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ウィルコム W-ZERO3ゲットぉ!!
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


ウィルコム W-ZERO3ゲットぉ!!

ウィルコム「W-ZERO3」。キーボードを備えたPDAタイプのスマートフォン端末だ
 オッサン化が著しい俺の場合、最近はウッカリしているので、時代を変えるかもしれないスマートフォン端末ことW-ZERO3を買い損ねた。12月14日に発売されたW-ZERO3だが、あれよあれよと言う間に完売&超品薄となり、買えずじまいで2005年を終えることに。

 だが2006年に入ったら生産が追いついたのかW-ZERO3端末が出回ってきた感じ。んで、買えずに「くそ~!! もう要らないし!!」とか逆ギレしていた拙者ではあったが、新年迎えて心機一転ついでに「買えるなら買うし!!」てな心意気となり、2006年1月半ばにようやく購入。で、現在までW-ZERO3を使ってきたので、そろそろ(時期ハズれの!?)レポートをば。

 W-ZERO3はPHSのウィルコムのスマートフォン端末。大雑把な話、W-ZERO3一台で通話もできてメール送受信やWebページ閲覧等もできて、個人情報管理(WindowsPCとの連携も可能)ができたりする。従来の携帯電話端末よりもさらに高度・汎用的に使える情報通信端末である……とかって話はこのよーなWebサイトにおいて釈迦に説法ですか?

 ともあれW-ZERO3をイジって遊んで使って利用してる俺なんスけど、単純に俺的視点から言って、この端末、かなり便利っス。電話機として見てどうの、PDAとしてこうの、というプチ難点もあるのだが、考えてみれば“まさにコレ”を“数年越し”で望んでいた拙者なのであった。

 てなわけで、ややW-ZERO3に入れ込み気味のスタンスとなってしまうかもしれないが、以降にW-ZERO3に感じたアレコレを書いてみたい。なおW-ZERO3の詳細に関してはウィルコムの機種ラインナップページや、端末メーカーであるシャープの製品紹介ページをご参照いただきたい。



俺的には“オイシイどこ取り”の端末

 唐突かつぶっちゃけた話、W-ZERO3は“いわゆるスマートフォン”とは少々毛色が違うように思える。俺が持つスマートフォンのイメージは、ベースが携帯電話で、そこにPCに似た情報処理機能が盛り込まれたというもの。電話生まれの情報通信端末という感じだ。

 W-ZERO3はどうかと言えば、率直なところ、PDA(っていうかPocketPCてゅーかWindows Mobile端末)そのもので、そこにアプリケーション&ハードウェアとして携帯電話の要素が入っているという印象だ。

 毛色がどうのベースがどうの……って何の話? と思われるかもしれないが、W-ZERO3を一般に言われるスマートフォンとして見てしまったり買ってしまったりすると、恐らく大きな違和感を感じるだろうということ。


NTTドコモ「FOMA M1000」。W-CDMAおよびGSM/GPRS方式に対応するモトローラ製端末。Symbian OS 7.0を採用し、2.9インチのタッチパネル式液晶を搭載。数字キーはなく、ソフトウェアキーボードを利用する

「Vodafone 702NK(Nokia 6630)」。2004年に発売されたW-CDMA/GSMデュアルネットワーク対応スマートフォン端末
 実際、敢えて自分のスタンスを制御し、いわゆるスマートフォンを考えるモードとし、W-ZERO3とドコモのFOMA端末M1000と比べたりすると、後者が非常に自然な使い勝手だと感じられる。M1000は携帯電話ベースの端末なので、(テンキーの有無とかってコトはまた別として)携帯電話としてまあまあスンナリ受け入れられる。一方、W-ZERO3について「ソレって電話なんですよね!?」と言われたら「あ、ていうか、あの一応、ん~と……ぁぅぁぅ」といった心境になる。

 しかし、W-ZERO3がPDA──Windows CEの系譜のWindows Mobile端末だと知った上でソレを考えると、もーコレは非常にナイスでありかつジョリーグッドなデバイスだと思っちゃう俺。そういうスタンスで見ると、ここまで使い甲斐のある端末はナイと思われる。
 拙者の場合、PC上の各種データを軽快に持ち歩きたいと考え、過去に様々なPDAを試してきた。また、同様の意図を持って、データのハンドリングが良さそうな携帯電話端末も多々試してきた。いくつかは「非常に便利!!」と感じられたが、しかしそれでも、どこかになーんか釈然としない物足りなさが残ったものだ。

