューナーでテレビ放送の受信ができるほか、ビデオソースの表示も可能な液晶モニタだ。


液晶ディスプレイにテレビがついた

SyncMaster 171MP

 例によって、まずは簡単にスペックを紹介しよう。171MPは17インチTFT液晶を搭載した液晶モニタ(15インチのモデルもある)。解像度は1280×1024ドット、約1677万色表示に対応。画素ピッチは0.264mm、輝度は240cd/平方メートル、コントラスト比は400:1、視野角は水平/垂直共に160度、応答速度は25ms、走査周波数は水平30~81kHz、垂直56~85Hzに対応する。また、アナログ放送チューナーを内蔵しているため、単体でテレビ放送の受信も可能なほか、コンポジットビデオ、Sビデオ、D4端子を備え、それぞれの端子に対応した映像の入力ができる。

 本体全面にはステレオスピーカーが装備され、3系統のオーディオ入力端子を装備。それぞれPC用オーディオ、コンポジット/S端子用オーディオ、D1端子用オーディオとして利用することが可能。また、リモコンが付属し、171MPのすべての機能(入力ソースやテレビチャンネルの切り替えや音量の調整)をリモコンでコントロールすることができる。

 液晶モニタだけに大きさも非常にコンパクト。本体サイズは412×203×418mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約4.85kgだ。パソコンのディスプレイとして机の上において使うことが基本だが、壁にかけてしまって「壁掛けテレビ」として使うこともできるのである。モニタとしてではなく、テレビとしてこの製品を考えると、非常に自由度の高いレイアウトが可能。前述のとおり壁掛けテレビとして使ってもいいが、ブラウン管のテレビを置くことができない場所に置けるのはうれしい。わざわざテレビを置くために場所をあけるなんてことをしなくてもいいからだ。ちなみに、入力端子はすべて背面に配置されている。これらの端子は、端子にケーブル類を装着したときにも、ディスプレイの背面から端子などが飛び出さないように配慮されている点も嬉しい。


画質はどうか?

SyncMaster 171MP

 元々がパソコンのディスプレイなので、パソコンの画面を171MPに表示するのはなんら問題はない。気になるのは内蔵のテレビチューナーを使った放送の受信、コンポジット、Sビデオ、D4端子で入力した映像のクオリティではないだろうか。実際にさまざまな映像ソースで試してみたが、D4端子つかってコンポーネント接続したDVDソースは非常に綺麗に再生できる。やや気になるのが、Sビデオやコンポジットビデオを入力した場合だ。液晶の反応速度は十分に高速なので、動きの速い映画などの映像ソースを再生した場合に、液晶の反応速度のもたつきなどで映像が眠くなることはない。だが、同インチの液晶テレビや高価格帯のディスプレイなどと比べてみると、若干映像がぼやけて見えるような気がしてならない。

 元々ビデオやテレビ放送の画像は、インターレース信号で水平方向の解像度が粗いのが特徴。液晶ディスプレイでこれを表示する場合はインターレースをプログレッシブに変換したり、水平方向の解像度が粗いもともとのソースを、液晶ディスプレイの解像度にあわせて引き伸ばしてやる必要がある。こうしたデジタル処理が行なわれるため、インターレース映像を前提としないパソコンの液晶ディスプレイでテレビ放送やビデオ映像を見ると映像が荒く見えたり、画像がぼやけてしまうことがあるのだ。

 また、これは筆者の環境だけなのかもしれないが、コンポジットやSビデオからの画像を表示すると、5分に1回程度の周期でディスプレイの上から下にかけて映像のブレが発生することがあった。もし、171MPを購入する際は、カタログスペックをそのまま鵜呑みにするのではなく、実際に店頭で映像をチェックしてからのほうがいいだろう。

 とはいっても、同クラスの液晶テレビと価格を比較すると171MPのほうが比べる必要もないくらいに安価なのも事実だ。パソコンのディスプレイではなく、液晶テレビとして発売されている製品は、日本サムスンも含めいろいろなメーカーからリリースされている。それらの液晶テレビの価格は、パソコンのディスプレイに比べると総じて高価だ。また、液晶テレビとして発売されている製品のうち安価なもののほとんどは、パソコンのモニタ入力が装備されていない。液晶テレビでも高級機になると、パソコンの画面を入力できるものもあるが、やっぱり高価な部類に入ってしまう。17~21インチ程度のパーソナルサイズの液晶テレビを買おうと思ったけれど、値段が高くて手をだせなかった、なんて人もいるのではないだろうか。

