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「Nokia N82」レビュー
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オープンコンテンツを存分に楽しめるノキア製端末
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ソフトバンクモバイルから発売された「Nokia N82」は、ストレート型のノキア製スマートフォン。ノキアのラインナップの中では、マルチメディア機能が充実したNシリーズに位置付けられ、カメラ、動画関連でさまざまな機能を搭載する。「N82」のデザインや基本機能、特徴的なポイントについて実機のレビューをお届けする。
■ 外観・デザイン
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Nokia N82 ブラック
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手動開閉式のレンズバリアを開くと、奥にカメラレンズが現れる
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「Nokia N82」はストレートタイプのボディを採用するノキア製の携帯電話。大きさは約112×50.2×17.3mm、重さは約114gとなっている。ディスプレイ・テンキーが並ぶ表側はいずれもつやのある仕上げで、少々指紋が目立つ印象。背面もつやのあるフラットな仕上げとなっているが、布地を織り交ぜて成型したような独特の模様が特徴となっている。対称的に側面をぐるりと囲むパーツはつや消し処理が施され、サラサラとした手触りになっている。
背面で目を引くのはカメラ部分で、オートフォーカス対応の504万画素CMOSカメラを搭載している。レンズにはカール・ツァイスのTessarレンズが採用され、カメラの起動と連動する手動開閉式のレンズバリアも備えている。キセノンフラッシュを装備しているのも特徴で、見た目にもデジタルカメラのような印象を与えている。
側面に目を向けると、右側面に音量調節ボタン、レビューボタン、シャッターボタンを搭載している。これらのボタンにはバックライトが搭載され、カメラ利用時に点灯する。右側面にはステレオスピーカーも搭載されており、動画再生などで端末を横にした時に最適になるような配置となっている。
左側面には、ノキア独自仕様の充電端子、microSDカードスロット、マイクロUSB端子を備えている。マイクロUSB端子は、パッケージ付属のケーブルを用いてパソコンと接続するために使用する。
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端末右側面。上下の端にはステレオスピーカーを搭載
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端末左側面(写真右上がテンキー側)
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上部には電源ボタンを備えるほか、3.5mmで4極プラグ対応のイヤホンジャックを装備。一般的なイヤホン、ヘッドホンが利用できるほか、パッケージ付属のイヤホンマイクを接続したり、同じくパッケージ付属のAVケーブルを接続してテレビにアナログで映像を出力できる。
ディスプレイは2.4インチ、240×320ドット(QVGA)、1600万色表示の液晶、多くのノキア製端末に見られる反射型の液晶パネルを採用しており、バックライトが消灯しても光源のある環境下では表示内容を確認できる。バックライト消灯後のスクリーンセーバーには時計が表示され、常に日付と時刻が確認できるのは便利だ。
なお、N82はこれまでソフトバンクが販売してきたノキア製端末と異なり、ボディにソフトバンクのロゴが入っていない。このため、一見するとメーカーブランドの端末に見えるのも隠れた特徴と言えるだろう。
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上部には電源ボタンと3.5mmのジャック
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バックライトが消灯しても時刻を確認できる
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■ 基本機能
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Symbian OS S60 3rd Editionを採用
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メニュー画面
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OSにSymbian OSを採用し、ノキアの端末プラットフォーム「S60 3rd Edition」を搭載している。マルチタスクに対応し、起動中のソフトはメニュー画面のアイコン表示にマークが追加される。メニューボタンの長押しで起動しているアプリを選択して終了させることもできる。スマートフォンとして、国内のみならず世界中で利用されているS60向けのソフトウェアをインストール可能。ヘルプ機能が充実し、各場面でオプションからヘルプを選ぶと一通りの解説が得られる。
ソフトバンクのサービスでは、SMS、MMS(S!メール)、新絵文字、留守電話サービス、転送電話サービスを利用可能。パケット定額フルを契約すると、国内におけるMMS(S!メール)とPCサイトダイレクトのパケット通信料が定額で利用できる。一方、Yahoo!ケータイの公式コンテンツは利用できず、着うたやYahoo!ケータイ向けのゲームアプリなどは利用できない。端末の機能としてワンセグやおサイフケータイもサポートされていない。
通話に関連した部分で、日本の携帯電話と海外メーカー製携帯電話で大きく違うのは、自局番号(ユーザー自身の電話番号)の確認方法だろう。N82では、メニューから「電話帳」→「オプション」→「SIM電話帳」→「SIMフォルダ」→「オプション」→「自局電話番号」とたどることで確認できる。
メールはSMS、MMS(S!メール)、Eメールがサポートされる。Eメールはパソコンなどで利用しているアカウントを設定して利用する。日本語入力は予測変換にも対応。テンキーは各ボタンがやや小さく、突起した棒状のデザイン。このため、メールの長文をサクサクと作成するのには向かない印象だ。
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自局番号は「電話帳」からオプションをたどっていく
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MMSのメール作成画面
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フルブラウザとインライン入力の様子。写真はGoogleのモバイル版
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フルブラウザを起動してからの履歴はサムネイルで表示