 例えばPDAの場合、PCとのシンクロナイズにおいて多くの機種が実用的だ。Windows&Outlookを使っている俺にとっては、Windows CE端末はわりあい理想に近いPDAだ。が、一方では「PDAもいいんだけど、今時的サブノートのほーが何かと便利だよネ」とか思っていた最近である。

 携帯電話端末に関しては、前述のM1000を始めとするスマートフォン端末は確かに便利。Vodafone 702NKも良かったですな。ただ、両機ともソフトウェア的には高機能なのだが、ハードウェアがその機能に付いてきていないように感じられた──処理性能云々も少々あるが、大きくは「そこまでやるためのハードウェアインターフェイスじゃないような……」という気分が残った。

 ライターの中に仕込まれたスパイカメラは、特定のユーザーにはスゲく便利だし、特定の人でなくともモノ的にソソられたりもするが、それってホントに現実的? と。やっぱさぁ、モバイル指向のノートと単なるケータイ持ち歩くのがいちばんさぁ、ね、わかるっしょ? みたいな気分の俺だった。

 そこに来てW-ZERO3。コレはPDAなのである。PDA寄りである拙者においては、一連のスマートフォンよりも使い勝手が良い。のに加え、このPDAにはPHSが内蔵されている。通話できるのであり、けっこー高速な通信もできる。さらに!! QWERTYなキーボードまで実装してるし無線LANにも対応!! そして使ってみたらいきなりスンナリと常用できるわ実用的だわでキャーこれ好きっ!! という状態に!!

 何となくわかっていたつもりだったが、W-ZERO3を見て、我が意を得たり~ムヒヒヒヒと思った拙者なのだ。PDAの良さと、ケータイの手っ取り早さと、PCの利便。それぞれの全てとは言えないが、それぞれのオイシイ部分を集約したW-ZERO3に、俺ったらグッとキちゃった。


W-ZERO3だけで済ませる気になる

W-ZERO3のOSはWindows Mobile 5.0。上はスタート画面だ。Windowsユーザーには馴染みやすい雰囲気はある

プログラムファイル画面。これもWindowsユーザーには非常に馴染みやすい感じではあるが、実際操作するとなると、PCでWindows XPを使うのに比べてかなりカッタルイところがあったりする
 誤解を招かぬように書いておきたいが、恐らくWindows CE系のPDAに触れたことがないor慣れていない人は、電話としてもネット端末としても情報端末としても、最初はW-ZERO3に戸惑うと思う。

 W-ZERO3のOSはWindows Mobile 5.0なんですけど、一応Windows風なのでWindowsユーザーには多少馴染みやすい雰囲気はあるんですけど、しかし、Windows XP等と比べると、いろいろな意味で回りくどさがある。Windowsという名が付いているあたり、さらにそうで、「こんなのWindowsじゃないじゃん」という人がいそうだ。

 また、携帯電話だと考えたりすると、さらに違和感がありそう。例えばケータイのように、何となくメニューを辿ってボタン押せば何とかなる、ようなコトもたまにあるが、だいたいよくわかんなくなったりして疲れると思う。

 Windows CE系のPDAについて、ある程度知っているか、もしくは積極的に知る気があれば、恐らくW-ZERO3は非常に楽しい(便利なフリーソフトとか多数ある)し、自分の目的をスマートにこなせる強力な端末となるだろう。だが、新しいOSやユーザーインターフェイスを面倒とかカッタリィとか思った途端、ムカついて解約して白ロム誰かに売りたくなる端末になりがちだろう。ま、ある程度の敷居の高さについては他のスマートフォン系端末と同様ではあるが。

 ていうかですね~、料金的にもサービス的にも魅力のあるウィルコムの端末なんだから、W-ZERO3のユーザーインターフェイスがいきなりWindows Mobileってどーなのよ!? とか思ったんスよ。OSがソレでもいいとは思うが、世の中に一発当てる端末なんだろうから、モロにWindows Mobileじゃなくて、それを覆い隠す初心者向けシェル──携帯電話風なインターフェイスでOSの各機能・アプリ等にアクセスできる(し、シェルを切ればモロにWindows Mobileにもなる)よーにするとか工夫したら、問題なしで(非ザウルス派・非PDA派の)初心者も取り込めると思った。ま、余計なお世話ですな。

