ケータイ Watch
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おとなのおもちゃタイトルGIF
極めて身近な省エネの実現 太陽工房「バイオレッタソーラーギア」
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 この連載で取り上げている製品の多くは、電気を使って駆動する。デジカメにしてもPDAにしてもケータイにしても電気がなければお話にならないのである。パワーの源となる電気といえば、昨今地球温暖化の悪影響が問題視されているように、決してクリーンなエネルギーとはいいがたいのが現状。つまり、我々がデジカメなりPDAなりケータイを使うということは、とても地球にやさしくないことなのである。このように、この連載では、どちらかといえば地球にやさしくない製品ばかりをとりあげてきたわけだが、今回紹介する「バイオレッタソーラーギア」は、そうした製品とはかなり異質な、とても地球にやさしいアイテムなのである。


乾電池、どうしてますか?

 読者の皆さんは乾電池、使ってます? 回りを見渡せば乾電池を使う製品は、かなりゴロゴロ転がっているのが現状だといえるはず。テレビのリモコン、時計などなど、きっとかなりの量の乾電池を消費しているだろう。このように乾電池を使う製品が予想以上に多いため、よく使うと思われるであろう単3や単4乾電池を買い置きして使っても、イザ使いたいときにはストックが切れてしまったという経験をしたことがある人もいるのでははないだろうか。乾電池といえば、最近はニッケル水素充電池を使った製品も多い。デジタルカメラやMP3プレーヤーなど、デフォルトでニッケル水素充電池が付属していて、そいつを家庭用の電源を使って充電して使うというスタイルも身近になっている。

 ところで、デジカメやMP3プレーヤーなど、ニッケル水素充電池を使う製品が増えてくると、身の回りの乾電池をぜーんぶニッケル水素充電池にしてしまえば便利なんじゃないかって考えが頭に浮かぶと思う。充電器や十分な量のニッケル水素充電池を用意しておけば、初期投資は必要だが、かなり快適な充電池ライフを実現することができる。なにより、電池がなくなってもわざわざ買いに走る必要がなく、繰り返し使えるのがいい。また、あらかじめ充電済みのニッケル水素充電池がいくつか余るように準備しておけば、ニッケル水素充電池が必要なデジカメなどを急に使いたくなったときに充電し忘れて、結局使えなかったということも起きないため、なかなか気持ちがいいのである。


太陽光線でニッケル水素電池を充電しよう!

バイオレッタソーラーギア

 このニッケル水素充電池と「地球にやさしい」というキーワードを結びつける製品。それが、太陽工房の「バイオレッタソーラーギア」なのである。バイオレッタソーラーギアの一番の特徴は、太陽光線でニッケル水素充電池を充電できること。いままでは家庭用のAC電源を使ってニッケル水素充電池を充電していたはず。つまり、地球にやさしくないし、電気代もかかっていたというわけ。バイオレッタソーラーギアを使って、太陽光線で充電すれば、地球にもやさしいし、電気代を払わずに充電することができるのだ。また、電池を充電するのに、家庭用のAC電源の必要がないため、太陽光線さえあればどこでも充電できるというメリットもある。さらに、バイオレッタソーラーギア本体は非常にコンパクトに作られていて、たとえばパネルだけをバッグの外に出して、本体をバッグにいれておけば、携帯しながら移動中に充電をすることも可能だ。

 バイオレッタソーラーギアで、一度に充電できるニッケル水素充電池2本まで、単3形と単4形の両方に対応する。充電可能な電池は専用の「バイオレッタ」充電池のみ。市販のニッケル水素充電池をバイオレッタソーラーギアで充電することも理論的には可能だが、充電池を痛めたり、破裂、出火などの事故が起きる可能性もあるため、専用充電池の利用以外の保証はされないので注意が必要だ。バイオレッタ充電池は、バイオレッタソーラーギアで充電をすることが前提で作られているので、安全に充電ができる。ちなみに、バイオレッタ充電池の容量は単3形で1600mAh。デジカメなどの高容量なニッケル水素充電池を必要とする機器の駆動も可能だ。

 理想的なのは、充電池を4本以上準備して、それぞれの充電池を循環させて使う方法だろう。4本あれば、充電された2本を、バッテリが必要な機器で使い、残りの2本をバイオレッタソーラーギアで充電しておく。太陽光線を利用するということでAC電源を使った充電よりもかなり時間がかかるので、実際に使ってみると忘れたころに満充電になるという感覚だが、4本以上の充電池を使えば、バイオレッタソーラーギアで充電、満充電になったら外して新しい充電地を充電、必要に応じて充電池を利用するというように、充電池を循環させれば効率よく使うことができる。


