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「SH-03A」レビュー
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8メガCCDカメラが魅力のタッチパネルケータイ
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シャープ製「SH-03A」は、回転2軸ヒンジ機構を採用し、800万画素CCDカメラを装備するPRIMEシリーズのFOMA端末。多くの部分で、同時期に発売された「SH-01A」と同等のスペックだが、こちらはタッチパネルを搭載しており、カメラ撮影時などで画面に触れて操作できるようになっている。
■ 外観・デザイン
ドコモのシャープ製端末は、ディスプレイ部ボディが90度回転させるサイクロイドタイプや、ディスプレイ部をひっくり返すように回転させて折りたためる、いわゆる回転2軸(スイーベル)タイプ、通常の折りたたみタイプという形状が採用されてきた。2009年冬モデルを見ると、SH-01Aがサイクロイドタイプ、12月26日発売のSH-02Aが折りたたみタイプで、今回紹介するSH-03Aは回転2軸タイプ。過去のラインナップを見ると、回転2軸タイプは90Xiシリーズで多く採用されてきた。SH-03Aは、シャープのフラッグシップにおける中心的なデザインを継承したモデルとなっている。
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回転2軸ヒンジを採用
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ディスプレイを露出したまま、折りたたんだ「ビューアポジション」
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ボディカラーはBlack、White、Pinkの3色。今回紹介するBlackは、フロントパネル(サブ液晶がある面)は透明感のある、フラットなプラスチックパネルが用いられている。手で触ると指紋が目立つが、光沢感があり、質感は高い。
左側面を見ると、ディスプレイ側ボディには、伸縮型のワンセグ用アンテナがある。右側面には、プッシュトークボタンと、充電台と接触する端子がある。先端部にイヤホンジャック一体型で、充電用ACアダプタの端子を繋ぐ、外部接続端子が用意されている。
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左側面
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右側面
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先端部
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側面のキーはプッシュトークボタンだけ、カバーも外部接続端子とバッテリー部だけとなっており、すっきりした形状となっている。テンキーは、縦方向がフレームレス、横方向では区切られた形で、最下部には「MULTI/GPS/クイック検索ボタン」「TVボタン」「ECOモード/ベールビュー/チャンネルボタン」がある。テンキー上には4つのソフトキー(左上からiモード/iアプリボタン、カメラボタン、メールボタン、アドレス帳ボタン)があり、中央に方向決定キーがある。
決定キーは光TOUCH CRUISERとして、なぞるだけで画面上のポインタを操作でき、パソコンにおけるマウスのようなポインティングデバイスとして使える。また指紋センサー機能も用意されており、セキュリティ面で活用できる。
キー側ボディの裏面には、800万画素CCDカメラと赤外線ポートがあり、バッテリーカバー(リアカバー)を開けると、microSDカードスロット、FOMAカード(UIMカード)スロット、バッテリーがある。
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底面
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伸縮型のワンセグアンテナ
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■ SH-01Aとの違い
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SH-01A(左)とSH-03A(右)の画面を比べたところ
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同時期にリリースされたシャープ製端末のうち、同じPRIMEシリーズに属す「SH-01A」は、対応サービス・機能を見ると、SH-03Aとほぼ同じように見えるが、いくつか異なる点がある。たとえば形状が異なることやインカメラの有無(SH-03Aにインカメラはない)はその代表例の1つ。
SH-03Aのほうが優れている、あるいはSH-03Aだけに用意された機能としては、カメラ機能を見るとわかりやすい。SH-03Aでは、顔認識技術を活かし、笑顔検出シャッターと振り向きシャッターが用意されている。また通常ポジションでカメラを使う場合、名刺を検知すると名刺モード(名刺を読み取るOCR機能)、QRコードを検知するとバーコードモードに切り替わるが、これもSH-03Aのみの機能だ。
このほか、タッチパネルに対応したことで、カメラ撮影時に複数人が画面内に揃っている場合、ピントをあわせたい人の顔をタッチしてフォーカス位置を変更できる、また横画面操作時のメニューは通常よりも大きめで、指で押しやすいデザインが採用されている。
細かな違いを見ると、ワンセグアンテナでは、SH-03Aは伸縮型ロッドアンテナ、SH-01Aは内蔵型となる。ディスプレイのスペックは、解像度や発色数は同じだがサイズが異なっており、SH-03Aは3インチ、SH-01Aは3.3インチとなる。実際に比べてみると
