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ケータイでエアコンをコントロール 松下のエアコン用テレコントロールユニット
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広野忠敏 昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。 (写真:若林直樹) |
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松下電器産業の公式ECサイト「パナセンス」は、松下電器産業製のさまざまな製品をオンラインで購入できるショップ。このサイトのサービスには「先行モニター販売」と呼ばれるものがある。このサービスは市販される予定の一部の製品を発売日よりも早く購入できるというもので、募集される製品にはなかなか面白いものもあり、チェックしている人も多いのではないかと思う。今回は、少し前のパナセンスの先行モニター販売で入手した「エアコン用テレコントロールユニット」を紹介しよう。
お手軽ホームオートメーション
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エアコン用テレコントロールユニット
「CF-TT1」
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エアコン用テレコントロールユニット「CF-TT1」(以下テレコントロールユニット)の機能はとても単純。外出先から自宅に設置されたエアコンの運転・停止をコントロールできるというものなのである。外出先からエアコンのコントロールができれば便利なのに……、と普段思っている私も含めた無精者の欲求を満足させることができるという、まさに夢のようなアイテムだと言ってもいいだろう。
外出したのはいいけれど、エアコンの電源を切り忘れた。寒い部屋に帰宅するのはもういや、仕事から帰ったら部屋の中は暖かくなっていてほしい。外出先からエアコンのコントロールができれば、うっかり切り忘れたエアコンの電源を切ることもできるし、帰宅前にエアコンの電源を入れて、あらかじめ部屋を暖めておくなんてこともできる。
誰もいない部屋でのエアコンのコントロールというと、誰もが思いつくのがタイマーを使った方法。すでにタイマーを活用して、会社や学校から帰宅するときにあらかじめ部屋を涼しくしたり、暖かくしておくなんてことを実践している人も多いかと思う。ただ、タイマーを使う場合は、当然のことながら決められた時間にしかエアコンの電源を入れることはできない。毎日決まった時間に帰宅することができればいいが、実際はそんなにうまくはいかないだろう。残業で帰りが遅くなるのにもかかわらず、主人のいない部屋で不必要にエアコンが動作し、結果的に電気代がムダになってしまっている、なんていう経験をしている人も多いのではないだろうか。
テレコントロールユニットって何?
前置きはこのくらいにして、テレコントロールユニットとはいったいどのようなものなのかを紹介しよう。まずは、どういう仕組みで外出先からエアコンをコントロールできるのか、とても興味があると思っている人のために、仕組みを簡単に見ていくことにしよう。
テレコントロールユニットの本体は、それほど複雑な作りになっているわけではない。本体には、電話回線を接続するコネクタと、赤外線信号を発信する発信部があるだけだ。カンの良い方なら電話回線と赤外線信号発信部と聞いただけでピンとくるかもしれない。そう、これは、電話回線と赤外線リモコンの2つを融合したリモートコントロールユニットなのだ。
実際の使い方はというと、テレコントロールユニットを自宅の電話回線に接続してから、ケータイなどを使って自宅に電話をかける。このときに、あらかじめ設定した暗証番号と運転のオン・オフを表すコード番号をダイヤルする。すると、発信部から赤外線の信号が発信され、それによってエアコンがコントロールできるという仕組みになっている。テレコントロールユニットを一言で表現すれば、電話でコントロールできるエアコン用の赤外線リモコンとだといえる。つまり、テレコントロールユニットを自宅の電話回線に接続しておけば、たとえ自宅にいなくても、外出先からケータイを使って、自宅に電話をするだけで、離れた場所のエアコンをコントロールすることができるのである。
自宅の電話回線に接続すると、普段使っている電話が使えなくなるのでは? と思うかもしれないが、そのあたりは心配いらない。電話回線をテレコントロールユニットに接続して、さらにテレコントロールユニットから、いままで使っている電話に接続すれば、普通に電話をかけることもできるし、着信した電話を受けることもできる。ただ、外部から電話がかかってきたときに、まずテレコントロールユニットが電話を着信し、エアコンのコントロール(トーン信号)が検出できなかったときに、外部の電話に対して着信するという仕組みになっているので(FAXなどもこうした仕組みのことが多い)、留守番電話を使っているときは外部からの留守番電話の操作がうまくいかないこともある。とはいえ、テレコントロールユニットでは着信するまでの呼び出し音を設定できるため、このあたりを調整すれば留守番電話を使っていても、問題なくテレコントロールユニットを使うことができるだろう。