 ともかく、そういうことを含めた上で拙者的印象を言えば、かなり便利っすよこの端末。思わず使いすぎて連日バッテリー切れ状態だ。

 まずWindows PCとのシンクロナイズ。PC側にActive Sync入れてW-ZERO3とUSB接続してポチッとクリックする程度で、俺の常用Outlook上のデータとW-ZERO3上のデータが完全にシンクロナイズりまくる。IE上のお気に入りもW-ZERO3に反映される。ファイル転送もドラッグ&ドロップで完了。すなわちPC上の連絡先、メール、メモ、URL、各種ファイルがW-ZERO3上にスギャッと転送されるのであり、W-ZERO3上で更新したデータはPC上に反映される。

 データを詰め込んだW-ZERO3を外に持ち出すと、改めてWindows CE系PDAがWindows野郎にとって激便利であることを痛感する。プチプチとマウスをクリックした程度なのに、常用のデータがこの板っ切れの中に入っているのだ。連絡先(アドレス)データをPC上と同様に使えるのはもちろん、PC上で受信したメールに添付されている各種ファイルなんかも開ける。またW-ZERO3の場合はそのまま通信を行なえるので、お気に入りやメール上のURLを即座に開いてWebページを閲覧できる。通信経路はPHS回線でも無線LANでもOK。


 これに近いことができるスマートフォンは(国内に)いくつかあるが、W-ZERO3の強みは何つってもキーボードだ。これがあることによって、いろんなコトを、やる気にさせてくれる。

 ひとつはメールをビシバシ書く気にさせる。拙者はケータイにメールを転送しているが、ケータイじゃぁ長い返信をする気になれない。が、W-ZERO3だと「すぐに返信すればこの件が済む」と考えるようになる。もらったメールにある程度詳細な返信を書き、その場で用件を済ます気になる。送信に関してもそうで、思いついたら(忘れないウチにってのもあって)ザザザッと書いて送っちゃう。そういう気にさせるのはキーボードがあるからだ。ま、PCのキーボードよりも打ちづらいことは確かだが、ケータイのテンキーやスタイラスでの日本語入力と比べたら、(俺の場合は)W-ZERO3のキーボードの方がずっと効率が良い。

 それとWeb。HOT SPOTは使っていない拙者ですけど、Webで何か調べたいとか登録したいとか思った時に即フルブラウザが使えるのは良い。屋外ならPHSで接続し、家なら無線LAN。常にネットへアクセスできるのはやはり便利だし、それをポケッタブルな端末でヤレるのが実用的だ。また、検索やページへの文字入力時、やはりキーボードが扱える点で非常に効率が良い。ブログな人なんかにも便利なんじゃないだろうか。

 さらに、と言うのもヘンだが、そういった機能を持ちつつ、W-ZERO3は携帯電話なのである。多少厚めデカめ(思った以上に軽いスね)だが、サブノートよりもずっと携帯性に優れている。すなわち上記の機能をポケットに入れて持ち歩けるってのがステキ。

 他にも多々便利な瞬間はあるのだが、振り返ってみると「これまでのモヤモヤは何だったのか」と思ったりする。多少メール書くなら入力を考えてサブノートを、出先でWeb見るのは大がかりになりそうなのでプリントアウトを、住所録は一応ケータイに転送してたけど……最新のはどうたったかナ? という意識を“しないで済む”のが俺にとってのW-ZERO3だったりする。コレ持ってりゃ大丈夫、とラクに構えられるのがスゲく良い。


本体上部をスライドさせると現われるキーボード キーボードがあることで、メールをビシバシ書く気にさせる

電池はもつけど、すぐ切れる感じ

 W-ZERO3は電池が持たないなァ~、という印象があった。のだが、考えてみると、スペック上はそんなに持続力のない端末ではない。また、通話やPHS接続および無線LAN接続に加えてウィルコムメールの自動受信まで含めていろいろやってても、まぁ合計で1.5時間程度はもっている感じ。

 思うに、使うケースが非常に多いのだW-ZERO3は。ん? と思ったらメール書いちゃうし、あ!! と思ったらWeb見ちゃう。家に居てW-ZERO3でググったりすることも多い。

 それと、個人的に多いのは、W-ZERO3上でExcelファイルやPDFを閲覧すること。W-ZERO3購入当初は「PDAで表とかPDFとか見ねーだろ」と考えていたが、これがけっこーヤルのだ。仕事上、最近はメールでリストとか資料とか貰うことが多く、これを仕事現場まで持って行くと話(打ち合わせや場所探し)が早いことが増えている。これまではそういうファイルをサブノートに入れて持ち出すか、ソレが面倒な時はプリントアウトして持って行った。