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ブラウザはいわゆるフルブラウザで、テンキーに割り当てられたボタンでズームイン・アウトの操作が可能。スクロールを連続して行うとミニマップが表示され、ページ全体のどの部分を表示しているのかが分かるようになっている。Webサイトにもよるが、スクロール動作はスムーズだと感じた。検索サイトなどのテキスト入力フォームがインライン入力が可能で、文字入力の度に画面が切り替わることはない。表示履歴はサムネイル画像で表示され、選択できるようになっている。
カメラは前述のように504万画素のカメラを搭載している。シャッターボタンの長押し、メニューから選択、レンズバリアを手動で開けるとカメラモードになる。カメラのファインダー画面は基本的に横向きのUIで、端末を横にして、右側面のシャッターボタンが上にくるようにして撮影する。シャッターボタンは2段押しに対応し、いわゆる半押しでフォーカスロックが可能。
カメラレンズ脇に搭載されたキセノンフラッシュは強力で、赤色のフォーカス補助光が発光された後、シャッターが切れるタイミングで本発光する。コンパクトデジタルカメラでフラッシュを利用したときのような写真となり、暗い場面では重宝する機能だろう。
端末全体としてレスポンスは良好と感じた。ソフトウェアの起動時にワンテンポ待たされる場合もあるが、メニューのカーソル操作から画面の縦横表示の切り替え、連続したスクロール操作など全般的にスムーズに動作する。
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フルブラウザで本誌を表示。ズームイン・アウトしていない100%表示
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50%にズームアウトしたところ
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端末を左に90度回転させると、自動的に横向きの表示に
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スクロール中はミニマップ表示で現在位置がわかりやすい
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薄明かりの室内をフラッシュで撮影したところ。ほとんど真っ暗だった奥まで光りが届いている
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■ 特徴的な機能
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モバイル版YouTubeの閲覧が可能
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動画再生時にはRealPlayerが起動する
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大きな特徴ともいえるDLNAサーバー機能。無線LANが利用できる家庭内ネットワークで楽しめる
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N82はマルチメディア機能が充実した端末で、写真のアップロード機能や、音楽・動画コンテンツへの対応、Webコンテンツの利用、パソコンとの連携機能が特徴となっている。
カメラは、ブログへのアップロード機能と連携でき、撮影後すぐにアップロードできる機能が用意されている。シェアオンライン機能により、初期設定では「mixi」「Vox」に対応している。
GPS機能を搭載しており、プリインストールアプリの海外向け地図アプリ「Nokia Maps」や、無料でダウンロードできる国内向けの地図アプリ「NAVITIME」で利用可能。写真撮影時に位置情報を付加することができ、画像フォルダで写真を閲覧してオプションから地図に表示することも可能になっている。
モーションセンサーを搭載しており、画面は通常の縦向きの表示に加えて、本体を反時計回りに45度回転させると、横向きの表示も可能。アイコンメニュー画面や写真の閲覧、フルブラウザ、動画再生時などで自動的に回転する。自動切り替えは設定でオフにすることも可能。また、待受画面ではノキア端末向けのウィジェットコンテンツも利用できる。
音楽再生では、WMA、mp3、MIDI、AMR、AAC、AAC+、eAAC、WAVの各形式に対応する。動画再生はReal Playerでの再生のほか、Flash Lite 3をサポートすることでYouTube MobileをはじめFlash Videoコンテンツも閲覧可能。「ビデオセンタ」メニューからモバイル向け動画コンテンツを探して閲覧することもできる。
ユニークな機能として、DLNAサーバー機能を備えており、家庭内のネットワークにおいてDLNAサーバーとして稼働できる。これにより、DLNAクライアント対応機器から、N82の中に保存された共有コンテンツを閲覧できる。例えば、ゲーム機「プレイステーション 3」はDLNAクライアント機能をサポートしており、N82内で共有指定した写真や動画を、プレイステーション 3と接続されたテレビ画面で楽しめる。
パッケージ同梱のDVDやノキアのWebサイトでは、Windowsパソコン向けの管理ソフト「Nokia PC Suite」が提供されており、電話帳やカレンダーのバックアップのほか、ドラッグ&ドロップで動画をN82で見られる形式に変換して転送する機能も備えている。また、同じくパソコン向けソフト「Nokia Photos」では、撮影した写真をパソコン上で管理できる。
無線LANはIEEE802.11b/gをサポート。BluetoothはVer.2.0で、プロファイルはA2DP、AVRCP、BIP、BPP、DUN、FTP、HFP、HSP、HID、OPP、SAP、SYNCに対応する。赤外線通信には対応していない。
■ 位置付け
日本の携帯電話とは異なる文化で成熟した印象の、ノキア製スマートフォン。Yahoo!ケータイの公式コンテンツは利用できないが、着信音、待受画像、アプリなど無料のコンテンツがダウンロードできるメニューが用意されている。また、ソフトバンクグループのBBソフトサービスからは、Symbian OS対応アプリのダウンロードサイトも提供されている。
パソコン向けソフト「Nokia PC Suite」が提供されているのも特徴で、管理機能や動画変換・転送機能も充実している。ノキア製端末以外は利用できないが、Outlookとの連携も行えるなど、使い勝手は高い。携帯電話での利用のみならず、パソコンでインターネット上のコンテンツを積極的に利用しているユーザーには使いこなす価値があるだろう。
コンシューマ向け製品において、突然の日本市場撤退を明らかにしたノキア。冬モデルとしてキャリアから発表されたNokia E71はNTTドコモ、ソフトバンクともに発売を中止すると発表しており、N82はノキア最後の日本向け端末となってしまった。ノキアの端末はキャリア独自サービスへの対応が最後まで限定的だったが、充実したマルチメディア機能がバランス良く搭載されキビキビと動作するN82は、ノキアの進退に関わらず魅力が高いと感じた。
■ URL
製品情報(ノキア)
http://www.nokia.co.jp/phones/n82/
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(太田 亮三)
2008/12/05 22:34
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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