コントロールできるのは電源のオン・オフのみ
外出先からのエアコンのコントロールは非常に簡単。まず、外出先から自宅に電話をかける。電話をかけると、テレコントロールユニットで設定した回数だけ呼び出し音がなった後に電話がつながり、操作できる状態になる。この状態のときに4桁の暗証番号をダイヤルする。すると「運転開始の場合は01#、停止の場合は00#を押してください」というメッセージが聞こえるので、メッセージどおりにダイヤルすればよい。01#をダイヤルすれば、エアコンの運転を開始、00#をダイヤルすればエアコンの運転を停止することができるというわけ。ちなみに、暗証番号や呼び出し回数などは自由に設定することが可能だ。
なお、テレコントロールユニットでコントロールできるのは、エアコンの運転と停止のみ。そのほかの操作、たとえば温度を調整したり、冷房と暖房を切り替えるといったことはできない。このあたりは少々残念なところだ。温度の調整などは難しいかもしれないが、せめて冷房、暖房、除湿といった運転モードの切り替えくらいはできれば、もっと便利に使えるハズだ。
また、テレコントロールユニットで操作ができるのは松下電器産業製のエアコンに限られる。テレコントロールユニットで、他社製のエアコンをテレコントロールユニットで操作することはできないので、購入する際は自分が使っているエアコンがテレコントロールユニットで使えるかを確認しておく必要がある。テレコントロールユニットを買ったのはいいけど、エアコンが対応していないため結局使えなかったなんてことがあると、結局はムダな買い物になってしまうので注意が必要だ。
ところで、このテレコントロールユニットだが、エアコンの運転と停止しかできないものではあるが、未来を感じさせる製品だといえる。外出先から、テレコントロールユニットでエアコンをコントロールするというのは、まさにホームオートメーションなのだ。ホームオートメーションというと、すでにアメリカなどで市販されている製品もある。だが、そうした製品は、自宅のネットワーク環境を整えて、ホームオートメーションサーバを導入してというように、非常に大掛かりなものがほとんど。できることは多いが、設置できる環境は限られてしまうし、なにより手間とお金がかかってしまう。そうした大掛かりなオームオートメーションの機器を導入しなくても、手軽にホームオートメーションの世界を経験できるテレコントロールユニットは、単純ではあるが非常に優れた製品だといえるだろう。
テレコントロールユニットでは、エアコンのコントロールしかできない。だが、家庭内の電化製品は、エアコンに限らず赤外線でコントロールできるものは多い。ビデオやテレビなどのAV機器、最近は照明なども赤外線リモコンでコントロールできるものもある。エアコンだけではなく、そうした製品もコントロールできる製品があったら、もっと面白く便利な世の中になるに違いないと思う。ケータイを使って自宅に電話をするだけで、部屋の温度が快適になり、照明と音楽が暖かく出迎えてくれる、ついでにお風呂も沸いている。そうした便利さを誰でも体験できる世の中は、ほんとうにもうすぐやって来るのだ。
■ 評価(最高点は★5つ)
イバリ度 |
★★★★★ |
間違いなくイバれます。たとえば、彼女を自分の部屋に招待するときに、あらかじめケータイでエアコンの電源を入れておきましょう。「何してるの?」って聞かれたら気配りをアピールするとともにイバりも少しいれれば、ポイント高いかも。 |
実用性 |
★★★★★ |
これ以上ないほど実用的。エアコンの運転のオン、オフしかできないとはいえ、とても便利に使うことができます。 |
お値段 |
★★★★ |
本体の値段は比較的安価。ただ、ランニングコストもかかることをお忘れなく。出先からエアコンをコントロールするときは、当然電話代もかかります。 |
価格 |
1万円 |
自宅にいないことが多い人は、是非使ってみてください。また、よくエアコンの電源を消し忘れて出かけてしまう人にも使って欲しい一品です。主のいない部屋でエアコンだけが動いているといった、ムダに電気代だけが消費される事態を防止できるし、帰宅したら暖かい(涼しい)部屋がお出迎え、といった近い未来ではきっとあたりまえになることを先取りできます。 |
利用期間 |
2年 |
1日あたり単価 |
13円 |
・ パナセンス
http://www.sense.panasonic.co.jp/
(広野忠敏)
2002/10/02 11:34
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