 が、PCとW-ZERO3をシンクロナイズさせると、えーと、その程度で完了。スケジュール等が示されたExcelファイルをこの端末だけで閲覧できる。PDFも同様。また、メールにPDFがあるURLが記されている場合でもW-ZERO3でソコにアクセスすれば、そのPDF資料を手に入れられる。

 てな感じで、要するにこれまで他の手段や機器を使っていたことを、W-ZERO3に任せられるケースが増えている。ので、何だかんだでW-ZERO3をコキ使ってしまう。よって、スペック上はそーんなに持ちが悪くないハズの電池も、けっこー簡単に消耗されてしまう。

 W-ZERO3購入当初、スペックにある“連続通話約5時間・連続待ち受け約100時間(電波状態ランプ点灯時)”というのを見て、(ケータイで長話しない拙者なので)「まぁそのくらい持てばPDAとしてもOKっしょ」と思ったのだが、実際のところ、予想以上に全然スタミナ不足だ。マジでW-ZERO3用の電池パックが超必要。2本くらい予備がないと安心できない俺だったりする。

 そんな拙者が思うに、W-ZERO3の充電方法はなーんとまあ不便なのか、と。W-ZERO3に充電する場合、本体の小さなカバーを外し、ACアダプタからのプラグを差し込んむというカタチになるが、どーして充電用クレイドルがナイのか!! と。かなり使える端末だけに、充電時の不便さにガッカリである。

 もうひとつ、Windows Mobile端末としてUSB接続用クレイドルが存在していない点もガックシ。W-ZERO3とPCとのシンクロナイズは、充電時と同じく小さなカバーを外したところにUSBケーブルを接続して行なうのだが、これもまたプチ面倒。充電もシンクロナイズも、その方法が全然スマートじゃないスマートフォン……じゃないのかコレは電話機内蔵型PDAだったっけ!?


電話いっぱいかける人には……微妙!?

 俺とか積極的にケータイで電話かけるヤツじゃないし、受けても手短に済ますタイプなんで、そーんなには気にならないが、W-ZERO3を電話機として見るとけっこー使いにくいと思う。ま、よく言われていることのようだが、通話時に液晶の面が頬に当たってアレだとか、携帯電話然とスムーズにダイヤルできないとかってコトですな。

 Windows CE慣れしている拙者の場合、発信時に大きな違和感を感じることはない。つーかPDA上のアドレスデータ=Outlook連絡先から直に電話デキちゃうだけで嬉しいと言えよう。しかし、一般の携帯電話と比べたら、通話にコギつけるまでいくつか余計な手間がかかる。特に電話帳(連絡先;電話番号やアドレス等の個人データが入っている)をもとに電話をかける場合だ。

 まぁコレはOS付属のアプリのせいなんですけど、Windows Mobileの連絡先は相変わらずなーんか扱いにくい。適宜扱いやすいソフトを自分で入れろってコトではあるが、結論から言えばスタイラスを使わないとクイックな電話番号検索ができない。最近の携帯電話だと、電話帳呼び出してテンキーで読み仮名入れた瞬間候補出たりするじゃないすか。でもW-ZERO3の場合は、それをするにもいちいちソフトウェアキーボード等で文字入力するような手間があったりして回りくどい。

 一瞬、通話機能をつかさどるアプリがヘボいのか未完成なのか、とか、通話機能を敢えて不便にすることによりウィルコム的には通話専用端末が売れてウヒヒヒなのか、などと思ったりもしたが、Windows Mobileだからというよーな気がする。結局こーゆー端末を使うユーザーは、自発的に機能を選んで活用する指向が強かったり強くなったりするわけで、その時に他のアプリと違う指向のインターフェイスが(電話機能として)あったりすると戸惑うのだと思う。

 Windows上なのにWindowsアプリらしからぬインターフェイスのソフトだったりするとヤでしょ? Windowsだけどお仕着せがましいシェル被っちゃってる公共施設のヘンな情報端末とかヤでしょ? みたいに思ってくれちゃって作られちゃった結果、なの、かも、しれない。

 と、やや強引に電話機としてもW-ZERO3はヨシと考えようとしているPDAびいきの拙者ですけど、どうにも激しく哀しいのは、W-ZERO3がBluetoothモジュールを搭載していないこと。これスゲく残念。

 Bluetooth対応なら、Bluetoothヘッドセット使えただろうに──通話時に液晶が頬の脂で汚れたりしないし両手でW-ZERO3の連絡先等を操作してのスマートな通話ができたろうに、と思う。また、やっぱりPCとシンクロナイズさせてナンボだゼと思う拙者においては、W-ZERO3とPCを無線でシンクロナイズさせたかったなぁ、と。なんだか無線LAN経由ではPCとのシンクロナイズができないようなので、ホントにBluetooth非対応は惜しまれるところだ。