「SH-03Aの画面が小さい」というよりも「SH-03Aが通常サイズ、SH-01Aが大画面」という印象だ。
新サービスのiウィジェットやiコンシェルへの対応、Bluetoothや下り最大7.2MbpsのサポートなどはSH-01Aとほぼ同じ。特にキー側ボディは、SH-01Aと全く同じと思えるほどで、キー配列や押下感なども同じだ。
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SH-03Aのテンキー。
キー側ボディだけ見ると、SH-01Aとほぼ同じようだ
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ビューアポジションでのカメラ機能のサブメニュー。タッチしやすいサイズにデザインされていて、SH-03Aならでは部分だ
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■ カメラ機能
800万画素カメラでは、CCDセンサーを採用している。これまでの携帯電話で多く採用されているCMOSセンサーは小型化に寄与する一方、CCDセンサーは感度の高さなどが強みとされる。SH-03Aもまた、高感度での撮影モードが用意されており、薄暗い部屋での撮影などでCMOSカメラよりも美しい写真になりやすい。また35mmフィルム換算で29mm相当となっており、より広角な撮影もできる。
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800万画素CCDカメラ
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通常ポジションでカメラ機能を呼び出すと、画面下部にソフトメニューが表示される。左上に「設定」があり、カメラの撮影モードやオートフォーカス設定、撮影サイズなど撮影関連の設定項目を変更できる。右上は「サブメニュー」で、データBOXへのアクセスやカメラモードの切り替えなどができる。
下のソフトキーは、左が「笑顔」、右が「振り向き」と表示されている。これは笑顔検出シャッターと振り向きシャッターをONにするもので、押すだけで笑顔検出モード、振り向き検出モードに切り替わる。検知する笑顔のレベルは「サブメニュー」→「カメラ設定」から切り替えられる。ビューアポジション(画面を露出したまま折りたたんだ状態)でも画面右に笑顔検出シャッター、振り向きシャッターをON/OFFするボタンが表示され、画面にタッチしてモードを切り替えられる。
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リンク先は、2448×3264ピクセル、SUPER FINE、接写モードで撮影した画像(3.34MB)
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「名刺モード」「バーコードモード」はSH-01Aにもあるが、先述したように、カメラの標準モードで名刺、バーコードを検出してモードを切り替えるのは、SH-03Aならではの機能となる。なお、自動モード切替は、通常ポジションでの撮影のみ利用でき、ビューアポジションでは機能しない。
最高画質(SUPER FINE)・最大解像度(2448×3264ピクセル)で撮影するのもいいし、ブログなどで使う場合は、中程度の画質(NORMAL)、フルHDサイズ(1080×1920ピクセル)で撮影しても良いだろう。最大解像度での撮影と比べると、フルHDサイズなどより小さなサイズでの撮影は、写真保存にかかる処理時間が短く、サクサク撮影できるだろう。
デジタルカメラでは、太陽や街灯など、強い光を発する光源がカメラに入った場合、“スミア”と呼ばれる現象が起こることがある。SH-03Aでは、スミアの発生を抑えるメカシャッターを採用し、動画撮影時でもスミアを抑えるためにND(減光)フィルタが採用されている。また720×400ピクセル、30fpsでの動画も撮影できる。
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ビューアポジションでの撮影画面
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通常ポジションでの撮影画面。ポジションを変えても撮影解像度は変わらない
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■ タッチパネル
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タッチ操作用のメニュー
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SH906iに続き、タッチパネルを採用したSH-03Aだが、基本的にビューアポジションのときにタッチパネルで操作し、基本ポジションではタッチ操作はできない。
ビューアポジションにすると、タッチパネル用の横画面メニューが表示される。メニュー項目は、上段左から「地図」「フルブラウザ」「ワンセグ」「カメラ」、下段左から「メール」「データBOX」「LifeKit」「ミュージックプレーヤー」となる。“ビューア”ポジションという名称が示す通り、基本的にコンテンツを閲覧するためのメニューとなっており、たとえば「メール」を選んでも、文字入力を含め、メールを作成することはできず、画像閲覧時も編集や削除はできない。
データBOXにアクセスして、写真を見るときには「PHOTO CRUISER」(フォトクルーザー)と名付けられた機能で、ページめくりなどエフェクトをかけて写真を切り替えられる。
タッチパネルで操作すると、バイブレーションが動作して、タッチしたことが分かるようになっている。またマルチタッチ対応で、2本の指を狭めたり広げたりして、画像の拡大・縮小などができる。ちなみに画面右上から左下と、左上から右下へと斜めに指を動かすとショートカットとして認識され、サブメニューが表示される。