 ただ、あくまでもテレビ機能はオマケ、主要な目的はパソコンのディスプレイとして使うが、机の上にパーソナルテレビも欲しいという風に考えることができれば、171MPはベストな選択だといえる。高画質、大画面な液晶テレビが欲しいということならば、液晶テレビとして設計されている製品を購入すべきだろう。


面白く使えるPIP機能

PIP機能

 171MPのPIP機能を使ってプレイステーション2のゲーム「ファイナルファンタジー XI」を表示させつつ、VAIOのギガポケットでテレビ放送を受信しつつ、ブラウザでケータイ Watchを開いているところ。アイディア次第でテレビをしながら、ゲームをしながら、といったながら生活もますます快適になるハズ。
 さて、171MPの機能のなかで最も面白いのがPIP(Picture In Picture)機能だ。PIP機能は、171MPで表示されているパソコンの画面に子画面を表示するための機能。子画面にはテレビやコンポジット、S-ビデオ、D4端子のいずれかに入力したビデオソースが表示できるようになっている。ちなみに子画面の大きさは2種類用意されていて、画面の任意の位置に移動できるようになっている。つまり、171MPを使えば、パソコンの画面を表示しながら、テレビやビデオを見たり、DVDを再生できるわけだ。ちなみにオーディオソースも、本体のAudioボタンを押すだけでワンタッチで切り替えができる。たとえば、PIPの画面に内蔵チューナーでテレビ放送を受信しているときでも、スピーカーからはパソコンのオーディオを出力といったことも可能だ。ちなみに、これはPIP表示されていないときでも有効で、パソコンの画面を表示しているときに、テレビの音声を再生といったこともできる。これを利用すれば、パソコンを操作しつつニュース番組の音声だけを聴くということもできるのだ。

 ところで、パソコンの画面でテレビやビデオが見れるということなら、テレビ機能が内蔵されているパソコンを購入すればよいのだが、パソコンの機能を使ってテレビやビデオを見るときは、当然のことながらパソコンが正常に稼働していなければいけない。いざ見たい番組が始まったときにハングアップしてしまった、なんてことが起きればテレビを見ることはできなくなってしまう。171MPのPIP機能はパソコンの機能はまったく利用せずにテレビやビデオソースを表示するので、こうした心配はいらないわけ。

 うちのパソコンにはテレビ機能があるから、わざわざディスプレイにテレビチューナーやビデオ入力はいらない、と思う人もいるかもしれない。たとえ、パソコンにテレビ機能があったとしても、171MPのPIP機能を使えばアイディア次第でさまざまなことができるようになる。たとえば、パソコンの画面にパソコンのテレビ機能を使ってテレビ番組を受信、PIPの画面にはビデオ入力したプレイステーション2などコンシューマーゲーム機の画面を表示したとしよう。そうすると、パソコンを使いながらテレビを見ながらゲームをするというワザを使うこともできる。そんな忙しいことはできない、と思うかもしれないが、普段からテレビを見ながらパソコンを使うとか、ゲームをしながらテレビも見るといった「ながら生活」をしている人にとっては非常に魅力的な機能だといえる。もちろん、テレビはテレビ、パソコンは液晶ディスプレイ、ゲームも別のテレビといった恵まれた環境が揃っているならばそれに越したことはないが、液晶ディスプレイ1台だけで全てまかなえるというのは魅力的なのではないだろうか。

評価(最高点は★5つ)

イバリ度 ★★★  テレビなのでそれほどイバれません。と思ったけれども、パソコンのディスプレイとしても使えるので少々イバれます。
実用性 ★★★★★  1つの機器に複数の機能が含まれているというものは、おおむね実用的でしょう。ずーっとパソコンの前に張り付いている生活を送っている人にとっても嬉しい製品ではないでしょうか。
お値段 ★★★★★  パソコンのモニタとしても使える、単体でテレビとしても使えるということを考えるとかなり安価。
価格 9万9800円  なぜか1年半くらいでディスプレイやテレビを買いたくなる衝動に陥ってしまうので予想利用時間は1年半。ちなみに1年半前に購入したEIZOのGAWIN M-10はベッドサイドテレビとして活躍中。やっぱり、少々映像に難があったとしても画面がデカいのは良いですな。
利用期間 1.5年
1日あたり単価 182円


・ 製品情報
  http://www.samsung-shop.eins.ne.jp/html/product_monitor/sm_151_171mp/index.html


(広野忠敏)
2002/11/13 12:31

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