W-ZERO3からW-SIM抜いてDDで使う

W-ZERO3はW-SIMに対応している

ウィルコム「DD」(WS002IN)
 W-ZERO3購入時、なんかイロイロと手間や時間やかかりそーで面倒なので、それまで使っていたPHSデータ通信カード(の回線)を解約して、新規でW-ZERO3を契約した。直後、あ!! そうだW-ZERO3はW-SIMを使う端末だ!! ということで、DDも購入してみた。

 W-SIMは、ウィルコム独自のPHSモジュールだ。PHSの中核部分(データ通信や通話に関わる機能、アンテナ、メモリ等)がこの小さなカードに詰め込まれている。W-ZERO3にもこのW-SIMが入っており、このW-SIMを抜いて他の機器に挿せば、W-ZERO3のPHS関連通信機能は使えなくなるが、他の機器でPHS関連通信機能を使えるようになる。要は、回線契約がひとつでも手軽に複数の端末を使えるってわけですな。

 ただし、現在のところ、W-SIM対応端末はW-ZERO3とDDのみ。こないだまではTTがあったが、あらま販売終了!? 新しいW-SIM対応端末が出てきたりするんでしょうか? それともウィルコムの回線いっぱい売るぜ作戦に反する構想としてW-SIMは縮小し(以下略)。

 さておき、DDを使った印象だが、予想に反して便利っす。ある種の衝動買いみたいな感じでDDを買った俺なんですけど、単純にCFタイプやPCカードタイプのPHSデータ通信カードより(接続性の面で)スマートに使えるし、W-ZERO3とフツーに共存するなァと感じる。

 W-ZERO3と併用してのDDの使用感だが、W-ZERO3からW-SIMを抜き差しする手間を除けば、あぁこのカタチは理にかなっているなぁと思う。ウィルコムにはデータ通信向きの料金プランがあるし通信速度も十分実用的だと感じられるってのもあるが、W-ZERO3をPCに接続しての通信するよりもW-ZERO3の電池が節約できるのが大きい。回線も一回線の契約で済むし。

 DDはUSB接続なので、サブノート等に対しては外付けのカタチになり、CFカード等の通信カードみたいにスッキリとPCに収まらない。当初はこの点がカッコ悪いかも、と思っていたが、そーゆー感じでもなかった。

 DDのUSBケーブル(というかアーム!?)は、携帯時にはDD本体に留めてまとめておける。PCとの接続時は、その状態のまま付属の細く短いUSB延長ケーブルを使ってつなぐか、アーム部を本体から離して(アーム先端のUSBコネクタを直接)PCとつなぐ。で、アームを本体から離した状態にすると、アーム自体がやや硬い素材なので、ちょうど90度くらいの角度に立つ。USBポートが横向きに付いているPCなら、さほど邪魔にもならずにPCにセットできる。


 フツーになかなか便利なDDであるが、ただ一点、面倒が。プチ前述したとおり、W-ZERO3からのW-SIM挿抜が少々手間になる──抜く時には電池カバーを外すという簡単そうで煩雑な一手間が要る。まぁDDの難点ではなく、W-SIM対応なのにW-SIM抜きにくくてウィルコムコアモジュール戦略無視感のあるW-ZERO3の問題とも言えるが。

 ともあれ、拙者的には今後もっとW-SIM対応機器が普及してくれたりすると嬉しい。エッジインなLOOXみたいな感じで、例えばサブノートにW-SIMスロットが付いていたりすると、W-SIM携帯電話端末と併用できてイイかも!! W-SIM対応の京ポンとか出ればいいのに!! と期待してしまう。

 というわけで、重箱の隅をつつくようなスタンスで見るとぜひ改善して欲しいようなところもあるW-ZERO3ではあるが、W-SIMの件も含め、他の端末にはないオンリーワン的良さ楽しさをたーくさん持っている。一時は品薄になるほどの売れ行きだそうで何より。せっかく出てきたナイスな新機軸なので、今後のいっそうの進化・発展をいちユーザーとしてマジで願っております。つーか他歴代のスマートフォン系端末みたく先細りになんないでおくんなさい。



URL
  ウィルコム「W-ZERO3」製品情報
  http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/ws/003sh/
  ウィルコム「W-ZERO3」製品情報(シャープ)
  http://www.sharp.co.jp/ws/

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2006/02/13 15:48

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