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画像一覧。この部分の演出は好みに応じて切り替えられる
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画像を見ながら画面上で指を滑らせると、ページをめくるようなアニメーションで次の画像へ
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■ 基本機能
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文字入力は「ケータイShoin7」
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利用できるサービスや機能は全般的に、先に発売されたSH-01Aと同じスペックとなっている。W-CDMA(HSDPA)方式対応で、下り最大7.2Mbpsで通信できる。またGSM方式にも対応しており、海外で利用することもできる。
メール機能では、追加作成したフォルダを隠せる「シークレット設定」が用意されている。同様の機能は、データBOX(本体のみ)やアドレス帳、スケジュールでも利用できる。ただし、メールとそれ以外のシークレット設定は、個別に設定する形となっており、一括設定/一括解除はできない。セキュリティ関連では、決定キーを長押しすると、「まとめてロック」「ICカードロック」などが設定/解除でき、解除時には指紋センサーが利用できる。
文字入力は「ケータイShoin7」で、予測変換のほか通常変換もできる。また、かな入力モードでも、「ちしぬぬふ」と入力すると、変換候補に「Hello」と表示されるなど、英数字への変換もできる。AXISフォントを搭載するほか、サイトからTrue Typeフォントをダウンロードすることもできる。
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クイック検索
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ワンセグ放送は、コンテンツの仕様自体が15fps(毎秒15コマ)となっているが、SH-03Aではフレーム補間技術によって30fpsで再生する。同様の機能は、他の携帯電話でも搭載されてきた。ダビング10対応で、microSDHCカードに録画できるほか、予約録画時には画面をオフにできる。ワンセグアンテナは伸縮型で、畳んだ状態と比べると、やはり伸ばしたほうが受信しやすいようだ。
「スマートリンク辞書」と呼ばれる機能では、内蔵辞書としてプリインストールされた「明鏡モバイル国語辞典」「ジーニアスモバイル英和辞典」「ジーニアスモバイル和英辞典」が利用できるほか、iモード・フルブラウザでの検索機能にアクセスできる。また、「iアプリ辞書」という項目ではプリセットの「ネット辞典」が呼び出せるほか、好みのアプリを辞書として登録しておくこともできる。
主な対応機能・サービスは、Bluetooth(Ver.2.0+EDR、A2DP、AVRCP、HSP、HFP、OPP、DUN、SPP、HID)、ベールビュー、microSDカードスロット(最大16GB)、ワンセグ(ダビング10対応)、光TOUCH CRUISER(指紋センサー対応)、GPS、ドキュメントビューア、iコンシェル、iウィジェット、きせかえツール、着うたフル、WMV再生、おサイフケータイなど。
■ 製品の位置付け
PRIMEシリーズの1つとなるSH-03Aは、回転2軸ヒンジを採用し、普段は一般的な携帯電話として使える一方、ビューアポジションにするとタッチパネル操作という先端的な機能が楽しめる。一方、加速度センサーはないため、ビューアポジションで端末の向きを変えても画面表示の方向が切り替わるわけではなかったり、タッチパネルで操作できる範囲がある程度限られていたりするなど、スマートフォンのような使い方とは、一線を画している。あくまでも従来のケータイの路線を踏まえて、タッチパネルを進化させたという印象だ。
同時に発表されたSH-01Aとは、カメラ機能などでの違いがあるものの、スペック的には似通っており、甲乙つけがたい。細かな点ではワンセグアンテナが内蔵かどうか、といった比較ポイントはあるものの、カメラ機能やタッチパネルの違いでどちらか選ぶことになるだろう。
全体的にストレスなく操作できるが、データBOXの画像フォルダなどでは、新たに導入された演出などをあえてオフにすることで、さらに軽快に動かすこともできる。このあたりは好みで決めて良いだろうし、何よりON/OFFできるという選択肢の存在はありがたい。
最大の特徴である8メガCCDカメラは、他のキャリアの新機種を見渡しても、シャープ製のフラッグシップ端末にしか搭載されていない。実際に使ってみても、暗い場所での撮影は、予想以上にきちんと撮れて、いろいろと試してみたくなる。毎日いろんな場面で使いたい、楽しい機能の1つだ。ケータイのカメラは手軽に使いたい機能の1つだが、ハイエンド志向の人だけではなく、“ケータイを普通に使う人”にもSH-03Aのカメラの楽しさを味わって欲しい。
■ URL
製品情報(ドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/prime/sh03a/
製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/sh03a/
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(関口 聖)
2008/12/25 13:34
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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