 なお、気になる充電時間だが、カタログスペックでは単3形の専用充電池の充電に要する時間は約14時間。これは、パネルに常に理想的な角度で日照があった場合に限られるので、現実はこれ以上の時間がかかることになる。実際に日当たりの良い部屋に窓ガラス越しにバイオレッタソーラーギアを置き、単3形の専用充電池を充電してみたが、満充電までには4日程度の時間がかかった。もちろん、この時間は状況によって変化するが、4日で単3充電池2本をいつも消費するなんてことはめったにないため、普通に使う限りは支障はないと思われる。なお、バイオレッタソーラーギアは、お互いに連結させることができるようになっているのも面白い。バイオレッタソーラーギアを2台連結させれば、1台のときよりも短い時間での充電が可能だ。

 つまり、身近にある電池を「バイオレッタ」充電池に、充電方法をバイオレッタソーラーギアにしてしまえば、初期投資はかかるが、それ以降はまったく電気代あるいは電池代を使わずに電池を利用できるというとても気持ちの良い状態に持っていくことができるというわけだ。


オプションを組み合わせてパワーアップ

USBパワーアダプタ

USBパワーアダプタ
 バイオレッタソーラーギアの基本機能は、「太陽光線のパワーで充電池を充電する」ことだが、オプションを組み合わせることで、さらに色々なことができるようになっているのが面白い。

 1つは「ケータイ充電ケーブル」。バイオレッタソーラーギアにケータイ充電ケーブルを接続すると、太陽光線を使ってケータイを充電することができるようになるのだ。バイオレッタソーラーギアだけでバッテリのなくなったケータイをフル充電するのは時間がかかるためあまり現実的ではない。バッテリのなくなった状態で、直射日光に10~30分程度当てることで通話できる状況になるので、緊急時に利用できるだろう。

 2つめは「USBパワーアダプタ」。これは非常に面白いオプションなのである。バイオレッタソーラーギアにUSBパワーアダプタを装着すると、USBバスパワーとして電力が発生する。つまり、USB経由で充電できるケーブルがあれば、ケータイだろうとデジカメだろうとPDAだろうと何にでも充電できるということなのだ。

 USBパワーアダプタで、もうひとつ面白いのが電力供給方法。バイオレッタソーラーギアに、充電済みのバイオレッタ充電池がセットされているときは、太陽電池パネルから電力が供給されるのではなく、充電池からUSBに電力が供給される仕組みになっているのである。つまり、日照がある昼間は、別の機器を太陽電池で直接充電したり、充電池の充電を行なう。日照がない夜間や曇り、雨の日は、太陽電池からではなく、充電池から別の機器を充電できるわけ。このことによって、日照がなければ使うことができないという太陽電池独特の欠点がなくなるわけで、利用できるフィールドは非常に多い。充電されたバイオレッタ充電池とバイオレッタソーラーギアをいつも携帯しておけば、緊急時の充電手段として非常に使えるアイテムになるだろう。

 なお、ケーブルは市販されているUSBに対応した充電ケーブルならば大丈夫。すでにUSB充電ケーブルを持っているなら、それをそのまま使うことができる。また、USBバスパワーを利用するLEDライトや扇風機などを駆動することもできるので、アイディア次第でとても面白い使い方ができる。直射日光で暑すぎるときに、バイオレッタソーラーギアでUSB扇風機を駆動して涼を取るなんていう使い方も面白いだろう。


各種オプション
 オプションも豊富。これらのオプションを駆使すれば、携帯電話やPDA、デジタルカメラなどが動かせる

■ 評価(最高点は★5つ)

イバリ度 ★★★★  状況次第ではイバれるかも。たとえばカノジョのケータイのバッテリがなくなったときに、バイオレッタソーラーギアで充電してあげると喜ばれるのではないでしょうか。
実用性 ★★★★★  とても実用的。ただし、実用的に使うためにはそれなりの投資が必要です。
お値段 ★★  本体は5000円とそれほど高くありません。真剣に使うことを考えてみましょう。電池を循環させて使いたいから、充電池は4本(2000円/単3形)は最低必要。USBパワーアダプタ(2500円)も欲しい。対応する機器の充電ケーブルも欲しい。扇風機を駆動して目立ちたいからUSB扇風機も欲しい。せっかくだから自宅に置いて勝手に充電させとく用と、持ち歩き用と2台欲しい。と、結構お金かかります。
価格 本体 5000円
充電池(単3)4本 2000円
USBパワーアダプタ 2500円
合計 9500円
 専用充電池の充電可能回数は500回。とはいうものの、一度これを使い始めて、家中の乾電池をぜーんぶバイオレッタ充電池にすると、それ以降は電池については、ほとんどお金がかからないと考えても良いくらい経済的。まあ、それなりの投資は必要ですけどね。なお、太陽工房のホームページでは、充電ケーブルなどをセットしたバイオレッタソーラーギアを販売しているので、興味がある方はどうぞ。
利用期間
1日あたり単価 限りなく0に近いくらい


・ 製品概要
  http://www.violetta.com/

「バイオレッタ ソーラーギア」、太陽光で携帯充電
太陽工房、太陽光使用の充電器「ソーラーギア」に新色追加
太陽工房、「バイオレッタ ソーラーギア」専用のUSBアダプター


(広野忠敏)
2002/08/28 11:56

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